ブラッドボーン世界観考察、あるいは個人的解釈(書きかけ)
はじめに、フロムゲームのストーリーについて
・フロムソフトウェアのゲームの特色として、ゲームシステムとストーリーを融合させてるから没入感が高い、という点がある。
でも、その結果として、どこまでが(ゲームを快適プレイするための)システム上のお約束で、どこまでがストーリー・設定なのか、線引きをするのが難しくなってしまってる。
例えば、ヤーナム市街の道路には、放棄された馬車が、とにかくたくさん置いてある。
これはゲーム的に考えれば、「ただの一本道」と「遮蔽物のある一本道」ではプレイヤーの取れる行動に雲泥の差が生じるため、道路に何か大きなオブジェクトを設置する必要があったんだな、と考えることができる。(銃の射線を切る、物陰に隠れて回復する、などなど。なにも遮蔽物のない一本道では、このどれもができない。それはクソマップ、アマナの祭壇である)
で、時代背景とか設定を考えるとその手ごろなものが馬車だったんだろうなぁ。と、理解できる。
これをストーリーの解釈に含めてしまうとどうなるか?マップ「ヤーナム市街」は閉じたマップである。市街の外に行けるような道路は、マップのどこにもない。この大量の馬車はどこから来たのか?誰が乗ってきたのか?これを考えるのは非常に難しく、「ヤーナム市街は時空の歪んだ悪夢の世界である」以外に説明のしようがない(個人の意見です)。
こういった情報をどこまで拾うかによって解釈が分かれるのは当然。我々個々人がそれぞれ考えて解釈をすることでゲームのストーリーが完成する、まである(という解釈)
特にブラッドボーンは公式からの情報が少ないので想像の余地があり、たのしいですね。ということで私なりの解釈を書きます。
ブラッドボーンの舞台、ヤーナムの場所について
場所はイギリスのどこかです。たぶん悪夢っぽい地形があるので探してみましょう。
・ヤーナム市と周辺の地形…歩いて調べてわかること
開けた平地ではない。斜面が多く、立体的な街並み。肌感覚でイメージするならば札幌ではなく小樽。あるいは洞爺湖。(道民並)
聖堂街の終端、時計塔の裏手にはむき出しの岩壁がある。山から石材を切り出しつつ、削り、そこに街を建設した可能性。
逆に町から斜面を下っていくと湖に行き着く。湖のほとりにビルゲンワースと、ヘムウィック墓地街がある。湖の中に島があり、カインハースト城はそこに建設された。
カインハーストの高台から周囲を見渡すと、湖の周辺は360℃、ぐるりと山に囲まれているのがわかる。
おそらく湖のほとりに最初の開拓者が住み始め、人口の増加とともに山の方向に街が発展していったものと思われる。つまり、湖に近づくほど建物は古く、一番湖から遠い医療教会の時計塔・大聖堂がいちばん新しい建物である可能性が高い。
まとめると、
交通の便が悪い山の中に湖があり、その周辺にできた町がヤーナムである。
ちなみに、山の中に湖がある、というのはよく見る地形だが、だいたいは火山の噴火跡地にできたカルデラ湖である。しかしヤーナムに火山の描写は全く見られない。
隕鉄のくだり、宇宙のくだりを考えると、隕石の衝突で生まれたクレーター湖と考える方が自然かもしれない。
上位者について
地球の生命とは明らかにちがう、生き物。生き物なので食べ(描写なし)、増え、死ぬ。不滅の存在ではない。
「宇宙」や「悪夢」と呼ばれる、概念的な上位次元に存在している。思念体に近い生き物。純粋な上位者は、現実世界に物理的な肉体は持たないと思われる。
(逆に人間はどこまでも物理的な生き物だが、脳内に思念を持つ。この点が上位者と人間の接点となっている可能性が高い)
上位者は、下位次元である現実世界に一方的に干渉することが可能。干渉力は、その場所の位相が上位次元に近づくほど大きくなる。
・上位次元…悪夢の世界、狩人の夢
・上位狭間…教室棟、月前の湖
・下位狭間…隠し街ヤハグル、
・下位次元…獣狩りの夜のヤーナム
・もっと下位次元…平日のヤーナム
・さらにもっと下位次元…ロンドンとか群馬県とか
人間は、上位次元に招かれて初めて、上位者(の本体)に干渉(殺害)することができるようになる。
多くの種族がいる。
・ゴース、ゴースの遺子
・メルゴー、メルゴーの乳母
・月の魔物
・アメンドーズ
・オドン
地球の生き物に超常の力を与えることができる(地球の物理・生命の法則の縛りを緩めさせ、思念体に近づけることができる)。
適性のある個体に瞳を与え、眷属にすることができる。眷属は上位者の意向に縛られる。自由はない。瞳を与えられたものがバケモノの姿になるとは限らない?
