見出し画像

サッスオーロ 22-23シーズン 選手評価

初めまして、の方が多いかと思います。セリエAに所属するU.S. Sassuolo Calcio(サッスオーロ)を応援しているニコと申します。

6月12日に行われたセリエA残留PO、スペツィア対エラス・ヴェローナ戦をもって、セリエAの22-23シーズンが幕を下ろしました。

僕がきちんとサッスオーロ(とセリエA)を見たのは今季が初めてだったのですが、アタランタサポの方が選手評価をされていたのをツイッターで見て、サポ歴1年にして、これのサッスオーロ版を書きたい!!と思っちゃいました。それでいそいそとキーボードを叩いている、という次第です。

初めてのnoteの前に思わず饒舌になってしまいそうですが、長々と前置きを書いても仕方が無いので早速本題に入っていこうかと思います。評価形式としては、例のアタランタの選手評価を書かれたぶきゃなん(@destro1225)さんの
・10点満点
・可も不可もない場合は6点
というのを僕の方でも採用させていただきます(ぶきゃなんさん、同じ形式で書くことを快諾して下さってありがとうございました🙇‍♂️)。

あくまでも素人がおこがましく勝手に評価を書いているだけなので、かるーい気持ちでエンタメとして楽しんでもらえたらと思います。気になる選手のとこだけ読む、のでも全然OKです!!

※GK以外で、怪我などでほとんど試合に出られなかった選手や、シーズン途中に移籍した選手に関しては、今回は対象外とさせて頂きました。

GK

アンドレア・コンシーリ 5.5点

GK/36歳/イタリア/35試合/0G0A

コンシーリは、思わず「コンシーリ愛してるぞ!!」と叫びたくなるようなスーパーセーブを定期的に見せてくれました👏。特に強いのがCKです。分かりすい例を貼っておきます(1分54秒~)。

そんなコンシーリですが、シーズン終了時点で36歳&セリエA通算536試合出場の大ベテラン。さすがに衰えが目立つ場面も増えてきました。特に気になるのは球際の弱さ。比較的正面に飛んできたシュートに押し負けて失点してしまうことが何度かありました。来季は、ローン先のフロジノーネで守護神として大活躍し、20 CSでチームのセリエB優勝に大きく貢献したトゥラーティがチームに帰ってくる予定です。ディオニージのコンシーリに対する信頼が相変わらず厚くとも、来季の守護神の座は決して安泰ではないと個人的には思っています。

ジャンルカ・ペーゴロ 6.5点

GK/42歳/イタリア/2試合/0G0A

先程、36歳のコンシーリを大ベテランと書いてしまったことを少し後悔しています。なぜなら、このペーゴロはコンシーリより6歳も年長の42歳だからです!!!なんて呼べば良いんだ。超ベテランとかですかね。そんなことを言いだしたら45歳のブッフォンはどうするんだというツッコミはさておき、今季のペーゴロは良い意味で期待を裏切ってくれました。コンシーリが怪我で戦列を離れた第18節ラツィオ戦と第19節モンツァ戦でゴールマウスを守ることになったペーゴロは、経験に裏打ちされた安定感抜群のプレーを披露すると、サポーター(おもに僕)の心をがっちりと掴むことに成功しました。元気なうちはまだまだその雄姿を見せて欲しいなと思います。

アレッサンドロ・ルッソ 4.5点

GK/22歳/イタリア/1試合/0G0A

ペーゴロを褒めた直後にアレですが、正守護神が36歳、2番手GKが42歳という現状は正直異常です。コンシーリの欄で少し触れたトゥラーティがローン先でブレイクしてくれた分、まだ来季への希望を持てていますが、そうでなかったらと思うと背筋が凍ります🥶。ルッソは、193 cm(transfermarktによる)あって、22歳で、各年代(U16-U21)でのイタリア代表への招集歴ありという若手有望株であってしかるべき選手のはずなんです!!!それが今季は最終節のみの出場で、しかもあまり良いとは言えないパフォーマンスで…ポテンシャルは高いはずなのに36歳と42歳のおじさん2人の牙城を崩せなくてどうする。来季こそはトゥラーティとルッソで守護神枠を争うくらいして欲しいです。期待してます。

