\ひとと、じぶんと、つながる。/いわき湯本温泉で過ごす癒しと学びの10日間【前編】
9月1日(金)~10日(日)に、『~ひとと、じぶんと、つながる。~いわき湯本温泉で過ごす癒しと学びの10日間』が開催されました。
企画立案は、昨年のさすかるインターン生で現在大学を休学して、古滝屋里見係として活躍する「まっきー」が行い、『ひとと、じぶんと、つながる。』をテーマに、いわき湯本温泉での滞在を通して出会うひとや体験から、自分自身の生き方と向き合うプログラムとして実施されました。
プログラム参加者は、宿泊先の『古滝屋』では、フリーアコモデーションとして旅館業務を体験。旅館に訪れる方々との交流をしたり、湯本の人や町、歴史に触れる機会が設けられたほか、湯本以外のいわき市内のイベントに参加したり、震災のスタディツアーにも参加したりと様々な体験が企画されていきました。
最終日にはプログラムを通して参加者たちが考える『湯本での滞在プラン』の発表会を行い、10日間の滞在を締めくくりました。
そんな、盛りだくさんの「癒しと学びの10日間」の様子をレポートしていきます!
🔳前半/9月1日~9月4日
【初日】古滝屋に参加者集合!
9月1日(金)、参加者4名が全国各地から『古滝屋』に集合しました。
さっそく古滝屋のロビーにて、自己紹介と改めてまっきーからガイダンスの説明が行われました!さて、どんなメンバーが集まったのかまずはメンバー紹介です!
|参加メンバー|
🔳 井田 怜菜(いだ・れな)
【属性】
・筑波技術大学
・北海道出身
温泉旅館の仕事を体験してみたいと思い、参加してみました。原子力災害考証館など、震災や原発事故に関して学んでみたいと思っています。いわきの梨を食べるのが楽しみです!
🔳 前川 優美(まえかわ・ゆうみ)
【属性】
・江戸川大学
・岩手県出身
地域で生きる若者に興味があり、どんな活動をしているか目で見て体験したいと思いました!温泉大好きなので温泉巡りが楽しみです。最近は銭湯に行く事にハマってます!
🔳 石川 舞桜(いしかわ・まお)
【属性】
・山形大学
・山形県南陽市出身
まちづくりや観光、地域コミュニティに興味があり、大学で勉強をしています。夏休みに何か自分の興味を掘り下げられるイベントやインターンに参加したいと思っていました。そんな中、まっきーさんが写っている広告を見つけて、コレだ!と思って応募しました。
🔳三浦 向陽(みうら・ひなた)
【属性】
・国際医療福祉大学
・宮城県気仙沼市出身
大学ではリハビリテーションを専攻し、将来は言語聴覚士になることを目指しています。このプログラム参加した理由は、温泉が大大大好きだからです。10日間毎日のように温泉に肩まで浸かれるのは、まるで夢みたいです。
また大学生のうちに、自分を見つめる時間や向き合う時間がほしいという思いもあって参加しました。古滝屋での出会いを、一生の付き合いにしたいです。
個性豊かで、古滝屋の雰囲気に合った学生たちが集結しました!!
ガイダンス後は、古滝屋2階にある『つだや』で歓迎会を行いました!
温泉にもゆっくり浸かり、移動の疲れも癒せたようでした。
【2日目】まちあるきとスパイスカレー
2日目には、まっきー案内のもと『湯本まち歩き』を行いました!古滝屋をスタートし、まずは温泉神社に!この日はとても暑かったのですが、風鈴の音が涼しさを与えてくれました。
お参りした後は、湯本の表通りを探索!色々なお店が立ち並ぶ中、『常磐藤原タクシー』と書かれる建物の前で足を止めました。
そこにあったのは、元々タクシー会社だった建物をリノベーションしたゲストハウス『Hace』でした!空き物件を活用した『Hace』の建物を見て、まちづくりおヒントを得られたようでした。
続いては、ディープな裏湯本エリアへ。アメリカンな雰囲気のある『kyoten』や『sunrise smoothie』を見つけ、温泉街湯本とはまた違う世界観にみんな興味津々でした!
そして、その近くにある湯壺碑に向かい、まっきーから湯本の歴史について学びました!
旅館が多く立ち並ぶ温泉街。栄えている場所の一方で空き家などにも目がいきます。新たに活用できる方法はないのか、まち歩きをしながらたくさんの意見や案が出ていました!