・上位者ゴース→眷属ロマ(確定)
・上位者???→眷属エーブリエタース
・上位者月の魔物→ゲールマン(確定)
上位者の本体っていうのは上位次元に辿り着いてもなお不可視?
狩人と戦っているのは代理の戦闘体、ジョジョでいうスタンドみたいなものなのかも知れない。スタンドは本体と繋がっている?スタンドを狩ると本体も狩れるらしい。「HUNTED NIGHTMARE」
・メルゴーが本体(不可視)。ボス「メルゴーの乳母」はそのスタンド。
・月、が本体。ボス「月の魔物」はそのスタンド。
・ゴースの遺児を倒したあとの黒いもやもやが本体(戦闘中は不可視)。ボス「ゴースの遺児」はそのスタンド。
・???(オドン?)が本体。アメンドーズたちはそのスタンド。ハーヴェストみたいに複数いるタイプなので、1アメン倒しても本体は死なない。
上位者の特徴の羅列
・違う次元・異空間に存在する。半ば精神的・思念的な存在。現実世界には存在しない(トゥメル時代には実在していた可能性もある)。
・いろいろな種族がいる。
・現実世界、あるいは半現実世界(獣狩りの夜のヤーナムなど)の人間に対して一方的に干渉(攻撃、孕ませ、その他)することができる。
・現実世界にいる限り、人間側から上位者に干渉することはできない。(攻撃してもすり抜ける、ヤハグルのアメンドーズ)
・普通、人間には認識できない存在。目や耳など、物理的な器官では観測できない。思念や思考を介してのみ認識できる。
・人間がその存在を認識する為には、「上位者」という存在を知り、それについて思考する(啓蒙を高める)か、思念体を直接知覚できるような特別な感覚器官を得る(瞳を得る?)か、上位次元に近づく(獣狩りの夜、隠し街ヤハグル)か、直接上位次元に招かれる(悪夢の世界に入る)必要がある。
感覚的には神さまと霊感の関係に近い気がする。
・条件が整えば殺せる。(「上位者狩り」。ゴースの死体は腹を掻っ捌かれて殺されたように見える。)
・地球の生き物(人間・犬)に超常的な影響を与えることができる。(血液を媒介)
・人間に「瞳」と表現される何らかの感覚器官?を与え、眷属にすることができる。
・トゥメルの時代には、現在より強く・はっきりと人間と接触していた可能性が高い。
血の医療とは?
上位者(眷属)の血、あるいは上位者から影響を受けた人間の血を輸血すること。当時の医学水準では治療不可能な難病でも治すことができる。
血の医療を受けた者は上位者と同じ思念体に、すこし近づく。
本来、我々人間は100%物理的な存在である。病を患い、傷を受ければ治るのに数か月かかる。治らないこともある。筋力以上の重い武器は持ち上げられない。幽霊や神を見ることも、触れることもできない。遺伝子によって統制された体は、狼やナメクジのように変形することもない。そんなことが可能なのは想像の中だけである。ちなみに両手武器である日本刀の重さは900g程度である。
血の医療を受けた者の体は、地球の物理法則・生命の法則から半歩解放され、思念体に近づく。物理法則よりも、意志力・精神力・自意識・感覚の影響を受けやすくなる。
この意志が強ければ強いほど現実の物理・生命法則を無視できるようになる。他人の遺志(意志)を継承することができれば、自意識はより強化され、より自由になれる。生命力はより強く強化され、50kgはありそうな車輪を片手で振り回し、右腕が破断するような反動に耐えて鉄杭を射出することができるようになる。(これはさすがに筋力が18必要である。)
病気の者は、物理的な肉体が侵されているだけであって、精神が侵されているわけではない。血の医療によって体が思念体に近づくことによって、物理的な肉体から受けるダメージの影響が薄まり、結果的に体が健康になる。
ヤーナムの血の医療は、精神病以外の全ての病気に効くといえる。
獣の病、獣化とは?