DF

ジャンマルコ・フェラーリ 7.0点

CB/31歳/イタリア/33試合/1G0A

貴重な左利きCBであるフェラーリは、シーズン前半は不動のレギュラー兼チームキャプテンとして、移籍や怪我の影響に苦しむクラブを支えてくれました。しかしワールドカップによる中断明けから、若手ブラジル人CBであるルアンに徐々に先発の座を譲る場面が増え、出場33試合中、試合終盤(もしくは60分付近)の守備固めとして途中起用された試合も9試合にのぼりました。ただ、そんな状況にあっても努力を怠らないのがフェラーリという男。出場機会が減っていく中でプレースタイルを進化させ、シーズン終盤にはまるでバストーニのような果敢な持ち上がりや左足でのクロスを見せてくれました👏マンチーニさん、アズーリでのバストーニの控えにフェラーリなんてどうですか???

実は2021年に一度代表召集されてます

マルティン・エルリッチ 6.5点

CB/25歳/クロアチア/28試合/0G0A

今季、サッスオーロは9試合のCSを達成しました。なんとこれは前年比300%という大偉業です。21-22のCS 3試合がひどすぎるだけでは? そのうち過半数の5試合を開幕8試合で達成しているのですが、その大きな要因の1つがこのエルリッチのローンバックだったと思っています。21-22シーズンはローン先のスペツィアで主力として残留に貢献すると、calcio2020のシーズン終了後の表彰企画において、細江さんから「キミ、よかったらウチに来ないか?賞」の対象者に選定されました。そんなエルリッチは、193 cmの長身を武器にどっしりと構えて守るタイプに見えるのですが、実は最高時速35.85 km(20-21シーズン)を記録するなど高さとスピードを兼ね備えた稀有な選手です。時折見せる軽い守備さえ改善されれば一気にワールドクラスの仲間入りだと思います。あ、あとサッスオーロ勢唯一のW杯戦士として銅メダルを獲得しました。おめでとう😉

ルアン・トレッソルディ 5.0点

CB/24歳/ブラジル/23試合/0G0A

今季の評価が一番難しいのはルアンかもしれません。ルアンの一番の特徴は何といってもその物怖じしない勝気な性格です。ええ、良くも悪くもね。今季、ルアンにはさながら神から与えられた試練かのような試合がありました。ジュゼッペ・メアッツァでのインテル戦です。そこでルカク相手に何もさせてもらえずに理不尽ゴールを叩きこまれてしまったかと思うと、その後、オウンゴール&自身のディフレクションによるゴールを許してしまいます。一人で3失点に絡んだのち、失意のどん底でフェラーリと交代したルアンは、インスタのアイコンを真っ黒にしてしまいました。

そんな彼を割と本気で心配していたのですが、そこはさすがのルアン、インテル戦の次の試合であるモンツァ戦にスタメンで出場すると、元気いっぱいのプレーを連発しイエローカード2枚を貰ってしまうのでした😊。どうしてそうなる。しかし、彼の活躍はこれだけにとどまりません。出場停止明けの最終節フィオレンティーナ戦、気合十分といった様子でシーズンのラストゲームに臨んだルアンは、この試合でもイエローカードを2枚貰ってしまいます。こうして、第6節のウディネーゼ戦で受けた一発レッドと合わせて3枚ものレッドカードを集めることに成功し、晴れて22-23セリエAの退場王(選手に限る)となったのでした😇。本来のルアンは、体の線はやや細いものの、そのしなやかな長い脚と俊足を活かした幅広いカバーリングや、誰が相手でも怯むことなくチャレンジしていく姿勢が長所の選手のはずなんです。今季は悪い面ばかりが目立ってしまいましたが、まだ彼の持つ可能性に賭けたい自分がいます。来季は良い方向に目立ってくれ!!…