夜は参加者みんなでスパイスカレー作りました!始めは出来合いのルーを使って作ろうと思っていたのですが、、、、せっかくだからルーから自分たちで作りたいとの声があり、スパイスや野菜を使った無水カレー作りにチャレンジ!
スパイスから作るのはみんな初めての経験でしたが、10種類のスパイスとトマトをたっぷり使った美味しいカレーが出来上がりました!
そして夕食後には、古滝屋8階でアーユルヴェーダサロンを運営する藁谷弘子さんから、アーユルヴェーダやヨーガの歴史、アーユルヴェーダを活かした呼吸法や姿勢づくりのお話、西洋医学と東洋医学の違いなどの非常に興味深いお話をお聞きしました。
また、藁谷さんが実践するアーユルヴェーダヨガの活動や震災を機に変わったご自身の人生観などのお話に耳を傾けました。
ヨーガと宗教について深い視点からの質問や、ホルモンバランスの乱れによるイライラや睡眠不足の解消法などの質問が飛び交っていて、アーユルヴェーダを日常で活かそうとしている姿が印象的でした!滞在中には4日間、藁谷さんのヨガに取り組む時間も設定されています。
【3日目】湯本を飛び出て・・・
3日目は、湯本を飛び出て四倉まで!ワンダーファームで開催されたカレーフェスに行ってきました!会場にはカレーだけでなく、福島の名産品なども並んでおり、試食や出店者の方たちとの会話も楽しみました。
そして、ただ遊びに来たのではなく、11月に湯本で開催されるアーユルヴェーダ博物館のチラシ配りのお手伝いをしました!チラシを配り終わった後は、気になるカレーをそれぞれ食べ、カレーフェスも満喫できたようでした。
夜には、なんと【いわきFC】の試合観戦に!みんなでお揃いのFCのユニフォームを着て応援しました。また、どんなスタジアムにしたいかなど『スタジアムボイス』に意見を記入しました!
【4日目】はじめてのフリアコ
4日目は、旅館業務のお手伝い初日!このプログラムでは、『フリーアコモデーション』(=無料でホテルなどの宿泊施設に泊まるかわりに、業務の一部を手伝う仕組み)を取り入れており、今回の参加者らは、『古滝屋』の旅館業務のお手伝いをしながら滞在していました!
今日は古滝屋の太平館(10階~14階)にて、9時~12時の3時間、客室の清掃&整理を行います。
ゆーみ(前川さん)といだれな(井田さん)は二人で協力して客室のゴミを回収。ゆーみが部屋の間取りやゴミがある場所を伝えていだれながゴミを集める、息のあった連係プレーでした!
まおっち(石川さん)はいだれなと、使用済みの枕カバーを新しい枕カバーに変えたり、ひなっち(三浦さん)はネパール人スタッフさんと丁寧に布団を敷きました!
午後は、古滝屋のロビーでまったり過ごしているとステキな出会いが✨
ひとりめはいわき市の小菅議員との出会い。
たまたま古滝屋に打ち合わせに来ていたところ、短い時間を縫ってご自身の半生についてお話してくださいました。
ゆーみ(前川さん)は小菅議員の海外話を聞いて、来春から計画しているワーキングホリデーへの気持ちがより強くなったそう!
その後も、湯本で様々なイベントを手掛ける坂本さんにも偶然出会い、イベントの際のやりがいや苦悩をお聞きしました。
坂本さんがイベントを企画し始めるきっかけになった震災でのボランティア経験の話を聞いて、震災が地域の方の人生に大きな影響を与え続けていることが分かりました。
【5日目】お寺でヨガと精進料理
5日目は、いわき市好間町にある『龍雲寺』にて開催された写経ヨガに参加した。1時間程かけて写経を行い、その後のヨガで心と体をほぐしました。生活音の聞こえない”お寺”という静かな空間が、より自分と向き合える時間にしてくれた気がします。
お昼には、龍雲寺の住職手作りの精進料理を美味しくいただきました。動物性のものが使われていない精進料理。改めて、命をいただくということ、私たちは地球に生かされているということについて考える機会になりました。そして食器の後片付けは、感謝の気持ちを込めてみんなで行いました!
