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【働く駐妻】ニューヨークの仕事探しは難しい

こんにちは。
アメリカで働く駐妻、かじです。

先日私は初めて英語話者のお友達(といっても元同僚)とランチしてきました。
レストラン時代の同僚で、その時はヘッドサーバーとして在庫管理や総務関連なども担当している方でした。

ニューヨークに住んで10年以上の韓国系アメリカ人ですが、英語がつたない私とも「一緒に働くのが楽しい」と言ってくれた方で、パワハラボスとは対象的に私のオアシス的な存在でした。

パワハラボスについて詳しく知りたい方は前回の記事をご覧ください↓


そんな彼女(以下Aさん)と、ランチを食べて、お散歩。

とにかく歩くのが大好きなのか、30ブロックぐらい歩きました。歩きながら、コーヒーを飲みながら、とにかくおしゃべり。これがニューヨーカーの過ごし方かと妙に納得しました。

Aさんとたくさんおしゃべりして気づいたのは、ニューヨークの仕事探しは難しいということ。

Aさんは私と同時期にレストランを退職し、退職後から職探しをしていましたが、結局4ヶ月ほどかかってしまったそうです。

というわけで今回は、Aさんの職探しについて書いていきたいと思います。
海外で仕事を探したい!という方の参考になれば嬉しいです。


1 Aさんが求める条件


Aさんが求める条件は
・週40時間勤務
・日曜日は休みたい(教会に行くため)
・給与は月7000ドル
・時給ではなく月給で働きたい
これだけを見ると、特に問題はなさそうに感じました。

それでも、この条件が後々ネックになってくるのです…。

2 どうやって仕事を探すのか



Aさんは韓国系アメリカ人ですが、いつも日系のエージェントを使って職探しをしているそうです。
以前、エージェントを使わずに韓国系レストランでも働いたことがあるが、職場が韓国人ばかりで辛かったとのこと。日本レストランだと、多くの場合、同僚が多国籍になります。

エージェントに条件を提示したところ、面談を提案されて驚いたそうです。というのも、企業の担当者ではなくエージェントと面談するのはちょっと不思議に感じたとのこと。日本だと普通だと思うと伝えました。

面談後、エージェントは条件に合いそうな求人を何件か紹介してくれ、そのうち何社かと面接をしたそうです。

3 なぜ仕事が決まらないのか


エージェントに求人を紹介してもらい、面接には進めるにもかかわらず、どうしてなかなか仕事が決まらないのか。
Aさんの話を聞いたうえで、気になる点が3点あったので、書いていこうと思います。

(1)本当に自分がやりたい仕事ではないので、モチベーションが上がらない



Aさんは一緒にレストランで働いていた頃から、本当はNPO法人で働きたいと言っていました。
困っている人(特にホームレス)を助けたいのだそうです。
ただその仕事は給料が安く、月3000ドルから4000ドル程度しか得られない。マンハッタンに住む彼女にとってはあまりに少なく、生活できないそうです。

自分以外の誰か(パートナー)からの収入があればその収入でも生活できるが、今のところパートナーはいないしできる予定もないからとのことで、今回は諦めたそうです。

(2)給料が見合わない


Aさんは、賃金や自分の経験から、どうしても再びレストランで働く必要があると感じたようです。
その場合、いくらマネージャー(日本でいう店長のような立場)であっても7000ドル前後の賃金を支払ってくれる会社は少ないそうです。

実際にエージェントが提示してきた求人として2件、例があるのでご紹介します。



求人1
月給6500ドル
週50時間勤務(休憩30分)
感想:週50時間勤務で週休2日の場合、1日の勤務時間が10時間で、休憩が30分しかない。体力的に辛すぎる…!

求人2
月給7000ドル
バイスプレジデントとしての採用
感想:管理職扱いとなるため、勤務時間の上限が設定されない。週50時間以上働く可能性だってある。結局、体力的に辛すぎる…!