ジェレミー・トルヤン 7.0点

RSB/28歳/ドイツ/31試合/0G1A

RSBのポジションを争っていたライバル、ミュルドゥルが開幕戦のユベントス戦で足首の大怪我を負い、シーズンをほぼ棒に振ってしまったことを受け、プロ入り後最多となる31試合に出場したトルヤン。豊富な運動量でもって攻撃にも守備にも奔走してくれました。ここで、かなり個人的なトルヤンの推しポイントを1つ紹介します。ビルドアップ時、GKにボールが入るとパスコースを作るためにSBがバックステップを踏むことがあると思うのですが、そのバックステップが可愛いんです!!なんかトルヤンだけトコトコ感満載で、見ててほっこりしちゃうんですよね。ぜひ来季その目で確かめてみて欲しいです。

ナディル・ゾルテア 6.0点

RSB・LSB/23歳/イタリア/10試合/0G1A

トルヤンの控えが居ない問題を解決するため、冬のメルカートでアタランタからやってきたゾルテア。サッスオーロでのデビュー戦となった古巣アタランタ戦では、縦への推進力あるドリブルや、左右両足で上げるクロスなど随所に光るプレーを見せてくれました。ただ、気になるのが好不調の波の大きさ。明らかにコンディションが整ってないように見える試合も中には見受けられました。その部分が改善されれば、元々持ち合わせているポリバレントさと合わせてかなり重用される選手になるのではと思います。ローン移籍なので来季はアタランタに帰るものと思いますが、またいつかプレーを見られる日が来ることを楽しみにしています。短い間だったけどありがとう。

ロジェリオ 7.0点

LSB/25歳/ブラジル/36試合/0G3A

元々LSBのポジションを争っていたキリアコプロスが、LSHやRWGで起用されたりしたこと、また冬のメルカートでボローニャに移籍してしまったことなどを受け、トルヤン同様プロ入り後最多となる36試合に出場したロジェリオ。彼の持ち味は、その馬力を活かした元気いっぱいのプレーです。ただ、ロジェリオも好不調の波が大きいタイプで、「ロジェリオガチャ」と称されることもしばしば。しかし、個人的には、今年は当たりを多く引けた1年だったように思います。そしてやや意外なことに、今季のサッスオーロのフィールドプレーヤの中で最長のプレータイムを得たのはロジェリオでした(2999分)。1年間怪我なくスカッドを守ってくれてありがとね。

リッカルド・マルキッツァ 6.5点

LSB・CB/25歳/イタリア/10試合/0G1A

マルキッツァはLSBとCBを守れる器用な選手なのですが、その器用さゆえにどちらのポジションでも1stチョイスになり切れず、ベンチを温める日々を送っていました。しかし、5-2で勝利したミラン戦や1-0で勝利したアタランタ戦(この試合アシストを記録)で出場機会を得ると、チームの勝利に貢献してくれました。プロの選手にこんなことを言うのは失礼にあたるやもしれませんが、マルキッツァはめちゃくちゃ頑張ってくれてる感じがプレーからあふれ出ているのが推しポイントです。もちろん、プレーの姿勢以外にも、ミスの少なさや安定した守備など、沢山の長所を備えた選手だと僕は思います。ただ、ディオニージが使ってくれないんだよなぁ…カリアリへの移籍のうわさも出てるし、どうなるんだろう…

MF

ダヴィデ・フラッテージ 8.5点

CMF/23歳/イタリア/36試合/7G0A

フラッテージの今季の活躍っぷりは、わざわざ僕が説明するまでもないでしょう。デゼルビ監督の下では3シーズン連続でローンに出される憂き目にあいましたが、昨シーズン、ディオニージに重用されるとにわかに評価を高め、今シーズンの活躍でその評価を不動のものとしました。そんなフラッテージの最大の持ち味と言えば、何といってもその縦への推進力とボックス内への飛び込みです。分かりやすい例を貼っておきます(42秒~)。

