ドラクエの功罪【名詞】quest(Iron Maiden / Quest for Fire)
Iron Maiden / Quest for Fire (1983)
恐竜が地上を闊歩していた太古の昔、人類は火を求めて荒野をさまよっていたのである!という内容の歌である。
おおらかなファンタジー(そういうギャートルズみたいなフランス映画があるらしい)にも思えるし、中生代と新生代の区別がついていない人が書いたようにも思えて(もちろん後者であってほしい)、なんとも味わい深い。
一説にはメイデンの楽曲中もっとも不人気(バカバカしいから)だそうだが、私はけっこう気に入っている。勇壮なマーチのようで、Fire を自分が欲しいものに置き換えて歌ったらテンションが上がりそうだ。ライブでももりあがりそうなのに。
問題は quest である。クエストといえばもちろん天下のドラゴンクエストだ。このゲームが日本社会にもたらした功罪は計り知れないが、そのひとつに「クエスト」という外来語をお茶の間にもたらしたことがあげられよう。
おかげで「〇〇クエスト」というタイトルやフレーズは使いにくくなってしまった。海外には Dragonquest を始め、Runequest、HeroQuest などいろいろあるが、日本ではパロディやオマージュ、スピンオフででもなければ、ちよっと思いつかない。日本で「〇〇クエスト」というタイトルを付けるのは、自分の子どもを恐れ多くも「天照」とか「菩薩」などと名付けるようなもので、厚顔無恥かつ傲岸不遜この上ない愚行だ(言い過ぎか)。
だが、クエスト・フォー・〇〇にはまだフロンティアがあるのではないか。ちょっとまだるっこしいが、バック・トゥ・ザ・フューチャーとかロード・オブ・ザ・リングとか、前置詞込みでメジャーになった例は少なくない。
と思ったら、クエストフォーワンダー、クエストフォーラブという競走馬がいることを今知った。おみそれしました。