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\ひとと、じぶんと、つながる。/いわき湯本温泉で過ごす癒しと学びの10日間【後編】

|『湯本でどう過ごす?』発表会|

はじめに、まっきーから9日間の振り返りと発表会についての説明を行いました。

パソコンのスライドで写真と共に4人が湯本でどんな暮らし方をしていたのかを、発表会に来ていただいた方々に共有しました。
(※詳しい滞在中の様子については、【前編】のnoteをご覧ください。)

まっきーは最後に、
「参加者4人は、部屋は男女別々でありながらも朝から夜まで一緒に行動し、半共同生活をしていました。そのシェアハウスのような光景を毎日見れたのが楽しかったし、普段は一人なので同世代の学生たちと過ごせたのも楽しくて1番の思い出です。」と言っていました。

まっきーがパソコンを持って10日間の振り返りと説明をしている様子
まっきーが振り返り・説明している様子

それでは早速、『湯本でどう過ごす?』発表会の内容にはいっていきます!
湯本に滞在する中で、気づいたこと・感じたことをもとに、湯本での滞在プランや過ごし方について考えました!
それぞれの妄想プランなので、架空の場所や人ものなども含まれますが、面白い内容になっていますので、どうか温かい目でご覧ください。

①三浦向陽さん~足湯大使になる~

三浦さんが発表している様子 笑顔でスケッチブックを持っている
三浦さんの発表の様子

三浦さんのテーマは、『足湯大使』です。
自称”足湯大使 朝活コーディネーター”になるとのこと!
まず、どんな日でも、同じ時間に、同じ場所で足湯をしている人が湯本にいたら面白いのではないかと考えました。
三浦さんは、滞在期間中ほぼ毎朝7時に、湯本の鶴の足湯に行き、みつやでおにぎりを買い、また足湯に浸かってから古滝屋に帰るルーティーンだったそうです。

また、毎日足湯に通う中で様々な出会いもありました。
歴史に詳しいおじさん、免許合宿中の大学生、足湯には入らないけど毎朝世間話をしている人など、、、
そして、足湯に通ってみて、まちのことや自分の知らない世界が知れたり、朝の気持ちいいスタートになったり、自分の癒しにとっても、良い効果があると実感。
また、足湯という場所は、そこでの出会いから始まる会話であったり、コミュニティーや居場所としての機能や役割も果たすと考えました。

そして本題の、”自分は湯本でどう過ごすのか”について。
まず、朝1番に足湯に行き、湯本のみなさんとお喋りすることから1日を始めたいとのこと!
また、足湯での過ごし方をいくつか提案してくれました。
・ボードゲーム、囲碁、将棋など
・海外の方(観光客やスタッフ)と英会話
・映画、スポーツ観戦
・習字
足湯に浸かりながらできることって意外とたくさんあるのかもしれませんね!そこから、多種多様な新しいコミュニティが生まれそう・・・!

三浦さんが発表している様子 スケッチブックに「こんな足湯大使でいたい 足湯に来る人が足湯でやりたいやってみたいを最大限にサポートする」
三浦さんが発表している様子

そして、三浦さんが考える『足湯大使』とは、
足湯に来る人の、「足湯でこんなことをやってみたい!」を最大限にサポートできる存在でありたいとのこと。

また最後には、
「湯本にある足湯は、素敵な出会いや発見があり、僕の人生が変わりそうになりました。明日ここを離れるわけですけど、”さよなら”とかじゃなくて、”いってきます”、”いってらっしゃい”と言って別れたいし、また来た時には、”ただいま”と言ったら、”おかえり”という言葉が返ってくる居場所にしたいです。そんな足湯の場づくりを足湯大使にお任せください!」
とみんなに伝え、発表を終えました!

②前川優美さん~湯本女子一人旅~

前川さんが発表している様子 笑顔で話している
前川さんの発表の様子

旅が大好きな前川さんのテーマは、『湯本女子一人旅』

10日間の湯本での滞在を最大限に詰め込んだ1泊2日のスケジュールプランを作りました!
”なぜ一人旅なのか?”
最近一人旅をする人たちが増加している傾向にあります。
20代~40・50代の幅広い世代で、自分を癒すという目的の一人旅行を楽しむ人が多い。
湯本でも、一人旅のプランができたらいいのではないかと考えたそうです。

前川さんは、この10日間里見さんに最初に言われた「五感で楽しんでください」という言葉を目標に、古滝屋を拠点に湯本で過ごしました。
また、ヨガ、温泉で体の内側から洗い流すことでできたり、素敵なご飯屋さんがあったり、東京では味わえない魅力がいっぱいあると気づきました。