こうして、ボランチやインサイドハーフとして守備のタスクもこなしながらキャリアハイかつチーム内2位となる7得点を記録しました👏。フラッテージは生粋のローマっ子でもあるのですが、待ち望んでいたローマへの移籍が22年のオフに実現しなかったことで、何かしらのスイッチが入ったのかもしれません。ただ、そんなフラッテージにも明確な弱点があります。それは、自分で運んでしまおうとする判断を下しがち(これ自体は別に良いと思う)なのに、調子が悪いときは簡単にロストしてしまうので、致命的なカウンターの原因になってしまうという点です。また、弱点とまでは言えないと思いますが、その全力でプレーするスタイルのせいであまり90分間は持ちません。まだまだ伸びしろは残されているはずなので、移籍先のビッグクラブ(おそらく)でも成長を重ねて、名実ともにイタリアの顔になって欲しいなと思います。今までありがとう。次のチームでも頑張れ!!!

ペドロ・オビアング 6.5点

DMF/31歳/赤道ギニア/17試合/0G1A

オビアングはとにかく落ち着いていました。その落ち着きを携えてボールを捌いてくれるので、相手がハイプレスで来るチームだった場合、彼が居ると居ないのとでは大きくボールロストの頻度が変わっていた気がします。また、オビアングは病気の影響で21-22シーズンをほぼ欠場していたため、今季は再起をかけるシーズンとなりました。ディオニージにロペスとの同時起用が難しいと明言されてしまっていることもあり、そこまで試合数は伸ばせませんでしたが、第37節のサンプドリア戦ではそのロペスとの併用がテストされており、来季以降の共演に期待が高まります。サッカーとは関係のない話になってしまいますが、ピッチ外で眼鏡をかけているオビアング、めちゃくちゃ良くないですか😎?個人的にはミランのポベガと並んでベストグラッサーだと思ってます。

知的な雰囲気だだ漏れです

マクシム・ロペス 8.0点

DMF/25歳/フランス/30試合/0G0A

ロペスの最大の特徴はその走行距離です。僕のリサーチ力不足により詳しいデータこそありませんが、ロペスの走行距離はサッスオーロ内だけでなくセリエA全体でもトップクラスだったはずです。そんなロペスの走行距離の秘密はポジショニングにあります。ロペスは、両CBの間から高い位置に張っているWGの内側に至るまで、常にボールを持っている味方の近くにポジションをとってはパスのルートを提供し続けています。それを90分通してやってくれるので頭が上がりません。今季も1番チームのために走ってくれた選手だと思います。小柄な体格(167 cm)を補おうと相手に強めにぶつかっていくことが多く、それによってイエローカードの数が増えてしまいがち(今季は11枚)な所が玉に瑕ですが、今のサッスオーロに最も欠かせない選手の1人だと僕は思っています。ちょくちょく移籍の噂が出たりしてるので不安ですが、来季もチームの心臓(どちらかというと血液?)として活躍しているロペスをなんとしても見たいです。カルネヴァーリオーナー、頼みます。

マテウス・エンヒキ 7.5点

CMF/25歳/ブラジル/30試合/4G1A

シーズン前半のエンヒキに点数をつけるとするなら、おそらく4点かそこらだっただろうなと思います。それくらい、シーズンの前半のエンヒキと後半のエンヒキは別人でした。シーズン前半は、無難なプレーに終始する & その割にボールロストが多い & なのにディオニージには重用される、という、他のクラブでもたまに見かける「監督の愛人枠」でした。それが、W杯明け辺りから、足元の細かいタッチでボールロストを回避するシーンが徐々に目立つようになり、自信もついてきたのかパスのベクトルも前向きになっていきました。また、仲間との連携の部分でも改善が見られ、バイタルに積極的に顔を出しては度々ゴールやアシストを記録しました。ちなみに、今季の4G1Aは全て第20節以降に記録したものです。ディオニージがシーズン前半にさんざんなプレーをしていたエンヒキを我慢して使っていた意味がよく分かりました。監督の愛人枠とか言っちゃってごめんね🙃。来季こそは、今季の後半のようなプレーを開幕から見せてくれることを期待してます!!!

