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大好きな手書き電子ペーパー端末を比べる(Quaderno A5 vs Boox Tab Mini C)

手書きができる電子ペーパー端末はニッチな商品で、日本でメインどころといえば、QuadernoシリーズとBooxシリーズである。最近では、一部のKindleやKobo電子書籍端末に手書き機能が搭載されているが、縛りなしに書き込みをできるという点では、やはりこの2シリーズが主力だと思う。
現在私は、この2シリーズを1端末ずつ使っている。具体的には以下の2つだ。

  • Quaderno gen2  A5(モノクロE-ink)

  • Boox Tab Mini C 7.8インチ(カラーE-ink)

Quadernoは2年、Booxは半年使ってみてどちらも長所、短所があるなというのを実感。今回、項目に分けて比較していく。


書き心地:Quadernoの勝ち

Quadernoはペン先からインクの位置が近く感じ、書いた際の違和感が少ない。また、画面の素材がQuadernoは少しサラサラとした素材で、紙に書いている感覚に近い。一方Booxは表面がツルツルで少し厚めのアクリル板越しに書いているような感覚で、Quadernoに比べ書き心地が劣る。

Quadernoのペン先からインクまでの距離はこのくらい。体感殆どない。
Booxは画面の表面からインクまでに少し隙間があるのがわかる。これが書き心地に影響する。


他端末とのファイル連携:Booxの勝ち

Quadernoは、基本的には有線でのファイル転送、クラウド経由のファイル転送になるが、クラウド保存できる容量が無料プランでは25MBと少な目。主要なデータ転送手段とするには心もとない。
一方Booxは同一LAN内であれば、ブラウザでアクセスできる。これがとても便利で、Web画面を開けば最新のBoox内のファイルが見れるし、Boox内へファイルを送ることも容易だ。

ブラウザでファイルにアクセスできるのはかなり便利。手書きメモ内容を表示できるので、ビューワーとしても活躍する。もちろん、Boox側にファイルを送ることもできる。

バッテリー持ち:Booxの勝ち(圧勝)

意外だったのだか、バッテリー持ち。Booxの方が圧倒的に良かった。機能の少ないQuadernoの方が良いと予想していたがBooxの方がバッテリー容量が大きく、かつ使っていないときの消費が少ないようで、体感3倍くらい違う。1日に1時間使うくらいであれば、Booxは1週間は充電なしで使える。

サイズ:用途によるが、書き込む端末としてはより大きく、薄く、軽いQuaderno A5の方が好み

A5サイズは、一般的にノートのサイズとしても採用されるレベルなので、手書きで書き込む端末の大きさとして、十分。それに対し、7.8インチはそもそもが小さい。そういう、サイズ面でのメリットがQuadernoの方は大きい。また、楽譜等の用途に使おうと思ったときは、7.8インチは正直小さすぎる。
また、Quadernoの良い点として、圧倒的に薄くて軽いこと。そういう意味でも紙っぽく扱えるのはQuadernoかなと思う。

黒:Boox、白:Quaderno の厚みの差。Booxはこの厚みで圧倒的なバッテリー持ちを実現しており、Quadernoは軽さを実現しているともいえる。

サポート:Quadernoの勝ち

quadernoは発売後幾度もアップデートがされ、つい先日も、楽譜モードなるものが追加されるなど、数年間の継続サポートが実感できる、息の長い製品である。

一方、Booxは次々と新製品が出ており、その時々の最新の電子ペーパーが体験できるのは利点だけれど、1製品に掛けるサポートは手厚くない印象。ただ、前述のブラウザでのファイル共有機能など、複数製品を短いスパンでアップデートさせながら、機能を充実させてきている点はBooxシリーズ全体としては悪くないとも言える。

その他機能:Android搭載、バックライト搭載、カラーディスプレイ搭載のBooxの方が色々できるが、個人的には重視しない

Quadernoは基本的にPDFの書き込み、閲覧専用端末であるが、BooxはAndroid端末であるので、アプリなどを自由にインストールできる。つまり、Kindleなどの電子書籍リーダーアプリ等を使用することもできる。
ここを利点と感じるかは人それぞれだが、個人的には電子書籍はスマホで読むことにしているので、重視はしていない。その他、やろうと思えば、Web閲覧やYoutube視聴、音楽再生、noteの執筆などでできてしまうが、どれもスマホやタブレットの方が使いやすい機能なので、あまり利点は無いかなというのが実感。
バックライトやカラー表示ができるのがBooxの利点だが、暗いところで使用するシチュエーションが個人的にないのと、カラー表示も彩度が低く、解像度が目に見えて下がるので、積極的に使う気はならなかった。

カラー表示は彩度が低い。もしカラーのデータを見たいのであれば、スマホやタブレットを使いたくなるというのが、正直な感想。

(おまけ)QuadernoのテンプレートPDFが素晴らしく、Booxでも使ってしまう

Quadernoはテンプレート等がホームページでPDF形式で展開されているが、この中の、スケジュール用のテンプレートが素晴らしい。タッチで、月表示、週表示、日表示などを切り替えられる。その他に無駄な情報が無く、書き込むことに集中できる。このスケジュール用テンプレートをBooxに入れたところ、問題なく表示の切り替えリンクが動作し、手書きもできた。

書き込み特化であればQuadernoをおすすめ

どちらも一長一短であったが、書き込み特化の端末として買うなら、Quadernoがおすすめ。バッテリー持ちは欠点だが、それ以外の書き込み関連の機能はBooxに勝っている。
一方、電子書籍アプリを使いたい等の用途であればBooxも視野に入ってくる。ただ、ペンによる心地よい手書きは電子ペーパ端末の特権であり、その他の作業はスマホやタブレットの方が便利にできるのだから、そこをよく考えて買う必要があると感じる。(結局書き込む機能以外使わなくなる)


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