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51.5万本のつつじ山 江汐公園

 江汐えじお公園は山陽小野田市北部の丘陵地帯にある、江汐えじお湖を取り囲む面積146haの広域公園です。高い場所でも標高50m強、低い江汐えじお湖の水面で標高10m強です。5万本が自生する、山口県一のコバノミツバツツジの群生地です。

江汐公園案内図

 江汐えじお湖は、長州藩によって1672(寛文12)年に、下流の高泊という400haの湾を閉め切って干拓するための潅漑用水の溜池の一つとして、23haの田畑をなくして開発されました。丘陵の谷口を約100mの堤防で塞ぎ、23haの江汐えじお湖を造りました。江汐えじおという地名は、高泊の入江の江と、汐止め汐の2字から名付けられたといわれています。

江汐えじお公園全景  2020年4月14日

 江汐えじお公園は、1964(昭和39)年に最初の4haが開園しました。その後当初計画どおり65haに公園を拡げましたが、より広域の利用に応えるために146haに拡大しました。管理棟、ホテル・レストラン・温浴施設、キャンプ場、テニス場、ゲートボールコート、サイクリングロードを設置しています。
 園内全体で、公称5万本のコバノミツバツツジが自生しています。第1駐車場の前の管理棟のすぐ裏手が、コバノミツバツツジが群生するつつじ山です。

つつじ山

 広場、バラ園、さくらの森、あじさい園、もみじ谷、野鳥観察ゾーン、トンボ池などが点在しています。2018年には、第2駐車場の近くに、山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部付属の江汐公園薬用植物園が開園しました。
 江汐えじお湖には、上流から、江汐えじお大橋、江汐えじお湖橋、冒険の橋の3本が架けられています。

江汐えじお大橋  2020年4月14日

 第1回目の訪問は、2019年3月31日です。コバノミツバツツジは、吊橋の江汐えじお大橋で咲始めでした。

江汐《えじお》大橋  2019年3月31日

 第2回目の訪問は、2020年4月14日です。江汐えじお湖橋です。

江汐えじお湖橋  2020年4月14日

 コバノミツバツツジが水面に煌めいています。

煌めく湖面のコバノミツバツツジ  2020年4月14日

 コバノミツバツツジの子房の毛は、白でなく茶色でした。地域差か、個体差かは、よくわかりません。

子房の毛が茶色いコバノミツバツツジ  2020年4月14日

 第3回目の訪問は、2022年4月23日です。第53回江汐公園つつじまつりスケッチ大会の、子どもの絵が、管理棟に掲示されていました。

つつじまつりスケッチ大会応募作品  2022年4月23日

 第4回目の訪問は、2024年4月14日です。遊具のある冒険の森に至る、冒険の橋です。年間20万人が利用し、2024年も第55回江汐公園つつじまつりが続いています。

冒険の橋  2024年4月14日

 標高が低いですが、環境が似たような地域に比べて、江汐えじお公園のコバノミツバツツジの開花は、1週間以上遅いです。この理由はわかりません。
 江汐えじお公園は、森林の専門家の地元の渡辺吾一が、1951年に市に公園化を陳情し、地元の人々を巻き込み森林を保全を保全したことに始まります。こういった経緯から、自生するコバノミツバツツジを大切に保全してきたことも含めて、地元に愛される広域的な公園が生まれたのでしょう。


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