アブドゥ・ハルイ 6.0点

CMF/25歳/オランダ・モロッコ/23試合/2G0A

可も不可もなく、良い意味でも悪い意味でも印象的なプレーが少なかったのがこのハルイな気がします。ただ、割と中盤の交代カードを切るときは優先的にディオニージに選ばれている印象があるので、先述のエンヒキのように、ハマり出せば輝くものを見せてくれる選手なのかもしれません。年齢的にも、これから選手としてのピークを持ってくることは十分可能だと思うので、怪我や病気には気を付けて頑張って欲しいです。

クリスティアン・トルストヴェット 5.0点

AMF/24歳/ノルウェー/31試合/2G1A

トルストヴェットは、若い、189 cm、左利き、という大きなポテンシャルを携えて、22年の夏のメルカートでベルギーのヘンクから入団してきました。しかし、期待値が高かった分、思ったより活躍しきれなかったという印象がどうしても強いです。ファイナルサードでの判断が遅かったり、長身のわりに意外と懐が深くなかったり、ポジショニングが微妙だったり…本職がトレクァルティスタなだけに守備があまり上手くなかった、という側面も、トラオレが去ったことで4-2-3-1から4-3-3にシフトしたチームにおいてあまり良いインパクトを残せなかった原因だと思います。でも、1シーズンで判断してしまうには惜しすぎる人材です。僕はまだ「ノルウェーのセルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチ」の誕生を諦めていません。来季こそは、対峙した相手を質的な優位さで手玉に取るような、そんなプレーを見せてくれることを期待しています。

FW

ドメニコ・ベラルディ 9.0点 MVP

RWG/28歳/イタリア/26試合/12G7A

やっぱりベラルディなんですよ、結局。かのサッスオーロオーナー、カルネヴァーリは、あるシーズン後半の試合前のインタビューで「ベラルディのいないサッスオーロは、ハーランドの居ないマンチェスター・シティのようだ」と発言しています。ちょっと例えがズレている気もしなくはないですが、それだけクラブにとって欠かせない選手であるということに間違いはありません。怪我の影響もあり、出場数自体は26試合にとどまりましたが、それでも共にチーム1位となる12G7Aを記録しました。凄くないですか???特にその存在の大きさを感じたのが第32節のエンポリ戦。0-1のビハインド&審判への暴言(おそらく)でピナモンティが74分に1発レッドで退場、というかなり苦しい状況でしたが、後半途中からピッチに立ったベラルディが82分と試合終了間際の90分+7にゴールを決め、チームは見事に逆転勝利を収めました。あの試合以上に、個人で勝った、という印象を受けた試合はありません。その試合のハイライトを貼っておきます。

また、今シーズンのベラルディを語るうえで欠かせないのはサンシーロでのミラン戦でしょう。元々ミラン相手にめっぽう強くミランキラーの異名を持つベラルディでしたが、この試合でもそのキラーぶりを遺憾なく発揮し、なんと1G3Aを記録して5-2の大勝に大きく貢献しました😋。フラッテージの欄にそのハイライトを貼っているので、ご覧になってない方はぜひ今からでも見てみて下さい。また、第2節のレッチェ戦でベラルディが見せたボレーは今季のサッスオーロのベストゴールだと思います。さすがにハイライトを貼り過ぎな気がするのでどうしようか迷いましたが、やっぱり見て欲しいので貼ることにします(1分23秒~)。

毎年のようにステップアップの噂が出ながらなんだかんだ言って残留してくれているベラルディですが、年齢的に、これ以上チャンスを逃すと自身の夢であるCLに一生出られないかも、という危機感があってもおかしくはありません。当然、サッスオーロファンとしては今年も残留してもらいたいですが、本人が夢のために移籍を希望するのならフロントには無理に引き止めてほしく無いし、もし移籍が実現してCLに出るようなことがあれば心から応援したいと思っています。まあベストはベラルディが現役の内にサッスオーロがCLに出ることなんですけどね😗。

