犯行時17歳に無期 船橋明大生強盗殺人
2001年4月に少年法が改正され、それまでは18歳未満の少年には無期刑で処断する時は刑を緩和して10年以上15年以下の有期刑を宣告しなければならなかったのが、『例外的に犯罪内容の重大性、遺族の処罰感情、法的安定、社会秩序の維持の見地からやむを得ない場合は無期刑を宣告しうる』となった(この改正で有期の上限も20年に引き上げられた)
この事件はその二ヶ月後発生し、初めて犯行時17歳の少年に刑の緩和なしでの無期刑が宣告される事になった少年法を考察する上では重要な事件。
しかし、少年犯罪は被害者の属性や猟奇性、性犯罪、イジメなどの事件ばかりが取りざたされ、強盗殺人という重大犯罪はあまり報道されない(最近でも茂原の強盗殺人事件で複数の少年に無期刑が確定したが殆ど報道されない)
そんな事件だからこそ、この場で情報を発信したい。
事件の内容
平成13年6月20日、千葉県船橋市。S(18)とM(17)とK(17)は午前2時ころに友人のアパートから、友人TMを呼び出そうと連絡を取ったが、別の友人TK方にいたTMはSらと関わりたくないと思い、TKに代わりに電話をしてもらった所、その電話の態度が気に入らないとSが立腹し、TKを痛めつけてやろうと思い、船橋法典駅に呼び出した。
SはMとKを同意のもと車に乗せ午前3時頃にSが運転する車で到着し、待ち伏せていたが一向に現れず怒りが収まらず、TKの自宅が近くと聞いていたので近隣を探したが見つからずに鬱憤が押さえられず「誰でもいいからぶっ飛ばす奴がいないか」とSが言った所、Mがたまたま通りかかった明大生の男性(21)を「あいつでいいじゃん」と言った事が始まりだった。
SとKがこれに同意し、車で追いかけて道を塞ぎ、金属バットでKが襲いかかった際に転んでしまい、それを被害者が笑った(と思った)ために、金属バットや手拳で何度も殴り、車に押し込みMが「金を出せよ」と脅し5000円を奪った。
更に山林に連れ込み暴行を加え続け同日午前6時50分頃に死亡させた(被害者は家計を慮って予備校に行かず図書館に通い勉強し有名私立大学に合格した努力家で母や祖父に愛されていた)
それだけではない、Sらは同月28日に千葉県市川市で原付で追い抜きざまにひったくり、同年7月3日に同県白井市で普通自動車を盗み、同月16日には茨城県取手市で三件の原付を使ったひったくりをしている。
Sらは多数の非行歴があり、少年院に入所歴もある。
人の命を奪ったあとにも悪行の限りを尽くし、捕まる事など頭にはないのだろうか?と思うが常人の考えは通用しないか…
【D1-Law:判例ID28085044】
逮捕から無期確定まで
平成13年7月18日にSが傷害致死の疑いで逮捕
同月27日にMとKも傷害致死の疑いで逮捕
同年8月8日にSを殺人と窃盗で千葉家裁に送致
同年9月21日にKとMを強盗殺人で起訴(Sは先に同じく強盗殺人で起訴済み)
平成14年2月19日、被害者の母親が3少年の親に損害賠償を求める提訴
同年6月21日、千葉地裁で3少年に無期懲役判決(犯行時17歳の少年に対して法改正後に最初の無期刑判決。一審途中から3人は分離公判)
裁判官「犯行は理不尽極まりない。一生かけて償いなさい」
Sは強盗も殺意も否認。MもKも言った言わないと自己弁護
平成15年5月15日にS、同22日にM、同27日にKがそれぞれ控訴棄却される
平成17年2月10日 最高裁 上告棄却
【読売01.7.19京葉】【読売01.7.28京葉】
【読売01.8.9京葉】
【読売01.9.22】【読売02.2.20京葉】【読売02.6.21】
【読売03.5.22夕】【読売03.5.27夕】【読売05.2.13】
※犯行時17歳の無期刑確定は平成25年2月に吉祥寺で女性が襲われた強盗殺人事件が2例目
尚、D1-Lawでは3少年ともに実名が掲載されています。