血の医療を受けた者の体が、狼や鹿など、人間以外の動物に変化してしまう現象のこと。同時に理性を失って狂暴化し、本能のまま暴れ、人間を襲うようになる。
普通の人間が持つ一番強い意志は、生きようとする意志、つまり生存”本能”である。理性は大体の場合、本能に負けるものだ。
前述のとおり、血の医療を受けた者の体は半歩思念体に近づく。そして思念には本来、形はない。自由なものなのである。
日々普通の生活を営んでいる、アスリートでもない一般人は、生活するうえでそこまで頑強な自意識を持つ必要がない。消去法で考えると、一般人が持つもっとも強力な意志=身体に備わっている生存本能だともいえる。
思念体となった人間の、生存したいという強い”意志”や、本能的な暴力衝動のイメージに合わせて、ベストな形で体が変態した。これが獣化であり、本能が自意識を上回る人間が多かったために、血の医療を受けた数多くの人間が獣化することになってしまった。これが血の医療がいきわたったヤーナムの風土病、獣の病である。
(人間の動物的側面=本能=原罪・獣、理性的側面=理性=神・上位者と、無意識レベルで区分けし、獣部分を認めない・否定するから、抑圧された衝動が強く出すぎて獣化し、人を食う自分に絶望し、そのまま完全に獣となってしまう気もする。
一度獣化して人間を食べてしまった・殺してしまった人間は、自分が人間である、ということを自分で否定してしまっているのかもしれない。その場合、二度と人間に戻ることはない。「人間は人間を食べない。人間を食べるのは獣なのだ。私は人間ではない。獣なのだ!」と。
デュラ「やはり、あれは人だよ」
逆に、人間は元から動物である、と、自分の一側面を理性的に肯定して受け入れてしまえば、獣化の利点をそのまま利用できる感じもする。理性を保ったまま獣化することも可能なのかもしれない。(ただしその場合、食人衝動のまま人を食べちゃうんだろうが)
狩人とは?
ヤーナムの血の医療を受けた者の中で…
人間の姿を完全に保ったまま、獣のごとき人外の膂力を発揮し、神秘の技を操り、不死身であるかのような生命力を得た者たちのこと。一定数存在する。
狩人には、「狩人の夢」に縛られている者と、そうでない者がいる。
狩人の夢に縛られているものは、獣狩りの夜の間であれば、もし死んでも、死ななかったことになる。狩人たちの主観としては、死んだ瞬間(豚の突進に巻き込まれる、えぶたそに食べられる、アメンドーズに踏みつぶされる、etc.....)「ハッ・・・!!!」と、狩人の夢で目が覚める感じだと思われる。当然汗だくで心臓もバクバク言っているが、体に傷はなく、戦った痕跡もない。「なんだ、ただの悪夢か…」
ダークソウルシリーズのように、死後生き返るのではなく、死んだ事実自体がなかったことになるのが特徴。自分が死んだ事実が、死んだ世界ごと消滅する感じと思われる。
「狩人の夢」に縛られていない狩人は、死ぬと死ぬ。当然なんだよなぁ…
狩人になるための条件とは
前述した、獣化の原因になる「生存本能」に打ち克つ頑強な精神力、意志力、理性、決意、確固たる自我、誇り、自信、勇気を持つ者。あるいはそれらすべてを動員して、「己は人間である」という頑強な自意識を保てる者。おそらく、狩人になるためにこれ以外必要なものは一切ないと思われる。逆に、これを失えば熟練の狩人であっても簡単に獣化する。
強靭な精神力を持つ狩人が全力で「自分は人間ではない」と思った場合、あるいは人間でいることに耐えられなくなった場合、巨大で凶悪な獣が出来上がる(聖職者の獣、ガスコイン神父、エミーリア、他)
・暴力衝動に飲み込まれ自意識を失う→獣化
・罪の意識に飲み込まれ、自分が人間だという事実から逃避する→獣化
自意識が揺らぐことが獣化につながるわけだが、罪の意識に耐えきれなくなって人間であることから逃避する、というのが原因としてはやはり一番しっくりくる気がする。
狩人の特徴
・人間の限界を完全に超えた腕力を持つ。
・人間の限界を完全に超えた瞬発力を持つ。
・輸血によって、負傷を瞬時に癒すことができる。
・負傷直後なら、返り血を浴びることによってダメージをなかったことにできる。
・銃の弾頭に己の血を混ぜることによって、威力を強化できる。(攻撃の意志をもって相手の体に打ち込んだ自分の血液は、相手にとって毒である可能性。血液に意志が宿るのならば、攻撃の意志を直接相手に打ち込んでいる?)
・殺害した相手の持っていた精神力、意志の強さ、彼が世界に及ぼしていた影響力、を、自分のものとして継承することができる。
・普通、人間は死ぬと完全に意識が消滅し、
彼の自意識が消え去る瞬間、世界に飛び散るエネルギー。
風船が割れるときに発生する、音の残響。「遺志」を継承することができる。
風船が割れ、エネルギーは音となって飛び散る。そこに残るのは残響音。
狩人が死に、内部エネルギーは血となって飛び散る。そこに残るのはblood echo。血の遺志。
遺志(意志)の継承、レベルアップについて
これは思念体となった生き物の食事なのかもしれない。ではレベルアップは成長か。
それが行えるのは、あるいはそれを手助けできるのは狩人の夢所属の狩人のみか?
狩人の夢について
つきのまもの・眷属・狩人ならすべて眷属なのか?月の魔物由来じゃないちを輸血されたものは狩人ではないのか?ちょっとこの思念体理論ではせつめいするのむずいのかな?あとでかんがえる。
獣狩りの夜とは?
