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恩師の教え 最後の授業

私には恩師がいます。

生涯にわたり大切なことを教えてくださる先生です。
先日、何十年も勤められた学校の退任に際しこれまでの教え子たちが集い、最後の授業が行われました。

最後の授業でお話しくださった大切な教えを記したいと思います。

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勉強をするかしないかで人の価値は決まります。
なぜ学問をするのでしょうか。なぜ仕事をするのでしょうか。

学問には3つの目的があります。

1. 生計のための学問

生計固より軽んずべからず、という言葉があります。
まずは生活の基盤を安定させることが何よりも大切だということです。
生きるために学問をする。
人間も他の動物と同じように、餌を得るために学び、働かなければなりません。
自分で生計を立てることは、一番大切なことです。しかし、それだけでは動物と同じです。
学問をすることで、人としての価値を高めていかなければなりません。

2. 名誉や財産のための学問

学問があるかないかで、その人の価値が決まります。
地位の高さを目指すのではなく、学問を深めることで周りの人々が自然とその人の地位を高めてくれるものです。
名誉や地位は、学問を積み重ねた結果として周りから与えられるものです。

3. 人生の楽事のための学問

ノーベル賞を受賞した方の講演会で
『辛かったことはなんですか?』
と質問がありました。その方は
『辛かったことはありません。楽しんで夢中になっていたら気がついたらノーベル賞をいただいていました』
と答えられました。

これが本当の学問です。

自分では努力だと思っていなくても、他の人から見ればそれが努力に見えること。
それが真の学問です。

楽しいから勉強をする、楽しいから仕事をする。
それこそが本物の学問だと言えます。

生涯の愉快を楽るものと云うごとし、という言葉があります。
長く続く本質的な喜びを人生の目標とするべきだ、という教えです。

学問とは何か。
それはただ本を読んだり、文章を書いたりすることだけではありません。
学問とは精神の働きにあり、自分の意見を持つことです。

本を読み、文章を書き、そして他者と意見を交わすこと、これこそが学問。
一人では学問は成り立ちません。
人と人との交わり、人間交際、つまりソサエティがあってこそ学問は深まります。

知恵だけがあってもダメで、慈悲も必要。
知恵を持つことは重要ですが、それだけでは足りません。

慈悲、すなわち他者を思いやる心がなければ、本当に価値のある学問にはならない。
楽しんでいなければ良い結果は出ません。
楽しむことで夢中になり、結果として最高の成果が得られるのです。

何かに夢中になれるものを見つけること。
それが人間にとって最高の幸せです。

思いやりを持って、人が喜んでくれることをしてください。
楽しんで仕事や勉強をしてください。

努力していると感じることではなく、夢中になれることを見つけ、そのことを通して誰かを喜ばせてください。

夢中になっていることで、自然と周りの人も巻き込んでいくことができるのです。

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幼少時から40年近く、変わらずに送り続けてくださった言葉。
私たちの心に深く刻まれていて、人生の指針となるものです。

恩師の教えを胸に、これからも夢中になれることを見つけ、楽しみながら歩んでいきます。

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