そして、もう一つの気づきが、街を歩いていて女性が少ない!古滝屋に来るお客さんを見ていても、女性が少ない!
そこから、女性を受け入れる体制や、来たいと思える出来事がないんじゃないかと考えました。

前川さんが発表している様子
前川さんが発表している様子

お店は素敵なところが多いけど、車社会によって見つけることができない、通り過ぎてしまう場所であったり、古滝屋近辺からだとローソンが近すぎるのでそこで簡単に済ましてしまって、外食するきっかけを作りづらくなっているのではないか。
そこで、徒歩活用と地元飯をアピールできるような1泊2日のスケジュールを作ってみました!

まず湯本に着いたらWAI WAI SHOPに寄って湯本の初手を掴み、そのままkyoten coffeeに向かいます。
そして、そのまま目を閉じて足湯に浸かり、様々な音を感じてもらいたい
1日目は早く寝て、2日目の朝は藁谷さんのヨガに参加。ヨガの開催日に合わせていくのがおすすめ。
ヨガ後には、インドのおかゆであるキチュリーを食べてから温泉に入るという朝のルーティーンを体験。
そして、みんなが激押しのこいと旅館の温泉に入り、公園に行き、また目を閉じて耳を澄まして五感を楽しんでから、帰るというプラン。

また、この旅で獲得できることとして、
・一人旅の良さを再確認できる
・湯本でしか味わえない旅ができる
・湯本にとって良いこととしては、女性の関係人口が増える
・『湯本温泉』が広まる

があると思います。

『女子が楽しめる町、湯本。』
というキャッチフレーズで『湯本女子一人旅』を広めていきたいです!

女子の癒しの旅プランでしたね。湯本に女性が少ないという課題。良い発見だったと思います!

③井田玲奈さん~グルメと癒しの温泉ツアー&フリアコマニュアル~

井田さんが発表している様子
井田さんの発表の様子

井田さんのテーマは、
『グルメと癒しの温泉ツアー』『フリアコマニュアル』です。
■はじめに、『グルメと癒しの温泉ツアー』について。

駅から古滝屋までの地図を作ってみました。
この地図をもとに2日間の『グルメと癒しの温泉ツアー』を紹介します!

まず、駅からの道は、大通りと商店街の道の二つがあり、どちらの道も歩いてみた結果、商店街の道の方が、道幅も広く車通りも少ないのでおすすめ。
また、駅から古滝屋までの道の9割が点字ブロックがついているところも良いポイントだったそうです!

そして、これから発表するプランの前提条件として、
・まっきーが古滝屋にいること
・みんなで料理をした802号室が使えること

この2つが前提条件とのこと!

このプランは、筑波技術大学の友達を連れてくることを目的で作ったので、茨城を朝出発し、昼頃に湯本に到着。
昼食をとった後、温泉神社に行き、風鈴の音を聞いて癒されます。そして足湯や道路の側溝から吹き出る温泉の湯気。体だけでなく匂いでも温泉を感じられるのでイチオシスポット。
そして夕食は、みんなでワイワイご飯を作ります。材料集めは、商店街の中にある『バナナセンター』(八百屋)へ!
滞在中に、店主の方が値段を負けてくれてとても優しかったので、応援したいという気持ちから買い出しはここに行くと決めているそうです。

古滝屋の802号室でみんなで話しながら料理をするのがとても楽しくて、個室なので自分たちしかいないため話が弾む感覚があり、ご飯は食べに行くのではなくみんなで作りたいです。

その後、温泉にゆっくり浸かるのですが、おすすめの温泉の入り方があり、ぬる湯とあつ湯を10往復します。まっきーに教わったこの入り方が1番だったそう!

2日目の朝は、ヨガ!と言いたいところですが、私は体が硬くて苦手だったのでしません。
でも、藁谷さんの説明は見えていなくてもどんなポーズをとればいいのか分かりやすかったので、興味のある人はぜひやってください!
朝ごはんは、みつやのおにぎりを食べます。五目おにぎりがおすすめ。

そして9時から12時は、フリアコ
このプランの中で1番のメインです。
井田さんはフリアコを通して、たくさんの経験と学びがあったので、ぜひみんなにも体験してほしいとのこと。
働くこと自体初めての経験で、なかなか視覚障がい者を受け入れてくれるところは少ないので、里見さんならまた来ても受け入れてくれそうと思い、プランの中にフリアコも組み込みました。

左にさすかる井上、右に井田さんが椅子に座り発表している 井上がマニュアルブックを持ち、井田さんが発表する
さすかる井上(左)と井田さん(右)

■二つ目に、『フリアコマニュアル』を作成しました!
言葉の説明って意外と難しく大変だなと思ったことから、フリアコのマニュアルを作ってみました。

表紙には、簡易点字版で作った『ふるたきや フリアコ マニュアル』の点字が!みんな簡易点字版に興味津々の様子でした!

