美味しいは幸せ
食事とは
私にとって食事の時間はすごく大切な時間だ。
食べる時間はもちろん、作る時間も。
さらには献立を考えている時間も。
なんて古代の哲学者は言っているけれど、
私からすればそんなことは全くなく
むしろ”食べるために生きている”のだ。
1日3回という限られた時間で心を豊かにしてくれる最高の時間だ。
昔から食べることは大好き。
一方で年齢と共に食事に対する考え方も少しずつ変化しているように感じる。そしてこれからも変化していくと思う。
食べることにはいろいろな意味があるだろう。
今の自分にとって、食べることの考えをまとめてみようと思う。
食事とは満たすこと
食べること、と聞いて誰しもまず最初に
食べることは満たすこと(最低限の栄養を取ること)だと
認識しているのではないだろうか。
食事に興味のない人にとってもそれは例外ない。
24年間(たった24年)生きてきて
たくさんの人と出会ってきたが皆そう思っていると思う。
しかし満たすこととはそれだけを意味する言葉ではない。
もちろん栄養を取ってなんとなくお腹を満たすことも重要だ。
けれどそれ以上に”心を満たす”ことが私の中で重要な意味を持っている。
好みの味付けのものを食べる、新しい食べ物を食べる、
お洒落なものをたべる、流行りのものを食べる。
旅先で名物を食べる。・・・等々
これだけで心が満たされて、ホッと温かい気持ちになるのだ。
それと同時にうれしくて楽しい気持ちにもなる。
反対に、料理に失敗してあんまり美味しくないものが
出来てしまったときには当然のように凹む。
食事とは整えること
私はコロナが流行りだした最初の年、大学3年生だった。
就活真っただ中だった。メンタルもすり減っていた。
4年生に進級してもコロナは落ち着くことはなかった。
就活では幼少期にあこがれていた仕事ができる会社に内定をいただいた。
(結局は辞めてしまったけれど。)
就活は落ち着いたけど大学には行けないし人と遊びに行くこともなくなって
家とバイトの往復ですることがなく、ものすごく暇だった。
だからダイエットを始めた。
新卒で入る会社の制服を可愛く着こなしたかったからダイエットを始めた。
結果半年で12キロ痩せた。
ダイエットする中でやはり食事問題は切っても切り離せない。
当然、私自身もまず食事に悩んだ。運動嫌いだから尚更。
古典的な食事制限もした。
けれど食べることが大好きな私にとって
それはそう長く続くものではなかった。
でもやっぱり痩せたい。
今まで通りの食事じゃ痩せない。
たくさん調べていろいろなものを少しずつ挑戦して
自分に合うものを探っていった。
いろいろな料理をこれを機に作れるようになった。
最終的に行き着いたのは、栄養素と総カロリーを意識して
お腹いっぱい食べること。
一番痩せたし、何よりもストレスも溜まらず、体の中からキレイになっていくのを感じた。
今までは栄養も何も考えず
食べたいものを食べたいだけ、バランスなんて関係ない。
それでこそ幸せと思っていた。
無理な食事制限や食欲不振で偏ったものを食べているとどうしてもやつれてしまう。
痩せるのではない、やつれるのだ。
その状態続くと痩せる。最もよくない痩せ方だ。
バランスのいい食事は痩せるだけではなく
げっそりやつれてしまうこともない、
身体が整うための最高の行為なのだ。
だから今でもバランスのいい食事は常に心掛けている。
食事とは対話すること
基本的に1人でご飯を食べることは最近ではあまりない。誰かと食べている。すなわち誰かと美味しいを共有している。
会話は食事を美味しく、楽しくするための調味料である。
日々の雑談や愚痴、一見食事に関係ないことですら
食事のアクセントになるのだ。
同じお店行ったときや同じものを食べている時、
その美味しいを共有できることはとても幸せなことであり
生きる上で有意義な時間だ。
1人での食事で誰とも対話していないかと言われたら
そうではないと思う。
たとえば1人で行ってみたかったお店に行って、食べたかったものを食べた時。
人と対話をすることはないが料理や食材と1対1で向き合うことができる。
味や見た目、1つ1つが私に語り掛けてきている。それを私は美味しさとして感情に表れている。
言い換えれば料理と対話しているのだ。
何が言いたいかというと
要するに1人で完結する食事など存在しないということだ。
食事とは相手を想うこと
相手にだっていろいろある。
料理をふるまう相手、作ってくれた人、生産者。
そして一緒に食べる人。
1回の食事に関わる人は皆相手なのだ。
相手を想うことなく食事は成り立たない。
私は去年同棲を始めた。
料理をすることが一気に増えた。
ダイエットしていた時もしていたが、それは自分のために作る料理だった。
同棲して振る舞う相手のための料理を作るようになった。
相手が美味しいと思えるものを作りたいし
何よりも喜んでほしい。そして健康でいてほしい。
そんな想いを込めて日々バランスのいい食事を目指しつつ
盛り付けも美味そうに見えるように心がけて料理している。
不思議なことに、相手を想いながら作る料理は今までの料理よりも
圧倒的に美味しくできるのだ。
もちろん相手が作ってくれた料理も大好きだ。
盛り付けに性格が、味には好みが出ていて
相手をさらに知れた気になる。
美味しいうえに相手の中を覗き見れる。
作ってもらう料理にはそれにしかない喜びや幸せがある。
相手を想う食事は、心を豊かにしてくれるだけでなく
相手との距離を縮めてくれるのだ。
食事はいつだって魔法の時間
食事はいつも私に幸せと元気をくれる。
まさしく魔法と言っても過言ではない。
故に1日の中で最も大切にしたい時間だ。
忙しかったり、精神的に余裕が無かったり、
食事の時間を蔑ろにしてしまうきっかけはたくさんある。
だからと言って蔑ろにしてしまってはいけない。
私はこれからも大好きな食事の時間を大切にしていきたい。
美味しいは幸せなのだ。