想像できるサプライズなんて

 昨日のフジテレビさんの「全力!脱力タイムズ」は神回と言ってもいいくらいのサプライズぶり。コンビでの活動が無かった「アンタッチャブル」さんが演出上の流れで10年ぶりの漫才披露。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191130-00000319-oric-ent

 「脱力タイムズ」は報道番組と称するコント番組。実際の報道番組のパロディを展開して、ゲストの俳優・女優さんが常にボケ役をし、ほぼ準レギュラーの週替わりの芸人さんがツッコミ役に徹する。

 そんな中でゲストの人が芸人さんの「コンビ芸が観たい」ということで相方やそれに担う方を入れて終盤コント・漫才をすることがあるのですが、だいたいの相方が似てる人や違う人で即興漫才をするケース。

 今回のアンタッチャブルの柴田さんの場合も、相方の山崎さん似の俳優の小手信也さんが最初出てきて、ネタに詰まって小手さんが捌ける。再びくりーむしちゅー有田さんに促されて出てきた小手さんが本物の相方山崎さんと言う展開。

 本物の相方が出て来るのは、おそらく初めてかレアケース。しかも10年間様々な紆余曲折があってコンビ活動出来てなかった2人が漫才をするというのは異例過ぎる対応。これは純粋にサプライズとして受け止めて面白かったし、私はその後、TVerの後追い動画配信を何度も見ちゃいました。何度も。

 テレビってなかなかサプライズ演出が出来にくく、関係者などのリークによって演出自体もバレバレになって新鮮味がなくなる。最近はSNSの発達で情報が瞬時に届いてしまう世の中なのでサプライズが生まれにくい。そんな世の中でこの演出に至るのは凄いなと感じちゃいましたね。スタッフさん関係者さんの演出方法と、統制の仕方が素晴らしい。

 「重大発表」とか「今日は奇跡が起こる」とか内容はサプライズだけど、もうバレバレとしか言いようがないモノが最近は多いのですが、こうやってマンネリと共に毎週伏線を張りつつ刺す様に事変を起こすのは真のサプライズ。こういうのを待ってました。毎週欠かさず観ている人にきちんとした驚きを提供させて、その後SNSで事例を知った人が後追いで見る。今後のテレビで見せる作り方の一例が出来上がった気がします。特に「脱力タイムズ」さんはこういう作り方が上手い。エンターテイメント番組としては最高の出来だと思ってます。

 この前の日に放映していた日本テレビさんの「クイズハッカー」という番組も、スマホで答えを検索して調べるという斬新な番組で、こちらもSNS世代を狙った物凄く企画力のある番組だなと感心してましたが、「脱力タイムズ」の展開も素晴らしかった。盛り上げたいというスタッフさんがこのテレビ業界で居るんだなと感じたここ数日でした。