バス
生まれた街で公共交通機関と言えば電車
主な移動手段は自家用車か電車か自転車
一家に一台、子どもが大きくなると
一人に一台車を持っている家が殆どだ
バスは遠足や修学旅行の時に乗る観光バス以外
乗る機会がほとんどなかった
独特の匂いのするつり革や突っ張り棒のある
床が教室みたいな頼りない感じのする乗り合いバス
学生時代、
山の上のグランドで大会が行われるとき
唯一バスに乗っていった
距離によって金額がかわる後払い制のバス
乗るときに整理券を取り、フロントに表示される
整理券と同じ番号に表示された金額を払う
手に握った小銭はどんどん増えていく
金額合ってるんだろうか
決められたバス停で降りられるだろうか
不安と一緒に手のひらに握られた整理券も小銭も汗でびっしょりだ
それから自分も車を運転できるようになり
バスとはほぼ無縁の生活を送ってきた
最近、住まいを変えたことによって
ほぼ毎日バスに乗っている
ありがたいことにここのバスは
市内であれば一律料金だ
始発から終点まで乗っても
2つ先のバス停で降りても同じ金額
小銭を握っている手のひらが膨らんでいくことはない
しかしここにも落とし穴が
同じバスの様に見えて
同じ金額払うのに
先払いと後払いがあるのだ
先払いは前から乗って
後払いは後ろから乗る
もう難しい!
ルールわかんない!!
バスライフ
楽しむ方法あったら教えてほしいです
バスに乗って今日はどこへ行く
バスに乗って今日は海へ行こう
自分で行先は決められないけれど
行先へ向かうバスを決めることはできるよ
バス任せの旅もいいかも
知らない場所で何か新しい発見あるかもよ
運転手さん、今日もありがとう
明日もどこかへ連れて行ってね
私の知らない楽しい未来に
大きな箱に皆を乗せて、少しの希望を乗せて
それぞれが決めた場所に降ろす
運転手さん いつもありがとう
今夜もちゃんと運んでくれる
皆が帰るべき場所へ
少しの疲労と明日への希望も一緒に