3.11 復興どころか、大不漁とコロナで単価安で廃業、自己破産、倒産相次ぐ、船の廃船すらできない現実
【「もう無理!」東日本大震災以降の大不漁で基幹産業の漁業、水産業の復興どころか廃業、自己破産、倒産が続き、コロナ感染問題で魚価安ー75%で深刻な三陸!】
三陸は、東日本大震災以降、すべての魚種で大不漁が続いています。
イカ、鮭、タラ、マグロ、カジキ、カレイ類、ミズダコ、毛ガニ、アワビ、ウニ、ワカメ、昆布など全ての魚種での大不漁です。
原因は、海底地盤の沈下、隆起で地形変化。津波ドロ、そして、温暖化だけで、海水に成分の鉄分不足や潮の流れが変化してるのです。
今でも大きな海底地震がありますが、そのたびに海底地形が変化してるからではないのかと、海で漁をしていて、肌で感じています。
そして、今年はコロナ禍で、外食産業での売上がないために、魚価単価が、例年のマイナス75%まで下落しています。
とにかく今のままでは、「沿岸漁師」として生業として成立しないのです。
従って、これまで何代も続いてきた「漁師」の後継者など、全くおらず、もう漁師は60歳以上で平均年齢は65歳は超えているのです。
今更、他の仕事はあるわけでもないので、やはり、なんとか漁師を死ぬまでやるしかありませんが、今のままでは絶対にやっていけない状況ですね。
ただ、奥の手が一つだけあると考えていますーー。
私の復興船は10トンと大きいので、だいたい深さ100m以上の深さがある場所でないとできない、漁業権の規定になっているのです。
これは、震災前ずっとやって来ましたが、100mよりも浅い陸の方がいくらかでも、効率がいいのです。
なので、3トン以下で認められる、それより陸側をやるために、小さな和船を建造しました。この春から操業しています。
ただし、小さいためにローリング、ピッチングで揺れるために、非常に体に堪えます。
【財務省の「国税庁」の公平性に欠ける。理不尽な「譲渡税」】
ホントは、廃業、自己破産してるために、使用していない復興船の中古船を探しいくらでもあるのですが、すべて、「復興船」で国から補助金をもらった船で未だに漁協の共有になっており、使わない船が沢山でてるのに、補助金と「譲渡税」の縛りがあって、個人名義変更ができないのです。
原因は、「復興庁」ではなく、「財務省の国税局」が、奥尻島津波の時に「譲渡税に気がつかず、税をもらっていなかったから、東日本大震災での船では、これを徴収する」と、説明しています。
この時点で「公平性」に欠けてるのは、明白です。
もう9年以上にもなるので、減価償却は終わってる船で、「譲渡税」がかからない価格になっているのですが、船の数が多いのでその事務処理が間に合わず、延期、延期になっているのです。
奥尻で課税せず、東日本大震災では課税する、不公平ではないですか?
非常の、公平性に欠けた、理不尽な話です。
しかも、今度はここに来て「復興庁」が、「名義変更してから、更に5年間も、名義変更、船の売買、廃船してはいけないし、その船を保管しておけ」ということで、大きな船は、大型クレーンでも吊れないので、浮かべておくしかありません。
従って、シケで沈没もあり得るので、年間60万円以上の漁船保険(書き捨て)など掛け金が大きな負担です。
使わない船に年間60万円以上は非常に負担が多すぎます。
(※漁師どうしで、売買して使いまわしをすれば、厄介なFRP(強化プラスチック)のゴミの削減にもなるのですが、時代に逆行しています)
最終的には、年齢をとっていく上での、今の10トンの船の処理です。
いつになるか分からない船の廃船ですが、上の事があり、仕事がないので「廃船業者」も倒産してるのです。
「何が被災者に寄り添った復興」でしょうか?
#三陸 #中古船#補助金#生業#漁師
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