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研修1日目
3日間の研修に参加してきました。
今回の研修は、一橋大学ビジネススクールで、MBAなどでも有名な日本でもトップのビジネススクールの一つです。
噂には聞いていましたが、エグゼクティブを迎えるのに相応しいラグジュアリー感が溢れる内装で、ブランドの価値を作り、クライアントの満足度を上げる上でも、こういう雰囲気を作るのも大事なことなのだと思いました。(弊社のビジネスの化粧品然り)
この日の内容で一番面白かったのは、マーケティング・ブランド論で有名な阿久津聡教授の講義でした。文化人類学的な切り口でメンタリティ(心的傾向)を説明されていて、西洋(北米)で多く見られる二者択一的な思考「直線的思考」と東アジア(中国・日本)で多く見られる、あいまいさや一見矛盾していると思う事象も受け入れる思考「妥協的弁証論思考」がいかに文化的背景によって出来上がってきたのか、そしてそれらの思考が新しいアイディアやコンセプトを受け入れるにあたって、どう影響するかなどがうまく整理されていました。
特に興味を引いたのが、東洋の思考に根付いている、陰と陽の考え方がこのメンタリティに影響しているというものです。私の理解では、物事には二つの側面があり、良い悪いで判断するのでは無く、その両側面を受け入れるという考え方で、典型的な一つの例としては中庸(妥協的な側面を含む)を非常にポジティブなものと捉えるのがこの考え方なのですが、それが妥協的弁証論思考につながっているというものでした。
哲学においては、テーゼ(命題)とアンチテーゼ(反対命題)の間に存在する矛盾から、さらに高いレベルでのテーゼを導き出して行く方法論が弁証論(というのが私の理解)ですが、西洋的な直線的思考では、短絡的にアンチテーゼを排除してレベルアップできない可能性があるというのは、なるほどと思える説明でした。
そういった観点から、テーゼとアンチテーゼを内に抱える矛盾ごと包含することができる妥協的弁証論思考により、新しい考えを受け入れることができるのが日本の文化的背景にあること、いうのも非常に興味深い説明でした。
今私のいる、多国籍かつ混沌とした環境下、肌で感じていることを、体系的認知言語化されていることに感動を覚えつつ、文化的背景を知ること、それらがどう影響を及ぼしているかを理解した上で行動に繋げることで、アウヘーベン(止揚; 要するにレベルアップ)につながるのだな、と不思議なくらいストンと落ちた講義でした。
2日目に続く。