このマニュアルブックには、仕事内容と、その時にいだれながサポートしてほしいことが書かれています。
そして、はじめに重要なこととして、
・初めてやるときは、口で言葉で説明するか、実際にやりながら教えてほしい
・同じ視覚障がい者でも人によって見えかたが違うので、できることできないことが異なるため、一人一人に聞いてみてほしい

とお願いをしました。

今回は、視力0.02(人がいる、ものがあるが認識できる程度)の私のサポートしてほしいことを参考として書いています。

まず、部屋の掃除では、部屋の移動は介助してくれるとありがたいです。
部屋の配置などがお客さんによっては、変わっていたりするので最初入ったときに伝えてくれると嬉しい。
例えば、「ゴミ箱の中のゴミを全部回収して」という指示だと、見える人なら分かるかもしれないけど、見えない人からすると、どこにゴミ箱が置いてあって、何個あるのかまで伝えてくれないと難しいです。

次に、シーツや布団カバーを外して仕分ける作業。
部屋から廊下に使用済みのシーツを出すことはできるが、廊下に出されたシーツを1か所に集める作業はお願いしたい。
廊下には柱があったり、物が落ちていたり、危険があるのでお願いしたいとのことでした!
シーツの仕分けは、素材や大きさの違いでスピーディーに仕分けることができます。

次に、ポットの洗浄。
スポンジに洗剤をつけて、水で流して、またコンセントをつけるという流れなんですが、ここでサポートしてほしいのが、
・ポットの位置を教えてほしい
・泡がちゃんと流れているか教えてほしい
・ポットの中の水がどこまで入れるか教えてほしい
普段だったら指を入れて確かめれるけど、お客さんの飲むものになるので指を入れてはいけないので、サポートしてほしいとのことでした。

ここで前川さんからは、「逆に私たちは、やりすぎないようにする。必要な時だけサポートするのが大切だと今回分かった。」という言葉もありました。

次に、布団カバーをつける作業。
サポートしてほしいこととしては、布団の模様がある方を上にする時に、模様は認識できないのでどっちを上にするのか教えて欲しいのと、もしシーツにしわが寄っていたりしたら教えて欲しい。
また、枕カバーをつける作業でも、先ほど同じように裏表の決まりがあり、ロゴが付いている方が表面なので、それは教えてほしい。

そして、本の最後には空白のスペースがあり、そこにはみんなのサポートしてほしいことを書き足してほしいとのことでした。
これは、古滝屋に置く予定なので、これからフリアコに来た人たちがこれを見て書いていくスペースになっています。

人に伝える難しさ、言葉の重要さ、助け合い、参加者の皆さんも井田さんから学ぶことが多かったように感じます。
苦手なこと、サポートしてほしいこと、得意なことは人によってそれぞれ違って、それに障がいの有無は関係ないんですよね。

④石川舞桜さん~イベントおばさんになる~

石川さんが発表している様子
石川さんの発表の様子

石川さんのテーマは、『イベントおばさん』です。

まず10日間の振り返りから。1番印象に残っていることは、今まで出会ったことのないキャラの濃い人たちにたくさん出会ったことです。
まっきーや参加者のみんなをはじめ、10日間で関わった人たちに一言ずつコメントしました。

また、まち歩きをしていて気づいたこととして、
・地元の人が個人で経営しているお店が多いということ。
自分が住んでいる山形市では、チェーン店が多いけど、湯本には個人の素敵なお店がたくさんあり、もっと開拓したいと思いました。

・地方の良さを再認識できたということ。
神社や温泉、自然が身近にあるのってすごく良いなと思いました。また、別の世代の人と交流する機会が多いので、様々な経験や違った視点を聞くことができたり、人の温かさを感じたり、それだけで価値のある時間になる。

・趣味にできるコンテンツが多い町だということ。
いわきFC(サッカー)や、ヨガ、サップやサーフィンなどのマリンスポーツ、サイクリング、コスプレイヤー、温泉など、滞在中だけでもこんなにも新しいコンテンツとの出会いが。
その中でも、毎日温泉に入って、その日の疲れを取るという時間がとてもいい時間でした。

また、観光やまちづくりを勉強している私の中で感じたことは、
地元の人が主催しているイベントがとても多いということ。

私が今回のプランを作るにあたって、自分が学んでいる観光を活かして作りたいという思いがありました。まちづくりをする上で、よそ者・若者・ばか者が絶対必要だと言われており、その3つとも自分なら当てはまると思って、今回のプランを考えました!

