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広告ブロック機能で業界はどれほど困っているのだろうか
広告ブロックが要因の経済損失はあまり事例をみないので、実際問題どれほど困っているのかなと興味がわきました。
2020年には414億ドルに達する見込みだった
414億ドルは日本円で約5兆3000億円。
2019年に行われた調査では、2016~2019年の間に、広告ブロックによって失った収益は1,200億ドルにのぼると推定されています。
日本の例では、ニコニコ動画が年間1億円ほど、広告ブロックによって損失を受けていると発表しています。
このような経済損失を被るのは、広告を提案する側と、広告を表示するウェブサイト運営側がメイン。
広告をブロックすることは、ブラウザ上で「表示させない」わけで、サイト運営のダメージはでかいし、物を売っている側にもでかいし、なにより広告を”見られることが商売”とする広告業は死活問題なわけです。
見られることが前提の広告業
古来から邪魔だと認知されていた広告ってTVCMかなと。
よくCMの前に、「この後どうなってしまうのか?!続きはCMの後で!」みたいな”ヒキ”を経験したと思います。
CMは誰もが邪魔だと認識している……。でも、見てもらわないとスポンサー激オコだし、それならCMの後もみてもらうように努力しよう━━。
みたいな考えがあってこの構成にしていたんだな……と知るのは、広告業と関わるようになってから。
ウェブ広告はそれと少し違いますが、本筋では同じ。
記事を読みすすめる中で広告に目がうつり、「これや!」とクリックする人もいれば、記憶にとどめて後の購買意欲につなげています。
広告が見られない、そもそも表示すらされないとなったら、広告代理店側も結果を出しづらくなり、案件を持っていく企業もなくなります。
そのため広告を表示させたい側は、なんとしてでも広告を表示させるため、広告ブロッカーと戦っている……!
……のですが、過去から現在までブロック対決が続いています。
ではなぜ広告ブロッカーが生まれたのか
そもそもな話、広告やCMを邪魔だと感じなければ、広告をブロック(非表示)しようとも考えないはずです。
ことウェブサイトに限る話をすると━━
2000年代はじめから、ウェブサイトで広告を表示するアフィリエイトが活発化し、かなりボロく稼げていたから話題となり、個人サイトでも広告を貼るのが珍しくなくなった時期が到来。
その流れから、”意地でもクリックさせる!”ような心意気を持つ広告が登場。
視界を遮って無理やりクリックさせるタイプとか、スクロール追従するとか、画面内を動き回るなど、レスポンスを無視したクソ広告が蔓延してきて、ユーザー達は疲れはじめていました。
そんな流れで登場したのが「AdBlock(2002年)」。
現在も広告ブロッカーの先端をいくアプリ(拡張機能)であり、広告ブロックと広告業で繰り広げられる戦いのキッカケとなりました。
広告ブロックが違法となる日は来るのだろうか
現在のところ、広告ブロックが違法だと認められた事例は無いみたい。
ドイツ:2018年、ドイツの裁判所は、広告ブロッカーの使用は合法であるとの判決を下しました。
しかし、一部の出版社は、広告ブロッカーの使用が著作権侵害にあたるとして、訴訟を起こしています。
アメリカ:2017年、アメリカ連邦通信委員会(FCC)は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)が広告ブロックを禁止することを認めないとの決定を下しました。
しかし、一部のISPは、広告ブロックを回避する技術を導入しています。
日本:2023年、YouTubeが広告ブロック対策を強化し、広告ブロック利用者に対して警告を表示するようになりました。
著作権法違反や不正競争防止法違反に該当する可能性があると指摘する声もありますが、明確な判例はまだありません。
広告自体には著作権があります。
なので複製したり改ざんすることが違法となるわけですが、見ないようにカットすることは違法じゃないとされています。
これはTVCMも同じで、録画でCMオフ機能があったりするじゃないですか。あれは私的利用範囲で認められており、CMカットした映像を他所へ出すと著作権法違反になります。
考え方としては、録画した時点で一度はCMを見ていると認識するしかない、といったところでしょうか。
だからといって、積極的に広告ブロックしようぜ!な流れはどうかと。
むしろ、ユーザーが邪魔だと感じる広告にしなければいいだけだろと。
まぁ……視認性高める目的なら、どうしても邪魔でウザい位置になるのは仕方ないといえる。
良くも悪くも「自然にそこにある」程度に収まってくれるといいなぁと、個人的には思っています。
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