アルマン・ロリエンテ 8.0点

LWG・RWG/24歳/フランス/28試合/7G6A

今季のサッスオーロのベスト補強はこの人を置いて他にはありません。ロリエンテは、第4節ミラン戦でベラルディがテオ・エルナンデスとの接触プレーで怪我を負ってしまったことを受け、夏の移籍期限ぎりぎりにサッスオーロに加入しました。ベラルディが絶対的な存在であったが故にそのポジションに控えが居なかったこともあり、すぐにスタメンに定着すると、緩急を活かした思い切りの良いドリブルを武器に大車輪の活躍を見せてくれました。これぞロリエンテ!!というゴールが決まった試合のハイライトを貼っておきます(52秒~)。

ドリブルを警戒してリトリート気味に守ってくる相手をなかなか躱せなかったり、ファールを取ってもらえなかったことに腹を立ててプレーが雑になってしまう精神面の幼さが目立ったりしてしまって、どうしても失速感の否めないシーズン終盤とはなりましたが、それでもセリエA挑戦1年目で28試合7G6Aは立派な数字だと思います。ロリエンテは来季もサッスオーロに残ることが確定しているみたいなので、更なる活躍を期待しましょう。

エミル・セイデ 5.5点

RWG・LWG/21歳/ノルウェー/19試合/0G1A

実は、僕がシーズン前に一番期待を寄せていたのはセイデでした。理由は単純で、プレシーズンマッチのスタッド・ランス戦でキレキレのプレーを見せて1G1Aを記録したからです(1分59秒~)。

しかし、シーズンが始まると、ファイナルサードで違いを生み出すことが出来ず、ベラルディやロリエンテが交代した後に漂う「このまま何も起きない感」の主たる原因になってしまっていたように思います。ですが、シーズン終盤には持ち前のドリブルが徐々に効果的に決まりはじめ、第37節のサンプドリア戦ではアシストも記録しました。まだまだ若いですし、セイデの成長はベラルディやロリエンテの負担を減らすためにもかなり重要ですから、温かく見守っていこうと思います。

ネディム・バイラミ 6.5点

RWG・LWG・AMF/24歳/アルバニア/17試合/1G0A

バイラミは、冬のメルカートでボーンマスに移籍したトラオレの穴を埋める形でエンポリからやってきました。創造的なプレーが持ち味の10番タイプかと思っていたのですが、足の速さを活かしてサイドでもプレーしてくれる&前からサボらずにプレスに走ってくれるというありがたい存在でした。セットプレーのキッカーになってくれたのも地味に大きかったです。ローン移籍なので来季はどうなるか分かりませんが、また彼がネロヴェルディのユニフォームに袖を通す日が来たら、その時は声を張って応援しようと思います。短い間でしたがお世話になりました。

ルカ・ダンドレア 7.0点

RWG・AMF/18歳/イタリア/5試合/0G1A

ダンドレアは、後述するケビンとともにプリマヴェーラの中心選手として活躍する傍ら、トップチームにも多くの試合で帯同し、5試合の出場ながら1Aを記録しました。彼は、WORLD SOCCER DIGESTの『「歴代最高」&「次世代最強」TOP50』という企画で「次世代最強」側の19位にランクインするほどの有望株であり、左足の繊細なタッチと、高いアジリティーを活かしたドリブルで違いを作る選手です。さすがにセリエAの舞台では、挑戦しては跳ね返され、また挑戦しては跳ね返されというシーンが目立ちましたが、これからのサッスオーロの中心選手の1人になっていくことは間違いないと思います。めちゃくちゃ楽しみです。また、ダンドレアはわりと童顔なのですが、あまり可愛いと思われたくないのか、インスタのストーリーに登場する際はたいてい眉をひそめたいかつい表情をする、というお茶目な一面も持っています。可愛いですね。

