二拠点生活その3(組織の中でどう活きるか?)
この際だから誤魔化さずに書いていこう。多分、一般的に役には立たないと思う。
一般的にと云うのは、多少なりの企業で専任の部署がある場合である。要するに個々の役割が明確になっている場合だ。
幸いというかなんというか、私の会社は個人商店イズムから抜け切っていなかった。だからこそ色々な画策が出来ただけである。
最初は兎に角酷かった。古株の社員ですら諸々諦めていた。「まあ、社長の会社だし」言葉の端はしにそんな言葉が出てくる。社長の意見は絶対で誰も反論しない。出来ない。
社員へのヒアリングを進めると、問題点が山の様に見えてくる。社長に文句が言えない原因も分かってきた。
会社の売上構成すら誰も把握していなかったので、事務員に手伝わせて数字を把握する。その時点では社員数25人ほど、なんと社長の売上が70%だった。そりゃ文句も言えないわな。
物事は俯瞰で考えるべきである。この組織をどうすれば良いのか。会社なんて簡単に潰れる。
私の立場から考えれば、長く生き残ってくれなければ会社にいる意味がない。
実は、こうして会社に入り込んで手伝うのは三度目だ。最初の会社ではTOPと意見が合わずに辞めた。私も若かったし我が強すぎた。
上場寸前の会社だったし私が居る意味も見いだせなかったのもある。けれども色々学ばせて貰ったと思う。
次に手伝った会社は、前の会社と違い立て直しが必要だった。経営革新支援の申請を通し銀行と交渉して借入を行いなんとか目処をたてたところで、会社のキーマンが離脱した。
詰めが甘かった。50名程のシステム開発会社で、派遣業務を仕切っていた人材だった。
彼にしてみれば、業況が危うい会社に居るより独立するか別の企業に自分を高く売る方が理にかなっている。
会社を残す方法は無いでも無かった。社員を株主にして業務を移管する。銀行に交渉して借入を減額した上で新会社が保証する。その矢先に…社長が失踪。
最悪の結末だった。此処でも色々と学ばせて貰った。
其れらは全て経験として活きているのだろう。
続く
元経営者、某サイトで大賞→小説出版歴有り。現在、金融関連役員(中小企業)コンサルティングも行う何でも屋。証券外務員一種。基本…ただのオッサン