私的におすすめの夏の時期に扱いたい塾用教材(都立高校入試(共通問題)〜数学、国語、理科、社会編〜)
以前、英語については書かせていただいたので、今回は残りの4教科(数学、国語、理科、社会)について書いていく。
まず、数学についてである。
数学も都立入試の特徴をしっかりと押さえたうえで、対策を行なっていく。数学は得点したい(しなければならない)点数から逆算していくのが英語よりも大切なように思う。一番大きな特徴は「計算や小問集合で46点得点できる」というところである。ここはどのレベル層も全問正解をマストにしたい。詳しくは教育委員会のホームページ等で過去問を確認してもらいたいが、大問1は基本的な計算問題が5問程と、その後に確率や角度、作図や関数、標本調査に関する基本問題が続く。そのうえで大問2に規則性とそれに伴う証明、大問3に関数の問題、大問4に平面図形、大問5に空間図形といった流れになっている大問2と大問4には証明問題がありこれが7点、作図が6点、そのほかは全て5点といった具合である。そして、大問2以降の各大問の問の数は2〜3問であり、問1〜3に進んでいくに従って難易度が上がっていく形である。例えば、70点を取りたい生徒には、大問1全問正解、大問2、大問3、大問4、大問5の問1を正解できれば良いといった具合である。そこで、まず、入試対策でやらなければならないことは、「計算を全問正解する練習」であり、そのうえで各々の単元について扱っていくことが良いだろうと思う。私的におすすめの教材は共通問題だけで見ると、「オリテキS-ROAD(日本教材出版)」である。中学1〜3年生までの計算単元をまずは先に扱ってから、関数や図形といった単元に入っていく。ここでランダムの計算問題を同時並行で扱うのが良いだろう。おすすめとしては、「東京都 予想問題 大問1(日本教材出版)」や「東京都 予想問題 数学大問1・2・3(日本教材出版)」を毎日1回分ずつ各単元の授業に入る前に実践テストを1回分ずつ確認テストとして導入するのが良いと思う。そして、オリテキS-ROADで各単元の復習や演習が2次関数を一通り扱ったタイミングで「Vもぎ過去問集(進学研究会)」を扱っていき、実践演習を積んでいくのが良いだろう。英語に比べるとシンプルにはなるが私の数学のお勧めはこの辺にしておく。
次に国語について。
国語についての都立入試の最大の特徴は大問5が「古典を含む現代文」であることである。極端な話をすると古典に関する知識が全くなくてもほぼ正解できてしまう。さらには説明文や物語文に比べると読みやすい。したがって都立入試対策を行うなら、まずは「文章を読む時に必要な最低限のお作法」から扱っていく必要がある。そこで私的にお勧めなのが「国語読解の名人シリーズ(日本教材出版)」である。この教材は読むために必要な項目を段階的に進めていけるものになっている。また、こちらのアウトプットを行なう用に「成長する思考力GTシリーズ国語10級〜1級(学林舎)」も扱うと良いと思う。これは小学校低学年レベルの文章から段階的に説明文、物語文などといった文章に触れることができる。さらに言葉についての知識も頭にある程度入れておかなければならない。一番良いのは辞書を引きながら読んでいくことであると思うのだが、中学校3年生にとってそんな時間はそこまで残されていないので、「ことばの名人(日本教材出版)」を用いて少しずつ演習を積んでいくと良いだろう。これを終えることができて、余力があれば、他科目と同様に「Vもぎ過去問集(進学研究会)」を使用して実践形式で演習を積んでいけば、良いのではないだろうか。
次は理科について。
まずは、都立入試の理科の大問構成から確認していきたい。大問は全部で6個で、大問1は小問集合、大問2も小問集合、大問3から6は分野別の実験・考察問題で、大問3が地学分野、大問4が生物分野、大問5が化学分野、大問6が物理分野といった形である。また、大問1と大問2の小問集合の違いは、大問1は単純な知識について聞いてくる問題が多いのに対して、大問2はリード文があったうえで、それに準じた問題となっている(数年前まではリード文を読まずとも正解できる問題がほとんどであったが、昨年度からそうはいかなくなった)。大問1と大問2で40点ほど得点でき、知識のみで乗り切ることができるので、まずは知識の整理と演習を単限ごとに行っていくことが良いだろう。知識の整理には、「オリテキS-ROAD(日本教材出版)」が良いと考える。あとは市販になるが、「高校入試 実力メキメキ合格ノート(文英堂)」や「中学理科用語をひとつひとつわかりやすく(学研プラス)」といった調べたり、説明が載っていたりするものをサブで持っていると良いだろう。「オリテキS-ROAD」に載っている問題がある程度できるようになったところで「Vもぎ過去問集(進学研究会)」を使用して実践形式で演習を積んでいけば、8割程度は手堅く得点できるようになるのではないだろうか。理科の授業の技術面についても後日記述していくことにする。
最後に社会について。
都立入試の社会は知識を聞かれるというよりも、むしろグラフや表を読み取って考察していく問題が多い印象である。ただし、やはり社会という科目の性質上、知識は最低限必要なので、まずはそこの補強を行っていく必要がある。お勧めは授業を行う前提で言うと理科と同様に「オリテキS-ROAD(日本教材出版)」を使っていくのが良いと思う。この教材の最大の魅力は歴史の単元の部分である。大多数の教材は各項目について簡単な説明があるといった形だが、この教材は年表形式になっており、かつ、必要な語句の最低限の説明は載っているので、授業では時代の流れを追いながら行間を埋めていき物語を完成させていくといったイメージで進行していくのが良いだろう。また、サブテキストとして市販ではあるが、「高校入試 実力メキメキ合格ノート(文英堂)」や「中学理科用語をひとつひとつわかりやすく(学研プラス)」といった調べたり、説明が載っていたりするものをサブで持っていると良いだろう。問題演習では「Vもぎ過去問集(進学研究会)」を使用して実践形式で演習を積んでいけば、8割程度は手堅く得点できるようになるのではないだろうか。考察問題の解き方についてはまた後日記述することにする。
参考程度に見ていただければ幸いである。