いかつい表情をしがちなダンドレア君

グレゴワール・ドゥフレル 6.5点

CF・RWG・LWG/31歳/フランス/27試合/2G1A

正直、なぜディオニージは若いアルバレスよりもロートルのドゥフレルを優先してつかうのか??とシーズンの途中までずっと疑問に思っていました。ただ、ドゥフレルのプレーを見ているうちに、持ち前の走力を活かして献身的に前からプレスに行ってくれるし、前線ならどのポジションでもこなせるし、途中出場が続いても不満気な様子を見せないし、といった具合に、クラブの1つのピースとして欠かせない役割を果たしてくれているように思えてきたんです。実際、めちゃくちゃ便利な存在でした。贅沢をいうならFWとしてもっともっと得点してほしいところですが、今季の2得点の内訳も、5-2で勝利したミラン戦の先制点 & 1-0で勝利した第30節ユベントス戦の決勝点と、どちらも貴重なものでした。監督からの信頼も厚い選手ですし、来季もお世話になることは間違いないと思います。

アンドレア・ピナモンティ 5.5点

CF/24歳/イタリア/32試合/5G0A

昨季エンポリで13得点を記録した、元インテルの若手有望株CFがサッスオーロにやってくるなんて!!!というのが、初めてピナモンティが移籍してくることを知ったときの僕の胸の内でした。あの頃のときめきを返してくれ、ピナモンティよ。とまでは言いませんが、期待されていたよりも活躍できなかったという評価に異を唱える人はあまり居ないのではないかと思います。試合中のピナモンティの印象は、とにかく頑張って体を張ってポストプレーをしようとしてくれているのに報われない、というものでした。これは効果的な位置やタイミングでポストプレーをしない本人に非があるのか、それとも周りのサポートが不十分なのか、もしくはその両方か…いぜれにせよピナモンティにとってフラストレーションの溜まる試合が多かったことは間違いありません。ベラルディの欄にハイライトを貼ったエンポリ戦では、相手方のファールかに思えたプレーでピナモンティのファールという判定が下されたことに腹をたて、暴言(もしくはジェスチャー?)で一発レッドを提示されるという憂き目にあっています🤬。また、第10節のアタランタ戦後には、抜き打ちのドーピング検査を拒否し、リーグ(もしくはクラブ)から厳しめに怒られる、というちょっとした事件もありました。来季こそは、最低でも2桁ゴールを記録できるよう頑張って欲しいです。それだけの能力はある選手だと思います。

アウグスティン・アルバレス 5.0点

CF/22歳/ウルグアイ/22試合/1G1A

今季のサッスオーロで一番もどかしい思いをしたのはこのアルバレスでしょう。22年の夏のメルカートでウルグアイから移籍してきたアルバレスは、同じく移籍組のピナモンティと共に、スカマッカが去って穴があいたCFのポジション争いをしてくれる人材として期待されていました。ところが、蓋を開けてみると、ピナモンティ、ドゥフレルに次ぐ3番手としての起用に終始され、先発もわずか1試合のみ😭という結果に終わってしまいました。後半途中出場がほとんどだったアルバレスですが、75分付近や80分台での交代が多く、チャンスをあまり与えてもらえなかった印象が強いです。ただ、そんなアルバレスがヒーローになった試合がありました。第7節のトリノ戦です。この試合、例のごとく80分台に交代でピッチに入ってきたアルバレスでしたが、後半アディショナルタイムに値千金の決勝ゴールを記録します👏(2分22秒~)。

いやー、これは叫びましたね。ただ、今季のゴールはこの1ゴールのみというCFとしてあまりにも寂しい結果になってしまいました。ポジショニングの巧みさやシュートを積極的に打ちにいく姿勢は持ち合わせていると思うので、来季はもっとチャンスを与えてもらえると良いなと思います。

