見出し画像

GSOMIA騒動から見えたこと。

 韓国大統領府からの発表。

韓国大統領府のキム・ユグン(金有根)国家安保室第1次長は、22日午後、記者会見を開き、日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて「いつでも効力を終了させることができるという前提で、ことし8月23日の終了通告を停止させることにした。日本政府はこれについて理解を示した」と述べ、日本政府に協定を終了するとした通告を停止すると発表しました。

 ……一瞬、意味がよく理解できないが、要するに「破棄すると言ったが、破棄の時期は今ではない……その気になれば、20年後でも30年後でも可能だ……」ということらしい。
 これ以上追い詰めるのは得策ではない、という日本側の判断も働いたのだろう。韓国側は戦略物資の取り扱い改善の協議のテーブルにも付くことにしたらしいし、先ずは良かった。

 今回の件は、文政権が米国の圧力を過小評価していたことが(敷衍すれば米国を過小評価していたことが)失態へとつながったように見える。文はおそらくトランプを本質的には見下しているだろうし、リベラル系の弁護士あがりという経歴もその偏見を補強していることは間違いない。
 また、米国は韓国を絶対に手放さないという確信もあったはずだ。韓国が強硬にゴネれば、比較的柔軟に対応をする日本への圧力を強めるだろうという目論見があることは当時から透けて見えていた。

 それが誤算となったきっかけは、今にして思えば2月のハノイでの米朝首脳会談の失敗だろう。文が仲人を務めたものの米朝双方の認識が大幅にずれたままの対談は一切の成果を出すこともなく終わったが、このことでトランプの、文への信頼が完全に失われたことがその後度々の報道で窺われる。
 そうなると、韓国の強硬さは逆効果になる。日韓双方への歩み寄りを期待するにとどまっていた米国側の声明が、徐々に韓国の姿勢を批判するものへと変質していったのは、日本側の発表内容が始終フラットであったこともさることながら、その後の韓国側の、米韓同盟すら天秤に乗せようかという物言いにも影響されただろう。

 結局のところ、文は本気でレッドチーム入りをする気はなかった。
 ただ、日本を韓国の意に添わせたかっただけだった。
 現状維持をしながら、日本を足蹴にしようとしただけだった。

 今回のGSOMIA騒動で、その思惑が完全に透けて見える形となった。
 文はこの失態を、どう取り繕うのかが今後の見どころだろう。

いいなと思ったら応援しよう!