週50時間も働くのは大変だし、バイスプレジデントとして採用されたらもっと勤務時間が長くなりそうなので難しい。
でも、少なくとも6500ドルはないと暮らせない…ととても悔しそうでした。

(3)日曜日に働けない


Aさんはキリスト教徒でした


Aさんは、毎週日曜日には教会に行くため出勤できないのですが(一緒に働いている時からそうでした)そのことについての質問がとても多いそうです。
Aさんは「パーソナルなことなので」と返答しているそうですが、面接時には「パーソナルなことってなに?」と深堀りされることが多く、不快な気持ちになると言っていました。

ほとんどのレストランにとって、日曜日は売上も大きく、出勤してほしいと考えるでしょう。
だから、面接官の意図もわかります。

素直に宗教上の理由で、教会に行く必要があると伝えた方が納得してもらえるのではないかな〜とも思いました。
もちろん私にそんなことを伝える英語力はないし、こちらの慣習もわからないので、なにも言えませんでしたが。

4 就職活動中の思いがけないトラブル


どんな人でも、1度はありそうなトラブルではありますが。
事前に見た求人内容と、実際の求人が違うことがあったそうです。

新しくオープンする懐石料理レストランのマネージャーの求人ということで面接に行ったら、鉄板焼きレストランのマネージャーとして面接されたそうです。

Aさんは懐石料理の予習をたくさんして行ったのに、懐石料理については何も聞かれなかったそうです。
なぜ全く質問されないのか不思議に思っていたら、面接に終盤で、鉄板焼レストランの採用面接だったことを知ったそうです(!?)

これはエージェントにも問題がありそうだとは思いますが…。

ただ、少し残念だと思ったトラブルもありました。

面接官にお酒を飲むか聞かれて、飲まないと答えたら、あからさまにがっかりされたとのこと。

Aさんは元々お酒を飲む人ではありませんが、商品として扱うお酒については一生懸命勉強されていました。

お酒を飲まなくても知識はある方なので、少しもったいない質問と答えのように感じました。
ただし、採用する側としてはお酒好きな人を雇い、主体的にお酒をおすすめできるような方を雇いたいのかなとも思ったので、少し複雑な気持ちになりました。

5 面接中によく聞かれる質問と、よくする逆質問


この内容については日本語でも同じように感じたのですが、
「なぜ前職を退職したか」についてはほぼすべての面接で聞かれたと言っていました。

Aさんがレストランを退職した理由は

  • ヘッドサーバーという肩書なのに、在庫管理などの仕事に時間をとられてサーバーとして勤務できない

  • チップの配分が少ない(在庫管理などの仕事を任せられていることで、現場に出ている時間が少ないと考えられているため)

  • 体力的につらい仕事なので、出勤していない時間は寝てばかり。もっと充実した休日を過ごしたい

という、レストラン勤務に対する後ろ向きな理由だったのですが、レストランに就職しようとしている以上、そんなことは言えません。
いつもなんとなくごまかして伝えるそうです。

そしてAさんは「どんな人と一緒に働きたいか」と毎回逆質問しているそうです。もはやマナーだそうです。笑

その時にcan do attitudeって言われたことが面白かったと笑っていました。
正しい英語かはわからないのですが、いつも機嫌よく仕事を受けてくれて、パワフルで元気な人という意味かと感じました。


最後に


一緒に飲んだ抹茶ラテ

私がパートタイムの仕事を探しているときには、求人も多く、特に困ったことはありませんでしたが、いざ1人暮らしできる分の給与がもらえる仕事となるとかなり厳しいということがわかりました。

よく日本のニュースで「ウエイトレスで時給3500円」といった内容をよく見ます。
日本ではほぼ、最低賃金の職種で、ニューヨークではそれだけもらえる。
ニューヨークに住む人みんなが高収入だよ、と見せたいという意図が伝わります。

でも実際ニューヨークのレストランで働く人のほとんどが移民で、お金のためや夢のために働いている人が多い印象です。
今回書いたAさんも、40歳になったらNPO法人を立ち上げたいと言っていました。そのために30代は一生懸命働くのだそう。

結局Aさんは、またレストランでの勤務に戻りました。元々、レストランでの勤務は身体的に辛いと話していたのに、生活するためには仕方ないのだなあと感じました。

今後、Aさんが本当に自分の好きな、やりたい仕事ができる将来が来ることを、祈るばかりです。


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