生物学者との対話~エコシステムの成長とはがん細胞の成長に似てる?
今朝、シカゴ時代の友人、エイの進化の研究をしている生物学者との朝会。
とても面白い話があったので、備忘録代わりに書く。
1.生物が「どこまで進化できるか?」という切り口に生物の世界が移ってきている
DNAの解析や、他の生物との比較というような領域は、テクノロジーが進みすぎて、もはやレッドオーシャン。進化は、DNAによる突然変異的な変化と、環境要因による身体の適応の変化の相互作用で生まれるというが、それが「どこまでいきえて、どこまではいかないのか?」という切り口に興味を持っている。
2.Biomimicryのような考え方は○
生物は全くコントロールできないものなので、Biomimicryのような、生物に起こっているようなことをデザインに参照するなど、「参照」として生物を捉えるというのが彼にとっては自然な考え方のよう。逆に、「予測する」という態度は、「違う」と思うらしい
3.生態系デザインは、実はがん細胞のメカニズムとそっくり?
僕が最近興味を持っているのは自己組織化する組織の環境デザイン。
1.理想の生態系の登場人物を最小単位とする小さな理想のビオト―プ2.そのビオトープが育つ環境を整え、 3.オープンにした上で、多様性を付加していき、 4.それが広がっていく経済的なインセンティブの仕組みをつくる、というようなアプローチ。
という話をしたら、彼はその話はがん細胞が広がっていくこと、そのものだ、と喝破した。
がん細胞は最初、
1.最小単位の今までとは全然違う細胞パターンが生まれ、 2.血流と繋がることで一気に自己組織化的に広がり 3.様々なパターンの細胞が生まれることで対処が出来なくなる
というものらしい。がん細胞の場合は、落ちとして4.最後自分たちを食い尽くす、というのがあるらしいが、がんの治療も局所的に対処する西洋医学より、食事療法などの環境や栄養を整えてあげる方が良いと考えると、エコシステムデザインとかなり通じるものがある気がする。
これらに共通するエコシステムデザインの肝は何だと思う?という話になり、
「成長とそれに関連しておこるポジティブフィードバックの仕組み」、及び、「どんな栄養を与えるか?」なのでは?という話に繋がる。
食の分野がかなり厚くなってきているけど、生態系にどのようにしてクオリティの高い栄養を上げられるか、というのは一つ面白い切り口だなあと思負った。
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