大きな模造紙をまっきーが持ち、石川さんがそれを指さしながら話す
さすかるまっきー(左)と石川さん(右)

そして本題の私の湯本での過ごし方は、「イベントおばさんになる」です。
まず、手始めにしたいことが2つあり、
1つ目が、『花笠まつりin湯本』の開催。
石川さんが所属している花笠サークルの部員を連れて、2週間ほど滞在し、『花笠まつり』では、ステージイベント、パレードイベント、花笠体験などを実施し、そしていわき踊りへの参加もしたいとのこと!

また、8月のお盆あたりは繫忙期に入るので、その期間に滞在して、古滝屋のフリアコ人員になろうと思っています。
古滝屋のメリットとして、バイト人員の確保と、イベント開催でちょっとお客様をおもてなしできることに加えて、
参加するメンバーにもメリットがあると思っていて、滞在中に観光ができるということと、コロナ禍で弱まってしまったサークル内の結束力を強める機会に。

また、地元の人と交流することで、イベントや観光に肯定的な地元の人を増やせたらいいなと思います。
これは、マーボーさんから話を聞いたときに、オーバーツーリズムと言って、イベントなどに肯定的じゃない方が出てきてしまったり、住民の方が観光によって弊害を受けてしまうのが良くないということを知ったので、それは避けれるようにしたい。

2つ目が、地元に帰ろうイベントを開催すること。
いわき市の転出数が多いという課題があるということで、もう一回戻ってこようよ。というイベントを開催したい。
きっかけとしては、県外に進学した学生が友人と一緒に地元巡り旅行が出来たらいいなと思ったことです。
このプランでは、地元割を作ってお得に旅行ができ、一緒に来た友人もいわきに関わるきっかけになり、どんどん人を増やしていきたい。
また、私が勝手に『よそ者視点マップ』を今後作り、それを配布して、別視点から地元を見れる機会を作れば、もっと良さに気づける若者が増えるのではないかと考えました。

これらを実施することで、若者のリピーター、サポーターをゲットすることを目標とし、達成できたら私も『イベントおばさん』って名乗れるじゃないかと思っています!
また、湯本のまちのメリットとして、若者の観光客が増えること、転出した人たちが帰ってくること、観光と住民が共存していける、人手不足の問題を解決出来たらいいなと思って、今回のプランを考えました!

自分の経験と、町の良いところを活かし、課題解決に繋がるプランでしたね!実現する日は遠くなさそう・・・!
湯本に新しい風を巻き起こしそうな予感ですね!

談笑をしながら、発表を聞いている様子
発表会の様子

10日間を通しての気づきや、4名それぞれが持つ視点から、様々な『湯本での過ごし方』が発表されました!
「湯本の魅力は、温泉だけじゃない。」「こんなこともできる。」「自分は湯本とこう関わりたい。」みんなの強い思いがグッと伝わってくる内容でした。
発表を聞きに来てくれた皆様もありがとうございました!一方的に発表するのではなく、地域の皆さんと会話を弾ませながら発表できたことがとても良かったなと思っています。
また4人が、今回発表した湯本での過ごし方を実践しに来た時には、温かく見守ってあげてください・・・!

|9月10日 最終日|

防波堤に座り、海から登る朝日を眺めている
みんなで朝日を眺めている様子

最終日は、古滝屋を朝4時に出発し、薄磯海岸までみんなで朝日を見に行きました!
晴天にも恵まれ、朝一番の光に一同癒されました。

朝日と、影になったみんなの後ろ姿
朝日とみんなの後ろ姿

|まっきーからのメッセージ|

さすかるのまっきーです。
この度はプログラムに参加してくれて本当にありがとうございました。

ボクはみんなと10日間を過ごしてみて、自分軸で生きるということついて考えさせられたなあと思っています。
小さなころから誰かに評価されながら生きてきた自分たち。
評価されることは悪い事ではないけど、それがすべてだと思い込んでしまって、いつのまにか自分を見失ってしまいそうになる。
ただ、この10日間は誰からも評価されない、自分そのものにじっくり意識を向ける、そんな期間にできたのではないかと思います。
この湯本での"湯治"がみんなの新しい一歩に繋がったら幸いです。
またお会いしましょう!

最終日、古滝屋のロビーにて出発前の参加者4人
最終日、出発前の参加者4人