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北欧 #アイスランド 旅行記(6日目)〜ヨークルスアゥルロゥン氷河〜

ついに念願の氷の洞窟探検の日がやってきた。

まず、朝一番にアイスランド気象台の予報を確認する。風速20メートルの嵐で警報が出ていた。

次に、ツアーガイドからこの嵐の中、専用車で洞窟に近づけなくなったため、マイナス10度以下の強風の中、1時間近くハイキングしないと近づけないが、子供たちは大丈夫か?とメールで問い合わせがあった。

毎日30分かけて学校まで歩いているとか、新見の寒さに耐えられているとか、訳の分からない返答をし、とりあえず宿から氷河に向かう事にした。

日の出を待つ暗闇の中、風速20メートル以上の風が持続的に吹く恐怖に耐えながら、ハザードランプを点滅しながら、反射灯だけを頼りに、車を少しづつ前に進めた。

待ち合わせ場所だった氷河のラグーンには、険しい顔をしたガイドが待っていた。登山経験者だったら耐えられるかもしれないが、体温調節の効かない子供は絶対に連れて行けないと伝えられた。

私はそれでも、嵐が弱まる可能性が少しでもあるのであれば、登山口まで連れて行ってくれと嘆願した。そこでも、嵐が収まらなかったら諦めるという約束で、ラグーンから登山口までジープで30分の所まで連れて行ってもらった。

ガイドは、子どもが無理そうと訴えた時は、耳を傾けなければならない時もあると忠告され、その通りだと答えた。

ただ、無理かどうか判断する前に、スピリットや精霊にどうしても、お伺いを立てたかった。

登山口に向かうジープの中で、娘と手を合わせた。すると、嘘のような話だが、あれだけ吹き荒れていた風が小康状態になり、晴れ間が出てきた。

ガイドがそれを確認すると、ハイキングしなくともジープで氷の洞窟の近くに行けるかもしれないから、氷河の上で行ける道を探っていくと事態が急転した。

きっとスピリットや精霊たちが私たちの願いを聞いてくれたのだと思う。だから、もう一度家族で氷の洞窟に到着した時に手を合わせた。

ガイドからは、普段ツアー客には案内していない氷の洞窟だという事を知らされた。それでも、落下防止のロープなどが張られていたので、地元の先住民が神事かなんかで、この場を使っているのかもしれないと考えた。

案内された氷の洞窟は二つ。

一つ目は、氷河の洞窟と呼ばれる雪水でできたもの。もう一つは青の洞窟と呼ばれる雨水でできたものだった。それぞれが陰陽を象徴するかのような位置関係にあり、それぞれ違う輝きを放っていた。

氷河の洞窟は、今まで見た事がないような淡いコバルトブルーの輝き、青の洞窟は闇の輝きを感じられるほど濃い紺色だった。

とにかく、自然の美しさと儚さに涙が込み上げた来ていた。いまだに気持ちの整理がつかないほど、心の深いところに何か触れた。

氷の洞窟探検を終えたのち、アザラシが生息する氷河湖、砕けた氷河が浜辺に散りばめられたダイヤモンドビーチにも立ち寄り、次の宿がある、南アイスランド地方のビークという街に向かった。

帰ろうとした瞬間から、また暴風が戻ってきていた。

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