考えているはずなのに、文章に出来ない人がするべき3つのこと
書けないのは「考え」になっていないから
たとえば文章を読みながら「なるほど」「こうなんだな」などと考え、頭の中になんらかの言葉が出てきますよね。コピーライターの梅田悟司氏はこれを「内なる言葉」と言います。
一方、明確な文章や発言として、他人に伝わる形で出てくる言葉は「外に向かう言葉」。この「外に向かう言葉」を生み出す前には、「内なる言葉」の解像度を高めることが大切だそう。つまり、考えを文章にできない人は「内なる言葉」での思考が足りていないのです。
そもそも、言葉にすらならない考えのようなものが渦巻いているとすれば、それは「内なる言葉」以前の”もや”かもしれない。こう述べるのは、文章術に関する多数の著作をもつ山口拓郎氏です。山口氏は、頭の中の”もや”は言葉にして使える文章になると言います。
したがって、私たちが文章を書く際にまずすべきは”もや”状態の考えを「内なる言葉」で表現して、「外に向かう言葉」へ整えるための材料を増やすこと。では、”もや”を言葉にするプロセスを3つご紹介します。
1.主張を決める
まず、考えの中心=主張を明確にすることが重要です。主張を明確にしないまま書き始めた文章は、内容があちらこちらに飛んで、どこを最も伝えたいのかが分かりません。主張を味覚にするコツは、以下の条件を守ること。
・未知のものであること
・短くまとまっていること
相手がまだ知らない情報、聞いて「そうなんだ!」と感じる情報を、ひとことでズバっと言い切るのです。こうすることで、”もや”から主張を導き出していくのです。
2.「9マス」で洗い出す
文章の主張が決まったら、次はその主張を補強する説明が必要です。そこで役立つのが「9マス」です。まず、真ん中に主張を書き込みます。次に連想ゲームのように周囲の8マスを言葉で埋めていきましょう。これで、頭のなかにある考えを言語化して取り出すことができます。
これで、”もや”状態だった考えが説明に使える材料になりました。次に、揃った材料のなかから必要なものを取捨選択して文章に落とし込んでいきます。
3.まず書いてから「直す」
先の9マスの例であれば、まずは8つの情報をすべて使って書いたあと、読み返して不要と感じた情報は容赦なく削ります。最初から完璧に書く必要はありません。いったん書きなぐったあとに「外に向かう言葉」へ整えていけばよいのです。何もかも言葉にできないと諦めてしまうのではなく、言葉にできるところを探して、そこから少しずつ文章にしていきましょう。