ヨガと写経を通してこころとからだをつなぐ感覚に触れたり、お寺でありながらコミュニティーの場として機能する龍雲寺での体験を通して、ひととひととがつながる民間主導のまちづくりの一端に触れることができました。
そして午後からは、古滝屋に戻り旅館業務を行いました!この日は、キッズコーナーの片付け、日帰り入浴用のタオル詰め、お客様の予約カード整理、利用人数や客室使用数の集計を役割分担しながら行いました。
🔳後半/9月5日~9月9日
【6日目】Fスタディーツアー
6日目は、いわきを含む浜通りの震災について学ぶ日になりました。
まずは里見さんによるスタディーツアー。豊間、薄磯方面を目指し車で北上します。車内では震災時におきた「水」に関する困りごとについて、具体的な場面を想像しながら考えます。
ご飯を作るとき、歯磨きするとき、洗濯をするとき、赤ちゃんのお世話をするとき…。近くにあって当たり前の水がなくなったとき、自分や周りはどうなるのか、自分事として考えてみます。
いわき震災伝承みらい館に訪れた一行は、音声ガイドをお借りしながらひとつひとつ丁寧に展示を見ていきます。
語り部に興味があったひなっち(三浦さん)は、スタッフさんから当館で行われている語り部による講話やその他活動についてお話を伺いました。
豊間の兎渡路の家では、視覚障がいの方が震災時にどんな行動をとったのか、取材の一部を見学させていただいたり、そこで偶然出会ったいわきでライフセービング活動をされている方の拠点を訪れたりしました。
古滝屋に戻ってからは、大熊未来塾の木村紀夫さんのお話。
自然災害の教訓や人災の不条理さ、人間にとって本当の豊かさとは何か考えさせられました。
木村さんのご経験やお考えを自分なりに解釈して落とし込むには少し時間がかかりそうだけれど、私たち人間が豊かだと思い込んでいる人間中心の世界の欠陥と限界に気づけたような気がしています。
今日は浜通りの方々との出会いから、じぶんと、じぶんを取り巻く社会の疑問と出会う一日になったと思います。
【7日目】ウラ湯本の世界へ
7日目は、Re.yoga Lotusの藁谷弘子さんによる朝ヨガからスタート。
2日目の夜に藁谷さんから伺った、ヨガの語源でもある ”つながる” を意識して参加しました!
藁谷さんから、まおっち(石川さん)は骨盤のゆがみを、ゆーみ(前川さん)は肩が内巻きになっていることをアドバイスしていただきました。
普段意識していないことや、意識しすぎていることにも落ち着いて目を向けることができ、ゆったりとした朝の時間の過ごすことができましたね!
9時~12時は古滝屋の太平館にて旅館のお仕事です。
まっきーの幼馴染で、8月から住み込みバイトをしている大学生・たくやっちに教えてもらいながら3時間お手伝いをしました。
ランチは、2日目のまち歩きの時からみんなが気になっていたウラ湯本のkyoten coffeeさんへ。ランチはもちろん、店内にあったウラ湯本ステッカーやTシャツなどの雑貨も楽しみながら過ごしました!
店主の中村さんには、ウラ湯本の由来やお店を始めるきっかけ、震災当時のことなどのお話をお聞かせくださいました!
ウラ湯本という商店街の一角から始まる、個性あふれるまちづくりの一端をのぞかせてもらったように思います!
【8日目】フリアコ最終日
8日目は、前回のヨガで肩回りが凝り固まっている人が多かったのでポールヨガを行いました!ヨガ後は、スパイスをふんだんに使ったキチュリーとチャイをいただき、こころとからだを癒す朝になりました。
そしてこの日がフリアコ最終日でした!この日は、客室の清掃を行いました。視覚に障がいがある井田さんも、ほとんど周りのサポートなしでみんなと同じように業務をこなします!「業務内容や部屋の構成・配置を覚えてしまえば、だいたいできます。」と言っており、誰よりも素早い動きに驚きました!
また、「慣れてきて楽しい」「もっとフリアコしたい」という声もあり、みんな初体験の旅館業務でしたが、楽しんでいただけたようです。
スタッフさんからもたくさんの感謝の言葉をいただき、別れを惜しむ場面も見られ、短い時間でしたが良い関係性を築けたようでした!
【9日目】発表にむけて
9日目は、ついに発表会当日…!朝から各自準備を進めました!発表のまとめ方は自由なので、大きな模造紙1枚にまとめたり、スケッチブックでフリップ式にしたりなど、それぞれの工夫が見られます。
実際に湯本で滞在してみて、どんな気づきや学びがあり、どんな『湯本での過ごし方』を考えてくれたのでしょうか・・・
【後編へ続く】