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『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』制作スタッフ・ネタバレありの座談会@梅田 レポート

日時:6月25日12:10の回
場所:TOHOシネマズ梅田 スクリーン9
登壇者:塩谷直義監督、脚本の冲方丁さん、吉田尚記アナ

座談会

3人は昨日夜9時に大阪に着いて朝4時まで飲んでた。冲方さんがPSYCHO-PASSシリーズを絶賛していて、吉田アナは飲みながらもメモっていた。
冲方さん「砺波のデザインが素晴らしい。脚本の中での老兵のイメージをどうデザインに落とし込むか気になっていたから」
監督「一線を退いた兵士として、ゴリラ(狡噛)じゃないようなデザインにする必要があった。(ちなみに砺波と狡噛が一線交えるシナリオもあった)」
冲方さん「これまでも絶望した人はたくさんシリーズに出てきたけど砺波ほど絶望してる人はいない。拷問してても何も感じてなさそう(吉田アナ「ルーチン拷問ですね!」)人間に対して深く絶望している。朱ちゃんが対峙すべきキャラとして存在している」
なぜ砺波は常守をすぐ殺さなかったのか?
監督「砺波は誰とも目を合わせない。人に興味がないから。目を合わせるのは若き軍人時代に戦地で抱えてた子どもと朱ちゃんだけ。常守に対しては例えて言えば新入社員の純粋なパワーを見て、それには犠牲が伴うのも分かるけれどもその純粋さを見ていたいという気持ち」
吉田アナ「昨日の飲み会で冲方さん0.0001%を救えるか?みたいな話してましたよね」
冲方さん「民主主義は少数を殺すもの。朱ちゃんは0.1%も救いたいと考える人。その朱の正義感に自分の影と光を見た。朽ち果ててしまった狡噛であり間違えてしまった朱が砺波。朱に絶望してほしかった。」
吉田アナ「そのへんがまさに今作のテーマとも言えますが、テーマってどんなふうに決まっていくんですか?」
冲方さん「絵コンテになってテーマを語りだすよね」
監督「映像にするために脚本を直していく作業だいたい1年くらいしましたね」
SS・3期・PPP同時並行で作った。
吉田アナ「山○○治でググってください」

質疑応答

Q.北方作戦前に外務省の2人へのドミネーターの使用許諾もちゃんと下りてるのに、その後どの時点でシビュラは朱ちゃんたちを「裏切者」としたのか?
監督「ドミネーターの使用許諾は外務省との共同捜査の名目が続いている中であれば常守の統括監視官権限のレベルだけで出せる。砺波にドミネーターを向けた時点でシビュラに伝わり、裏切者認定となった」
(吉田アナ「質問も答えも行政の住民説明会みたいですねw」)
Q.朱ちゃんが局長を撃った後、サイコハザードは起きなかったのか
冲方さん「式典にはケアしてる人間しか来ていないのでその場の人間にはそういう反応は起きない。世間は銃を撃つ人とか見たこと無いので想像力がそれ以上働かない」
監督「ヘルメット事件にスマホを向けてた時と同じで、変なやつがいるとしか思ってない」
吉田アナ「でも常守の中では最後泣くほどの出来事だったわけですよね」
冲方さん「狡噛に全部終わってから泣けって言われましたからね…全然慰めねぇなって(笑)」
Q.一係メンバーら朱の身近な人は最後の行動をどう思っている?
監督「ディレクターとしては常守と狡噛の2人にしか(この作品の中では)フォーカスしていない。あとはフェスの朗読劇で語るシーンを作りましたので、フ○テレビやT○H○に円盤化してもらって。あとは、一係みんな後悔したのは確かです。」
吉田アナ「横に立ってるフジテレビのプロデューサーさん全く表情動かさないですね。飲み会の時脳にディバイダー仕込んでます?って話しましたねw」

最後に一言

冲方さん「制作中は辛いことや酷いことがありましたが…そういうのが無かったように錯覚するほど素晴らしい仕上がりでした。おめでとうと改めて監督に言いたいです」
監督「この映画は119分59秒23コマで作られてるんですが、あと3分あったら?という妄想を今から話します。常守が式典に臨む前、冒頭と同じメンツで法律についての会議をもう一度していて、慎導さんの遺志を継いで法を廃止しよう!と盛り上がる。常守はそれでいよいよ危機感を抱いて…ってシーンを入れてみたかったなと」
冲方さん「監督改稿を出すたびにこうしてみたいが出てきてましたよねw」

吉田アナ去り際の言葉も良くて、「この映画の尺について監督がさっき話てましたが、今日のこの討論会も既に15時ギリギリです。のでとっとと皆さん出てくださいね!次の回の上映遅れるとPSYCHO-PASSなんなんってなりますので」
作品と結びつけつつの誰もわるい気分にさせない流石の配慮だなと思いました。

PSYCHO-PASSについて語る時の監督の作品への思い入れの強さ、冲方丁さんの語彙の強さが印象的でした。5分で売り切れだったようでチケット取れて参加できて良かった!


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