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小さな会社の起業からExitまで~役立った7つのアイディア~【アイディア4.営業経験が無い中での実践的営業法】

 こんにちは。よっしーです。

 続いて、アイディアその4、
「営業経験が無い中での実践的営業法」です。

 サラリーマン時代は、経理部と情報システム部で、営業経験はゼロでした。色々と試行錯誤の結果、有効だった営業方法について紹介したいと思います。
 
(1)初めて会った方には、御礼ハガキを出す
 元来、口下手で人見知りの性格であるので、初対面の方に印象を持っていただける自信がありません。そんな性格でも比較的簡単にできるのが、御礼ハガキを出すことです。1~2行程度、手書きを書けるスペースの独自デザインのハガキを用意し、初対面の翌日には届くように書くのです。最初に起業した際の社長の習慣をそのまま真似たものです。

 交流会等で初めて会った方には、まずは翌日ハガキを出し、その1週間後くらいにメールや電話でお会いするアポを取るようにしました。
 
(初対面で軽く会話)→(ハガキで御礼)→(メール・電話で面談のお願い)
 
 という3段階を経て初めて訪問をさせていただく手順です。
 現在は御礼メールと訪問お願いを同時にすれば十分なのでしょうが。
 
(2)初めての訪問で話す内容
 初訪問で何を話すかというのも色々と悩みどころでした。何分、無名の会社です。綺麗な会社案内のパンフレットもありません。いきなり営業の話をするのではなく、アイスブレーク的な会話をするのが必要と営業の教科書にもあります。その為の持参物を手作りで用意しました。3つほど紹介します。
 
①情報を提供する
 新規事業では公開講座ポータルサイトを立ち上げたと前述しましたが、例えば、そのサイトのアクセス状況や、閲覧者の属性、検索キーワードのランキングを数ページの報告書にまとめたものを持っていくと、ほとんどの担当者の方は興味を持って聞いてくれます。

 例えば「大学公開講座ポータルサイトを立ち上げて以来、検索キーワードで断トツNo.1なのがあります。」とかいうと、身を乗り出して興味を示してくれます。皆さんも知りたいと思うと思います。それは「心理学」だったのですね。振り返ると、この10数年はリーマンショック、リストラ、東日本大震災等、心理的なショックが起きるイベントが連続しました。企業内鬱、ニート、大切な人を亡くした時の喪失感等々への対処方法を探していたのですね。グリーフケア、アドラー心理学、マインドフルネス等かもしれません。
  また、A大学で聞いた情報をB大学に紹介する、その話を次にという感じで繰り返していけば、提供する情報は尽きなくなります。
 
②コミュニケーション誌を持参する
 会社案内の代わりにもなる、私達の活動を伝えるコミュニケーション誌を作成しました。A4見開き裏表のもので、手作り感一杯のものです。代表である自分自身の近況や、当社のセミナーの報告、ポータルサイトの運営状況、生涯学習業界の各種情報等です。これを持参することで、5分程度の雑談のネタにはなります。
 
セミナーの案会やフェアーへの招待状を持参する
 当社で開催するセミナーの案内や、フェアーへの招待状を持参し、「よろしければ、○○向けのセミナーの案内をさせてください」と言えば、ほとんどの方が聞いていただけます。
 
 このように、まずは持参した情報でコミュニケーションをとった後に、サービス案内の資料を取り出します。お客様から興味を示す反応があれば説明し、お客様が忙しかったり興味がなさそうだったりする時は資料だけ置いて帰りました。こんな営業だったら、口下手な私のような人間でも可能でしょう。
 このような活動を数年間繰り返していく中で、1校・2校とお客様になっていただくことができました。
 経営のメンターであった坐禅の先生からは、「まずは心の契約をしなさい。契約書を出すのはその後だよ。」と教えられましたが、そのとおり実践したつもりでした。
 
(3)競合との差別化
 この時の主たるサービスは「大学公開講座ポータルサイトでの講座紹介」「大学公開講座管理システムの提供」の2つです。競合といえば前者は新聞広告、折り込みチラシ等の広告代理店やパンフレット印刷業者、後者は富士通やNEC、大塚商会となります。
 その中で圧倒的に小規模で新参者の当社は、大手との違いを明確にする必要があります。後で学んだマーケティングの用語でいうと、ポジショニングですね。

 一つ目の軸は「インターネット対応サービス」かどうかという軸です。当時、まだまだ大学側の意識も保守的で、広報は新聞広告とパンフレット、受講生管理等の講座運営は手元のアクセスシステムで十分というニーズも多かったのですが、当社は最初からインターネット活用を言い続けました。これで既存の競合の多くとは差別化できるのですが、富士通やNEC、大塚商会も大学からの要望があれば、インターネット対応は可能です。

 そこで二つ目の軸は「大学生涯学習に対する思い」です。どの競合会社より、生涯学習に思いがあるというアピールです。社名は「セカンドアカデミー」に変更し、キャッチフレーズを「Study And Action」、ミッションを「生涯学習の場から世界が変わる」と定めました。この分野でお客様と話す内容は、「どんな大会社の営業でもかなわないだろう」という自負がありました。     

競合との差別化 ~ ポジショニングマップ

       
(4)フロント商品と本命商品
 心の契約が大事と前述しましたが、いつまでも心の契約止まりだと商売になりません。その後、顧客化の階段を登っていただく必要があります。

 マーケティング的に言えば、まずは少額なサービスをフロント商品として顧客に購入していただき、関係性を構築・維持しながら、本当に売りたい高額商品を販売する手法です。意図したわけでは無かったのですが、「大学公開講座ポータルサイトでの講座紹介」と「公開講座管理システム」の関係は、まさにフロント商品と本命商品の関係でした。

(心の契約) →  (フロント商品)  →  (本命商品)

 前者は年間掲載料10~60万円程度と低価格で80校が参加。関係性を継続する中で、後者の本命商品(数百万~)を販売するという流れです。長い関係性を持つことで、高額な本命商品が売れる機会を待ちます。
 
 長年のお付き合いを続けると、周年記念とか、新任の責任者の就任とか、校内サーバーのリプレースとかのタイミングで、まるで柿が熟して落ちるように本命商品が売れました。

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