<進化したのに、何故活躍できない?>
このテーマを考えるのに、ちょうど良い題材を提供してくれるのが、「列車砲」です。
「列車砲」は、言葉の通り列車に「大砲」を乗せたものです。
活躍したのは第1次世界大戦。このときは爆撃機が未発達であった為、鉄道を利用して移動し、神出鬼没に戦場にかけつけ、戦艦並みの火力で敵陣を攻撃する「最強の兵器」でした。
そして、「列車砲」の最終形態とも言える「80㎝列車砲」。期待される程の戦果をあげることができませんでした。
※因みに、戦艦大和の主砲は「46㎝」。
その理由としては、下記の2つがあげられます。
1)第2次世界大戦では、戦闘機と爆撃機が発達した。制空権を奪ってからでないと大きな的になってしまう。
2)第1次世界大戦は、戦況が膠着しやすかったが、機械化が進んだ第2次世界大戦では、戦況が流動的となった。80㎝列車砲は局所的にしか移動ができなかった為、活躍の場が少なかった。
<まとめ>
活躍ができなかった上記2つの理由から言えることは、「過去の戦場」がモデルで開発が進めれた兵器であった為、「変化した戦場」には適応できていなかった、と言えるのではないでしょうか。
このことを、私達の働く環境に置き換えてみると、学べることがあるのかなと思います。
学ぶべき点は下記の2つはあるかと思います。
(1)今までは、その仕事の仕方が有効だったとしても、そのやり方をどんなに進化させていったとしても、時代が変れば有効ではなくなる可能性がある。
(2)「既存のやり方」を時代遅れにするのは、同じ業種、種類のやり方、又は機械、ソフト、アプリでなく、全く異なる分野からの影響である可能性があること。
人って、成功体験があると、その成功体験から離れることがなかなかできないものです。
成功体験にとらわれない為には、広い視野から情報を収集をしつつ、常にこのやり方で良いのかと疑問を投げかけることが必要なのでしょう。これはわざと意図しないと出来ないことです。
このような疑問符を投げかけるには、全く別分野の人からの意見を頂くことも大きな意味があると思います。
そう考えると、周りにどのような人達がいるのか、どのような人達と付き合っているのか、それが重要な鍵を握っていると言えるかもしせません。