ロシア南西部 カザフスタン北西部 雪解け大洪水
ロシア・カザフスタン国境
不気味な予感がする。真冬から春にかけて積雪は解けてゆくわけだが・・・。ダムが決壊してこんな災害になってしまった。
気温が上昇⇒雪解けが加速⇒異常に増水⇒ダムが決壊⇒洪水。シベリアのウラル山脈周辺の雪解けだとスケールが違うのだろう。
上はロシア、左上にはモスクワ ( Moscow ) 。 左下はウクライナ。右下はカザフスタン。中央下に見えているのはカスピ海。
大洪水に見舞われているのはオレンブルク州のこのあたり。上のほうにはウラル山脈。二つの都市、オレンブルク ( Orenburg ) からオルスク ( Orsk ) にかけての被害の状況を見ていきたい。
実線は国境線、破線は州境線。
だいたいこの範囲。ウラル川はオルスクまで南下し、オレンブルクの方向に流れて最終的にはカスピ海に流れ込む。右上にダム湖が見える。ここのダムと下流にも小さいダムがある。
ロシア南西部
衛星画像は2024年4月11日。左上隅にオレンブルク、右端にオルスク。積雪と雲は区別できると思う。泥流となった川がみえる。泥流をかぶった地表面もわかる。
この画像をデータ処理すると、状況がもっと鮮明にわかる。
積雪は水色、雲は白のまま。川はネイビー。地表は茶色、泥流が流れた地表は薄茶色。植物があるところは緑、となっている。
川の流れは右から左。
オルスク
4月5日に洪水が発生したとされるオルスクの周辺を見てみよう。生の衛星画像とデータ処理を行った画像を合わせて表示するので理解しやすいと思う。
拡大。
参考衛星画像は2023年4月9日。去年の様子。去年は洪水がなかった。上と下の画像を見比べると、洪水の範囲がひと目でわかると思う。
さらに拡大してみよう。
去年の様子。
オレンブルク
今度はオレンブルクの周辺を見てみよう。支流の合流地点にある町だ。
拡大。
参考衛星画像は2023年4月10日。去年の様子。
さらに拡大。
去年の様子。
市街地の南側の水没地帯。
去年の様子。
カザフスタン北西部
隣国カザフスタンにも洪水の被害が広がっている。国境線を表示。
川の流れは右から左。
ウラル川の本流が増水して水嵩が増しているので、支流があふれるという状況になっている。
去年の様子。
オルスクの近くでは川の一部が国境になっている。上がロシア、下がカザフスタン。
参考衛星画像は2023年4月7日。去年の様子。
気温の振れ幅が大きいのが気になる。今年もまた荒れ模様の気候に悩まされることになるのか。
注記)
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する COPERNICUS ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。.
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。