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猫草をつくる

猫が枯れた草を食んでいたので、猫草を作った。

3パック780円で販売されている自家栽培猫草キット。近くのホームセンターでは生え生えの猫草がひとつ298円で売られているので(近所はそこしか売られていない。足を延ばせば198円で売っている店もあるがひとつ買うのにわざわざ出向くほどでもない)、手間を惜しまなけらば安い。

でも、なんでか手間に感じる。
手間に感じるから、猫草が枯れ細ってしまうまで放置してしまうのだ。
猫、ごめん。

とはいえ猫草を作るのなんて本当に簡単なことだ。

ふかふかの土を四分の三ほどプラスチックの箱にしきつめて(ぎゅうぎゅうと押し込んではいけない)、膨大な量の種を満遍なく散りばめる。
これをこんな少ない面積で?と思うほどの量を丁寧に撒いたら、残りの土を種のうえにかぶせる。種が見えなくなるようにしっかりと被せなければいけないが、厚すぎてもいけない。そうやってちょっとだけ気をつけながら土を被せ終えたら、あとは水をあげるだけ。

でも、不思議なことにこの水をあげるときにいつも悲惨なことになる。

表面に水をかけると、土が流れてしまい、焦った種が躍り出てくる。
さっきまであんなにきれいに土のふとんがかけられていたのに、水をあげたとたんに狂い出る無数の種たち。

なんでだろう。手順通りなんだけどな。
(そもそも軽い土のせいではないかと思う。簡単に吸水しないし)

霧吹きでしめらせたこともあったけど、結構しっかりしめらせたつもりでもそのあと全然発芽しなくて、数日後に結局水をかけたら種が狂い出るっていう、何日か前に回避したことが今か!みたいな気持ちにさせられるだけだった。

と、そんなこんなで踊り狂う種を見ながら(それでもしっかり草は生える)、あとはアルミ箔をかけて発芽するまで数日待つ。

この、『発芽するまで数日待つ』をうっかり忘れないようにしなきゃならないのがちょっと手間だ。
うちの場合、猫にひっくり返されないよう換気扇のうえに置いているんだけど、そこは目線のうえなのでうっかりすると忘れてしまう。
忘れてしまってあまりに長い日が経つと、暑い季節ならアルミ箔の中で芽生えた草たちがもやしのように伸びて横たわっているのだ。

もやしのように伸びた草は、そのあと日光にあててもあまり美味しそうなみのりにならない(猫は食べるけど)。
性格の悪い感じに腰を曲げて伸びていくことになる。

そんな草を猫が食べているのをみると、自分の失敗をまざまざと見せつけられているようで残念な気持ちになるよね。

作り終えてしまえば短時間のことなのに、毎度どうしてこんなに腰が重いのだろう。
猫は土の匂いに興奮して「草をくれ」とニャーニャー鳴いている。
残念だけどまだあげられない。
芽生えまで3~4というところ。


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