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小さな会社の起業からExitまで~役立った7つのアイディア~【アイディア3.リーマンショックで売上激減、社員4人中3人が退社。その時どうする?】

 こんにちは。よっしーです。

 続いて、アイディアその3、
「リーマンショックで売上激減、社員4人中3人が退社。その時どうする?」です。

 社長をしていて一番辛いのは、社員が離れていくことです。

 会社を設立して4年目、あのリーマンショックの時です。会社の売上は激減、銀行口座の残高は僅か。債務超過状態で銀行の追加融資も難しい。給料日前は、金利の高いビジネスローンをやむなく利用する状況。どうしても、社内での私の言動も荒々しくなります。今までWEBメンテナンス中心のスタッフに営業を要請したり、早朝からスタッフ参加の対策ミーティングを実施し始めました。
 
 対策ミーティングを始めて2週間後、WEBメンテナンス担当から辞めたいと申し出を受けました。引き止めに躍起になっている最中、今度は新規事業担当の執行役員から退職の申し出があり、その翌日、大阪駐在の取締役から退職の申し出がありました。大阪駐在の取締役は、一緒に起業をしたスタッフです。絵にかいたような「泥船からの一斉脱出」です。
 
 その時の泥船の船長の気持ちは、社員が離れていく辛さはもちろんありますが、実はそれ以上に世間体の悪さを気にしました。これまでお客様や、パートナー企業、経営者仲間に「優秀なスタッフ」と紹介してきた連中が一斉に辞める。それに対して、私自身がどのように見られるか、どのように取り繕ったらいいのか、という「自意識」の辛さです。
 
 その時に役立ったのは、坐禅経験でした。当時、月に1回、広尾のお寺で開催される坐禅会に通っていました。坐禅が目指すのは、過剰な「自意識」からの解放。その為に、姿勢を整え、「はぁー」と息を吐き切る。その間の純粋な気持ちや判断を大切にします。

 この時は、自宅で一人坐り「はぁー」と息を吐きながら、今回の出来事をどのように解釈し、どのような対処をしたらいいかの解決策を求めました。本来は坐禅の間は、考えたらだめなのですが、そうは言っていられません。それでも「はぁー」と息を吐いている間は、自分自身を頭での「思考」から切り離してくれるようです。小一時間程度の坐禅の結果の解決策は以下のとおりでした。
 
1.3人退職するが、3人分の給与は不要になる。
  → 今の経営状態からはラッキーである。
 
2.これまでスタッフが担当していた顧客には、私が直接対応すればいい。
  → 顧客もそれを喜ぶかも。いや喜ばせよう。
 
3.どうしてもスタッフの対応が必要な部分は、頭を下げて「業務委託」を
  お願いしよう。
 
4.そもそも周囲からどう思われるかは、生きるか死ぬかの現在の状況では
  関係ない。

 
 今から思えば極めて普通な判断ですが、坐禅という習慣が無ければ、もっとひきずったでしょう。次の日からは、ある意味スッキリと社員の退職に伴う各種調整を行うとともに、その1か月後には、当時推進していた新規事業(リーマンショックの影響が軽微な大学向け事業)にエッジを効かせたミッションの作成、社名変更、記念セミナーの企画等を、今から思うとびっくりするようなスピードで行うことができました。
 
 その後、この新規事業はニッチな分野ながらシェア日本一を獲得することができ、大手企業からM&Aを受けるまでになりました。そのきっかけは、社員3名の一斉退社だったかもしれません。いや、社員3名の一斉退社に伴う私自身の意識の変化~「自意識など、くそくらえ」だったと思います。

(図2)社員4人中3人が退社


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