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NHK・プロフェッショナルで大草直子さんの回をみて感じたこと

 たまたま、NHKのプロフェッショナルで大草直子さんの回を見ていました。電子書籍が隆盛し、この雑誌が厳しい状況で、自費でファッション誌を創刊するという信念に基づく行動に僕は慄いていました。

 凄い、こんなにリスクを取れるのか、と感心し、僕にはそんなことはできないし、そこまでしたいことも見当たらないというのが素直な感想でした。

 一方で、気になったことがありました。大草直子さんは、自分の夢を叶えるために、パートナーに専業主夫になって欲しいとお願いし、それをそのパートナーは了承し、実行した、というところです。モヤモヤとした理由は恐らく「そこまでしないと、無理なんだ」ということです。自分の時間を投資する、そして家庭を運営する機能を自分以外で確保する、それが揃わないと自分の夢を叶えられないのかと、この日本での働き方を憂慮しました(少なくとも、大草直子さんの場合はそうだった、という留保つきですが)。

 でも改めて考えてみると大草直子さんが覚悟してパートナーにお願いしたこととは、男性がこれまで簡単に享受してきた女性の代償・搾取(女性が家庭を守るという役割分業)のことです。大草直子さんが恐らく悩みぬいてパートナーにお願いしたことは、男性の前には如何にも自然に、当然のようにあるもの(だと信じていること)です。

 僕たちの世の中は、もうそんなものの前提には組み立てることはできません。自分の子供たち、特に長男には家庭内での分業意識を作らせずに育てたいと強く思いました。

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