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父親になるメリット~ 人生に与える影響②うまく歳を重ねることを意識するようになる

 人生に与える影響②は「うまく歳を重ねることを意識するようになる」です

子どもがいないと、なかなか「自分が今、何歳になったのか」を認識することが難しくなっていく

 これは、あくまで僕の身の回りにいる人や、友人を見ていて思うことですが、子どもがいないと、なかなか「自分が今、何歳になったのか」を認識することが難しくなっていくと思います。年齢自体を数えることは当然できますが、それでは自分の意識が実際にその年齢になっているのか、と言われるとなかなか頷けないのではないでしょうか。なかには子どもがいても歳を上手に重ねられる人はいますし、子どもがいても上手く歳を重ねられない人はいます。ただ、子どもがいるほうが、歳をうまく重ねることができる気がします。

「歳を重ねる」とは、どういうことなのか

 そもそも、「歳を重ねる」とは、どういうことなのか、ですが、僕が思うには、「自分が、今後生きていくまでどの程度時間があって、そのなかで何をしていくのか、後人や後世になにを残せるのか、残そうとするのか」を意識し、行動できるようになることです。あとは、自分に厳しくできること(甘やかさないこと)も必要になるかもしれません。歳を重ねていくとエゴが浄化されていくという言い方もできるかもしれません。

 これは、言うまでもないことですが、子どもができると、その子たちを一人の大人として、自立させるまで育て上げることが必要になります。そのためには、まずは自分自身を律することが前提になります(そうしないと子供たちに対して、何も伝えることはできません)。そうなると、自分自身も日々成長する必要があります。子どもの抱える課題は、一日一日と大きく成長するなかで、より高度なもの、強度あるもの、そして繊細なものに変化していきます。それに応対するには、自分自身も子どものままではいられません。

「歳は取るものではなく、感じるものだ」

 ガルシア=マルケスが、小説のなかで「歳は取るものではなく、感じるものだ」ということを書いています。これを初めて読んだとき、僕は社会人に成りたてのころで、大人になる・成長するということに忌避感があったので、この言葉に対して「自分が若いと思えば、いつまでも若くいられるのだ」という解釈をし、いつまでも若くいようと決めました。

しかし、子どもが生まれ、いつの間にか、この言葉を思い浮かべるときには「自分の年齢と相応の年輪を持たなくてはいけない」と思うようになりました。年齢とはなんなのでしょうか。年齢とは一つの身分証明です。周りからの見られ方です。パスポートという言い方も、責任という言い方もできるかもできません。年齢の持つ数字の意味は、ある種その人の持っているべき最低限の能力が前提として携わっていると勝手に見做されます。簡単に言えば「年齢の割に落ち着きがない」とか、「歳の割にだらしがない」とか、人は知らぬ間に他人に対して年齢を基準に判断を下します。

先にも書きましたが、子どもが生まれ、歳を重ねていくにつれて僕は「自分が、今後生きていくまでどの程度時間があって、そのなかで何をしていくのか、後人や後世になにを残せるのか、残そうとするのか」を考えるようになりました。人は一人では生きていけないし、自分がこれまで生かされてきたことを後世にも繋がなければならない、というように思うようになったからです。全く比べられるものではないのですが、経営者が最終的には教育に力を注ぐようになるのと似ていると思います。自分の持っているものを、自分のためではなく、これからの可能性のために使いたい、というのは歳を経てきたからこその発想ではないでしょうか。マズローの欲求段階説も同様の観点かもしれません。

別に、自分の年齢など気にもせず、自分のことを考えて、自分だけのことを考えて生きていく、という生き方もあるかもしれません。それはその人の選択です。しかし、今まで自分が自分の年齢分の年月を重ねたなかで、自分以外に対して何ができるのか、自分の力をどう生かせるのか、もしかしたら社会を少しでも変えられるのか、自分が生きてきた意味、生きる意味とはなんなのか、そんなことを僕は考えずにはいられません。今の自分にできること、できるかもしれないこと、それは何なのかを考えずにはいられません。年齢を気にせずに生きていられたら、それはもしかしたら素敵なことかもしれません。しかし、いくら病気をしなかったとしても、僕たちの人生は必ず終わりがきます。その目印、目安が、毎年増えていく年齢です。

歳をただ取るのではなく、上手く重ねていくこととは

歳をただ取るのではなく、上手く重ねていくこととは、その日々が重層的に折り重なっていく重さです。それは放っておいてもそうなるものではなく、歳を重ねるということに意識的にならなければ、できません。何故、子どもができると上手く歳を重ねられるようになるのか、それはとても簡単な理由です。子どもは、目に見える形で成長するからです。一人では寝返りすらできなかったのに、いつしか二本足で立ち、喃語が理解できる言葉に変化し、生意気を言うようになるからです。そうすると、自ずと、時が間違いなく同様に自分にも流れ去って行っているのを実感し、子どもという目の前の変化に対して自分もしっかりと生きていきたいと考えるように、僕の場合はなりました。そのためには、しっかりと歳を重ねていこうと意識するようになりました。これは、とても生きていくうえで、とても大きなメリットです。

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