血の医療が生き渡ったヤーナムの定例行事のこと。医療協会が主催。ヤーナムでは周期的に、獣化する人間の数が増える夜が来る。街をうろつく獣化した人間をとらえて火あぶりにするのが主な目的。
満月の夜、年に数回のイメージ。
なぜ満月の夜なのかはわからないが、上位次元からの干渉力が強くなる時期があるようだ。
ヤーナム市民は「獣狩りの夜」の前日とか?から準備を始める。獣除けの香の買い出しに医療教会の商店に行く。最近亡くなったものが居ればその棺桶を家の外に出し、鎖とカギでぐるぐる巻きにする。食料の備蓄ヨシ!戸締りヨシ!
当日の夜が来たらやることはシンプルである。①、獣除けの香を絶やさない。②、絶対に家から出ない。おそらくこれだけである。理性の残っている(獣化の兆候が見られない)まともな市民は、必ずこれを遵守していると思われる。逆に言えば、この単純なルールも守れない、守る理性も失われている市民は獣化している可能性が極めて高い。
本編の、ヤーナム探索中落ちているアイテムの持ち主(すべて死体)に獣化の兆候が見られるものは一つもない。これは、単に家に帰るのが遅れただけと解釈することにした。「やれやれ…これだからヤーナム初心者は」(呆れのジェスチャー)
本編が始まった時点で、獣狩りの夜はすでに始まってからしばらく経っている。むしろひと段落ついた後だと考えられる。
完全に獣化した獣はひっ捕らえられ、吊られ、街のあちこちで火刑に処されている。
普段はその時点、ひと段落ついた時点、本編スタート時点くらいの頃に「獣狩りの夜」は終了し、解散、みんな家に帰っているものだと思われる。
しかし、何人かの市民が証言しているが、「今夜は獣狩りの夜が異常に長い」。
その夜が長いと、個々人の精神力に応じて徐々に獣化が進行してしまうように思われる。
獣狩りの夜、外出している人間はすべて狩人による狩りの対象になっていると思われる??????。
闘争本能の高まりに抗えず外出し、ありあわせの武器で獣狩りに出た市民。彼らは体のどこかに獣化の兆候が見られる。
以下、メモ
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大雑把にまとめると、
<遺跡時代>→<ビルゲンワース時代>→<医療教会初期>→<中期>→<本編>の順で色々な出来事が起こっていました。
<遺跡時代について>
本編が始まる前から地球は存在し、ヤーナムと呼ばれるようになる前からその土地はありました。人がその土地に住むようになる前からいたのか、後から来たのかはわかりませんが、とにかく人間と上位者はその土地で出会い、そこからヤーナムの歴史が始まります。
ちなみに聖杯からアクセスできる各聖杯ダンジョンは、現実世界には存在しません。悪夢の世界と同じく異次元に無数に存在し、聖杯に向けて儀式をすることで行き来することができるようになるものです。遺跡自体は実在すると思いますが、たぶん無人(無獣)です。
・各遺跡の時系列と場所について
イズ=トゥメル→ローラン→僻墓の順?
僻墓は拡張なうみたいなことが書いてあったので…まぁ暫定で並べてみました。
イメージとしてはイズ→青銅器時代。トゥメル→ローマ時代。ローラン→エジプト時代?(謎)。遺跡の各所に全身鎧が落ちてるので、もうちょっと後の時代かもしれませんが、滅びて埋まるのに十分なほど過去でしょう。
・ローランだけ明らかに気候が違う点について。
「ローランとは砂の中に沈んだ悲劇の地であり」とあるので、上位者ゆかりの土地と繋がっただけでヤーナムの地ではないのかもしれません。
また、「ローランの各所にはある種の医療の痕跡があり」とあるので、トゥメル時代のヤーナムから血の医療が伝来したか、その土地にも上位者が降臨したかのどっちかだと思います。私としては前者を推したいですが、アメンドーズが持ってたので、彼がイタズラしに行ってたのかもしれません。
(まぁゲームを作るうえでデザイン面の差異が必要で、じゃあ遺跡つながりでエジプト風にしよう!ってなったんだと思いますが。)
同じ観点で言うと、イズもヤーナムの地ではない可能性があります。
そうなると日本の群馬とかに血の医療が到来し・滅んだりしたら、「グンマーの聖杯」が生成される可能性があります。こわれるなぁ・・・
・トゥメル遺跡について
古都ヤーナムと明確につながっています。実際に地下にある遺跡とはここのことでしょう。上位者とコンタクトを取った最初の文明だと思われます。
細かい生活様式や、上位者とどう共存していたのかは不明ですが、聖杯ダンジョンにある副葬品を見る限り、かなり繁栄していたようです。
黎明期から繁栄期にかけては上位者が実際にいたか、