まだまだ美味いぞ弁当少年団
弁当少年団はPRODUCE 101 JAPAN SEASON 2の序盤となるグループバトルで、BTSの「I NEED YOU」を披露したグループのうちの一つである。
今晩、彼らのパフォーマンス動画が、100万回再生を迎えた。
井筒裕太 26位
内田正紀 27位
笹岡秀旭 25位
篠ヶ谷歩夢 43位
三佐々川天輝 50位
安江律久 47位
篠ヶ谷くん・三佐々川くん・安江くんは第一回順位発表式で、井筒くん・内田くん・笹岡は第二回順位発表式で脱落した。彼ら6人のうちに、ファイナルまで駒を進めたメンバーは一人もおらず、世間的な尺度で測ると人気メンバーの集まりとは決して言えない。それでもなお、動画公開後5ヶ月、番組終了後3ヶ月を経ても再生数はじりじりと伸び続けており、番組の全ての動画再生数の中でもかなりの上位に位置している。
グループバトルは運営側で振り分けられたレベル分けテストとは違い、彼らが初めて自分たちでメンバーを選び、ポジションを割り振ったステージである。弁当少年団の名前の由来は「残り物でも美味しい弁当になる」。その名の通り、メンバー選びで彼らは長い間誰からも選ばれず、10チーム中9巡目にして選択権のある安江くんが、その場に残った21名から選び取ったメンバーによって構成されている。
後日発行された「PRODUCE 101 JAPAN SEASON 2 FANBOOK PLUS」ではこの時の安江くんが、このチーム作りにおいて明確な思いを持ってメンバーひとりひとりを選び取ったことが本人によって記されている。
安江くんと三佐々川くんはレベル分けテストの際、シーズン1の101人に選ばれなかった「リベンジャーズ」というチームに振り分けられていた。既に一度選ばれない経験をしていた安江くんは、自分が選ばれないという状況について一定の耐性があったのかもしれない。
このメンバーが9巡目まで残るのはおかしい、自分も含めたこのチームで絶対に勝ってみせるという明確な意思で安江くんが作り上げたチームは、時にはうつむき不安を吐露しながらも、他のどのチームよりもひたむきに粘り強く、周囲との調和を大切にして一つのステージを作り上げた。
どこか少年らしさや初々しさが拭えない彼ら6人の中に、アイドルとしての突出した技術を持っているものは一人もいない。彼らの順位は誰もが最後のステージになるかもしれず、心のうちには恐らく常に脱落の危機を感じ取っていただろう。それでも自分たちの中にある成長の芽を、仲間の持っているポテンシャルを信じて、ひたすらに努力を続けていく。
その姿は、次々と脱落をしていくオーディション番組の中にあって、異彩を放つほど純粋で、美しかった。
彼らの姿を、パフォーマンスを見ると、まるでずっとこのステージの中で時をとめているように感じる。あれからもう何ヶ月も経つのに、彼らは映画の中の1シーンのように、青春の姿のままに、ずっとその場にいる。
その後の番組、そして今までに起こった荒波のような出来事の渦の中、私たちは意識せずとも、きっと心の中の理想のアイドル像として、あの優しく儚い6人の少年たちを思い描いてしまっている。
彼らのパフォーマンスに、チームを作り上げた経緯に、ステージ前の汗と涙に、繋ぎあった手と手に、仲間を語る言葉の確かさに、企画の中の全力ではしゃいでいる様子に。
オーディション番組に起こる全ての綺麗な出来事を集めたような、あまりにも美しい光景を見てしまったから、私たち6人のファンはこんなにも、ずっと彼らのそばから離れられないでいる。
この気持ちはおそらく、生涯続く。
100万回を超えていつかこの動画が、あとかたもなく消えてしまったとしても、彼らがこの先誰とどんな活動をして、たとえそれがどれだけ華々しく、煌びやかなものであっても、きっと。
いつでも円になって、お互いの顔をニコニコしながら眺めたり、励ましあったりしていた彼らの姿を、その儚く美しいステージを、私たちは心の奥底の誰も触れない場所に、鍵をかけて大切にしまっておいている。
彼らの今後の活躍を願うとともに、どうか彼らの心のうちの同じ場所に眠るこの花園のような思い出が、綺麗な花を咲かせ続けて欲しいと、心から思う。
10月6日、100万回再生のお祝いタグイベ発生から数十分後、個人アカウントを所有する5名のメンバーのbio欄に、さらに数十分後、残る篠ヶ谷歩夢の所属するスクールアカウントに「ごちそうさまでした🍱」の文字が出現した。
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