どうして臨場感が出ないのか?〜客席の聴き手を意識したパンの話〜【ミックス】
前回、フェーダーバランスで楽曲の全体像がなんとなく見えてきたと思いますので、今回は軽めにパンの話をしようと思います。
パンとはステレオのLRの音量差の調整のことです。
ツマミをひねれば捻るほど捻った方向と反対のスピーカーの音は小さくなります。
これを利用して音が聞こえてくる方向をセンターだけではなく左右に調整することができます。
演出的な意味合いが大きいので、あまりミックスの解説で取り上げられることはありませんが、少しだけ…
パンの考え方
基本的にパンは聴き手をどこに置くかというところから考えるといいと思います。
今回は、ボーカル、リードギター、バッキングギター、ベース、ドラム(右利き)という編成を想定、聴き手は客席に置くことにします。
また、客席から見て、センターにボーカル、後ろにドラム、左にリードギター、ベース、右にバッキングギター、ピアノというような立ち位置を想定しました。
ただ、センターにするものは大体お約束的に決まっています。
ドラムのパン
基本的にドラムセットの配置に沿ってパンを振ります。
キック、スネアはセンター
ハイハットは右寄り(ジャンルによってはセンターもあり)、ライドシンバルは左寄り、クラッシュシンバルは左右(1つしかなければセンター)
タムはハイ、ロー、フロアの順に右、中、左とするのが良いでしょう。
リードギター
今回の想定なら基本的には左寄りに設定し、ソロの時はセンターに持ってくると良いと思います。
バッキングギター
右寄りに振りましょう。
リードもバッキングも左右に振るとライブ感が出ますがやりすぎるとバランスが崩れるので程々に…
ベース
基本的にセンターに設定しましょう。
ボーカル/コーラス
基本的にはセンターですが、コーラスに関してはディレイを使って左右に振ることもあります。
複数のトラックがあるときは思い切り左右に振るのもアリだと思います。
ピアノ等
基本的には好みですが、音域が広いので極端に振ることは避けた方が良いかと思います。ピアノを振った反対側に他の楽器を振ってバランスをとるように意識してます。メインの場合はセンターになります。
まとめ
ミックスにおいて、パンニングは必ずしも必要ではありませんが、左右に振ることにより楽器の分離が良くなったように聞こえるのではないでしょうか、立体感の他にパンを振ると帯域の被りが感じにくくなるのためそういう効果を狙うこともあります。
EQ処理ももちろんしますが…
また、前回取ったバランスが少し変わって聞こえると思うので、再度バランスの微調整をする必要も出てきますがそうやって少しづつ仕上げていきましょう。
今回、ストリングス等、オーケストラ編成のパンニングについては長くなるので取り上げませんでしたが、また機会をみて記事にしようと思います。
参考になりそうな書籍等は随時追加していこうかなと考えています。
次回はEQの処理について取り上げる予定です。
お楽しみに!
マルチトラックを使ってミックスしてみた動画をYouTubeに上げていますので、ぜひ聴いてみてください!
以上、さっちーでした!!
参考
DTM初心者のための省エネ作曲講座
https://www.dtmfb.com/vol-pan/
「音圧アップのためのDTMミキシング入門講座!」石田ごうき 著
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