監督

アレッシオ・ディオニージ 5.5点

デゼルビの後任としてやってきたディオニージは、今季、就任2シーズン目を迎えました。歯に衣着せぬ言い方をして良いのなら「もっと勝てると思ってた」というのが正直なところです。ただ、ラスパドーリ、スカマッカの若手アタッカーコンビが移籍してしまったこと、シーズン前半にベラルディの長期離脱があったことを考えると、この順位(13位)で終えたことも致し方ないのかなと思えてきます。不可解な交代策を繰り出すわけでもなければ、戦術面で奇策に打って出ることもない、よく言えば安定した、悪く言えば平々凡々な試合が多かったように思うので、来季は何かサプライジングなことをどこかしらでやってほしいです。でもそれで負けるときついしなぁ…監督って大変な職業ですよね。まあでもやっぱり、チームを良い雰囲気にすることと勝つことを最優先にしてもらえたらと思います。来季こそヨーロッパ圏内に挑戦しようね。

特別枠

ここでは、来季のサッスオーロでもしかしたら見られるかもしれない逸材たちを紹介したいと思います。サッスオーロの選手達とは異なり、彼らの試合は見れていないので評価点は割愛します。

ライアン・フラミンゴ

CB・RSB・DMF・CMF/20歳/オランダ/フィテッセ/33試合/3G1A

僕がフラミンゴの名前を最初に目にしたのは、21-22シーズンのセリエAプリマヴェーラの得点ランキングでした。なんとこのシーズン、彼は本職のCBでありながらリーグ戦14得点を記録し、得点ランク6位でフィニッシュします。何を言ってるんだ?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ありのままを説明してるだけなんです…そんなフラミンゴは、今季、オランダのフィテッセにローンで出されると、主力としてリーグ戦33試合に出場しました。何よりも目を引くのはそのポリバレント性で、詳しい内訳は分かりませんが、CBだけでなくRSBやDMF、CMF(インサイドハーフ)として試合に出たとFotMob上では記録されています。来季は是非ともセリエAで活躍する姿を見たいのですが、懸念点が1つ。フィテッセへのローンに買い取りOPがついているようなんです。当然、フィテッセとしてはオプションの行使に前向きな模様。後は本人の意思とクラブ間での話し合いになると思いますが、フラッテージの抜けた穴を埋められるかもしれない選手だと個人的には思うので、カルネヴァーリには頑張って欲しいです。そんなフラミンゴですが、プリマ時代のプレー集が作られていたので貼っておきます。少し長い動画ですが、ぜひ一部だけでも見て頂けたらと思います。


ケビン・ブルーノ

AMF/18歳/イタリア/サッスオーロU19/35試合/17G ?A

今季、サッスオーロU19はプリマヴェーラを4位でフィニッシュし、その後のPOでも準決勝まで進出しました。昨季が8位だったことを考えると、これは大きな躍進と言えるでしょう。そんなチームの中心にいたのがこのケビン・ブルーノ。トレクァルティスタでありながらリーグ2位の17Gを記録しました。彼の特徴は何といってもそのテクニックです。左利きであることから、「Next Berardi」との呼び声も高まってきています。サッスオーロは、プリマ上がりの選手を基本的にはローンに出してしまうため、来季トップチームでその姿を拝めるかは微妙なところですが、近い将来、セリエAの舞台でもその名を轟かせることになるでしょう。とても楽しみです。彼もプレー集が作られていたので貼っておきます。ぜひご覧になられてください。


最後に

ほとんど居ないとは思いますが、もしここまで全選手の欄を読んでくださった方がいらっしゃったのなら、もうそれは立派なサッスオーロファンだと思います。サッスオーロって、良いクラブですよね。僕はまだ若輩者ですから健康に支障が無ければあと40-50年ほどはサッスオーロを追い続けるつもりですが、クラブがどんな歴史を辿っていくのか、想像するだけで心が躍ります。CL出るのかな、とか、トップカテゴリーのタイトルをいつか取ったりするのかな、とか。ファンがドリーマーでいる限り、選手たちは走り続けてくれるでしょうから、夢を見ることを決して諦めずに見守っていけたらと思っています。セリエAのファンらしくロマンチックに語ってみたところで、キーボードを叩く指を休ませようかと思います。ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。セリエAの未来に幸あれ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?