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47.巨岩群とツツジの大師山
兵庫県豊岡市但東町赤花の標高464mの大師山は、花崗岩の巨岩群とコバノミツバツツジの山です。山の名のとおり弘法大師が祀られており、新四国24番・69番の札所とされています。山陰海岸ユネスコ世界ジオパークのジオサイトの1つです。
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登山口の「巨石奇岩とつつじの名所 大師山」の案内板には、「但東町赤花字菅谷の山腹(現地点から約500m)に新四国69番の札所千手観音を祭る大師山本殿が、巨石の下にできた仏が穴にあります。又近くには24番札所を祭る祠があり、昔は行者の旅姿が道をつらねたと伝えられています。この山の魅力は、高さ15m、幅9mの布かけ岩を代表とする巨岩石で、玉岩、見おろし岩、剣岩、夫婦岩、箱岩、鏡岩など十数個の巨岩がならび、コウモリ岩には数百匹のコウモリが生息し、春ともなれば一面つつじの海となり、約1時間の奇岩めぐりは、絶好のハイキングコースとなっています。」と記されています。
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著者は、2020年12月9日の小春日和に、初めて大師山を訪れました。このときに霊場の巨石を巡り山頂近くに登ったときに、数株のコバノミツバツツジが綺麗に紅葉して、狂い咲きの花を咲かせていました。数輪までならばたまに見ますが、数十輪もの花を冬場に咲かせている株を複数株も見たのは初めてで、とても印象的でした。
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2度目は2022年4月21日、3度目は2023年4月14日、4度目は2024年4月17日に訪問しました。八重桜が咲き案内板が立っている県道脇に車を置いて、霊山道を登ります。休憩所を超えて、脇に古いトイレがある鏡岩にたどり着くと、4WDで登れる道は途絶えて、急な山路に入ります。かつては登山路、トイレ、案内板もしっかりと整備されていましたが、大師山保存会が高齢化したために荒れています。コナラの葉っぱでやたらと滑るので、トレッキングシューズは必須です。日本海側の積雪地帯なので、薮になっておらす、見通しが良いのは助かります。
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急坂の上に、展望休憩所、札所の仏ヶ岩、見下ろし岩があります。
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このあたりから、斜面にコバノミツバツツジが多くなります。
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左手に進むとカエル岩です。
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次は、細い場所を通り抜ける、胎内くぐり岩。
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胎内くぐり岩の上まで出ると、コバノミツバツツジの群生地です。
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群生地にはコバノミツバツツジの太い株が多いです。
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さらに登り詰めて、尾根筋の夫婦岩へ。
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大師山山頂にたどり着きます。山頂からは、西側の展望が開けています。ドローンを上げると、日本海まで見渡せました。
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山頂近くの尾根路には、イワカガミが多いです。
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帰りは昔の参道を降るとよいでしょう。コバノミツバツツジが両側に咲く尾根路を、重箱岩、布掛岩、玉岩、門岩に至り、沢筋に下ります。
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参道で振り向くと、新緑に紅紫の花が、煌めきます。
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沢筋まで下ると、降雪で折れた竹が山路を塞いでおり、乗り越えたり潜り抜けます。
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四国八十八ヶ所霊場を模した小さな霊場は全国に数多く存在しており、大師山は、どの霊場かは現時点ではわかりません。鉄分が多い花崗岩なので、磁石を近づけるとくっつきます。山陰海岸ユネスコ世界ジオパークのジオサイトの1つですので、地元集落で管理できなくなっても、岩石の特徴とそこに自生するコバノミツバツツジの植生をジオパーク的に解説することを含めて、広域での管理を考えてほしいものです。