見出し画像

江戸文化薫る香り~常温之御香「江戸まさり」

SASORAのお香第1弾、常温之御香「江戸まさり」。
佐原の小江戸の町並みにちなみ調合したお香です。

江戸時代の文献を紐解き、江戸にちなんだものを織り込み、佐原ならではのテイストを入れつつ、現代の方でも楽しんでいただけるお香として調合しております。

常温之御香「江戸まさり」(匂い袋)

常温之御香「江戸まさり」について

江戸時代の文献を元に再調合したお香「江戸まさり」。
パッケージ裏にも記載しておりますが、スペースにより書ききれなかったエピソードやご説明も含め、ご紹介させていただきます。

江戸時代の資料を元に調合

貴族中心だったお香が一般の町民に親しまれるようになったのは江戸時代に入ってから。
経済の中心が町人に移行するに伴い、お香をまた貴族から武士、武士から町の旦那衆へ、そして様々な町人へと普及してゆきました。
旦那衆の趣味としての香、芯のない棒状のお線香(それまでは芯にお香を付着させた竹芯香や焼香のみを使用)が開発され普及したのもこの時期から。街の旦那衆に組香(香り当ての遊戯、香り比べ)が流行り、お香の流行りは旦那衆から花街へ、花街から町の女性達へとお洒落のお香が広がってゆきました。

江戸時代に出版された「女重宝記」

元禄に出版された「女重宝記」は「女性が身に付けておくとよいこと」を集めた本。華道や茶道、香道とともにお香調合の記載があります。
この資料を基に香りを研究し再現したものを元に。現代の好みに合うよう、今様に再調合してたのがSASORAの常温之御香「江戸まさり」です。

香銘「江戸まさり」~醸造で栄えた町の香り~

江戸風情残る佐原の「町並み」(重要伝統的建造物群保存地区)

♪~ お江戸見たけりゃ
    佐原へござれ
    佐原本町 江戸まさり ~♪

江戸より江戸らしいと謡われた佐原。上記のような里謡が残されています。
「佐原に行けば儲かる」との話を聞きつけ、様々な土地~関西、四国、信州など~からたくさんの人が移り住んで来ました。現在もご出身の地名の屋号を名乗るお店が複数存在しております。

様々な人や物が行き交ったこの佐原で醸造・積み替えられ江戸まで運ばれた日本酒・味醂・醤油は江戸市中で使用された3割もの量を賄っていたとされているのですが、実は日本酒も香原料のひとつ
使用することで、深みを持たせたり、調合した香原料同士をつなぎ合わせるような役割を担っています。また現代では動物性の香原料を溶く(希釈する)ためにも使用されています。
江戸で調合されたお香の中には、佐原から届いた日本酒が使われていたかもしれません。

日本酒「糀膳(佐原ばやし)」を調合

今回、佐原ならではのお香の制作にあたり、地元の酒蔵、馬場本店酒造「糀善(こうぜん‐佐原ばやし)」を使用しています。
江戸時代の天和年間に佐原で糀屋を起こし、今も伝統の製法を守り、日本酒・味醂等の醸造を続ける蔵元の日本酒です。
また、馬場本店酒造さんは味醂もたいへん素晴らしく、江戸時代は夏の甘味の飲み物とされていた「味醂」を味わい体験したいと落語家が体験に訪れたりすることもあるそうです。
訪れた際にはぜひともお求め頂き味わっていただければと思います。

「高麗屋」は佐原にあった?
歌舞伎の名門の屋号由来は佐原の小間物屋

初代 松本幸四郎は香取市の出身。小見川の寺院にお墓が現存しています。
その初代幸四郎が働いていた店が佐原の小間物屋「高麗屋」でした。

幸四郎は佐原の店で丁稚働きをはじめ、仕事で江戸と行き来する中で役者へと転身してゆきました。この店の店名が屋号の由来となっています。
高麗屋は神田にもあったとされていますが、佐原周辺で小間物を作成または集積、積替えをし、江戸の神田で販売していたのではないか~と考えられます。

小間物屋では、様々な小物と共に、匂い袋などのお洒落用の香商品も扱っていました。佐原から江戸へ運ばれた様々な商品が江戸で販売されていたことでしょう。

「もったいない」は江戸の生活の基本

江戸情緒が色濃く残る佐原の町並みは、千葉県で唯一「重建伝(重要伝統的建造物群保存地区)」に指定され、今もその文化が息づいています。

江戸時代は「奢侈禁止令(ぜいたく禁止令)」が発せられ、江戸の町民は様々な縛りの中で生活していました。着る物の縛りはことのほか厳しく、多くの町人の着物はリサイクル。古着を求めるのが一般的でした。
その反面、小物や羽織の胴裏など、パッと見の表面上ではわかりにくい抜け道のおしゃれを粋として楽しんでいました。

「江戸まさり」の匂い袋も着物のほどきや端切れ、シミ焼けがあり商品から除外された反物などの生地を使用しています。
文化元年創業の福新呉服店にご協力頂き、お香を納める袋をご用意しました。(こちらの店舗でSASORAのお香をお求めいただけます)

文化元年創業の福新呉服店(SASORAのお香、お取扱い店)

常温之御香

SASORAのお香の銘の前に「常温之御香」と記載しておりますが、これはお香の使い方の分類表記となります。
SASORAでは、以下に分類して表記しております。

  1. 常温之御香(匂い袋、文香、塗香など)

  2. 加熱之御香(練香、印香)

  3. 燃焼之御香(線香、インセンスなど)

「常温之御香」は、その名の通り手を加えずそのままで香るアイテムになります。お香アイテムとしては……
・バッグやポーチに入れて持ち歩いたり、箪笥に入れるなどして使用する「匂い袋」「掛け香」
・お部屋や玄関など広範囲を香らせる「部屋香」
・お手紙や手帳にはさんだり、ご祝儀用のお札に香りを移す「文香」「名刺香」
・参拝や写経の前にお清めするために使用する「塗香」
などがございます。

同じ香りの調合で展開できるラインナップとなっておりますので「江戸まさり」も文香や名刺香などにしつらえてお届けする予定で準備を進めております。
ご用意が出来ましたらご案内させていただきます。

SASORAのお香、どこで買えるの?

SASORAのお香を常に購入できる場所は2カ所。
千葉県香取市の「佐原」の重建伝エリアにある2店舗においていただいております。佐原へ遊びに来ていただいた際にお求め頂ければ幸いです。

福新呉服店

香取街道沿い、忠敬橋よりすぐ!
【所在地】
〒287-0003 香取市佐原イ505
【営業時間】9:30~17:30(定休日:不定休)

醸し処「和ぎ」(NAGI)

香取街道沿い、馬場酒造本店・今川薬局向かい側。
【所在地】
〒287-0003 香取市佐原イ1714-2
【営業時間】金土日祝日

ほか、マルシェ/イベント

佐原エリア、千葉県香取市近郊、茨城県南エリアのマルシェやイベントへ予定が合いました際に出展いたします。
また、都内を中心に首都圏、ほかにてマルシェやイベント、サロンの催事などに出店も計画しております。

出展予定に関しましては、SNSとサイトにてお知らせいたしますので、気に留まりましたらアカウントフォロー頂けますと幸いです。

いいなと思ったら応援しよう!