素直になれなくて引きずったこと
あの日、伝えられなかったこと。
普段飽きるほどに繰り返していた同じフレーズ。
あの日だけは言えなかった。
大事な人との関係性が変わるのが
怖かった。
後悔なんて人に100万貸した時も
怪しげなコミュニティに騙されたことも
友達に裏切られたことも
実の親に ”生まなきゃよかった” なんていわれた日だって
私は感じたことがない。
…たった一つを除いて。
私には過去、ものすごく大切な人がいた。
彼に出会ったのは、今から16年前。
第一印象は最悪だった。
性格悪い奴、そんな風に思っていた。
彼は出会った当初からすごく異性からモテるが故に女が大嫌いだった。
気づけば約6年…いつも隣にいる人だった。
私たちは、付き合わなかったのだけど
私の人生にこれから先も彼がいること…
もっと言えば、何の疑いもなく
彼と手を繋いで老夫婦になるのであろうなとも。
どうして私の中で彼がそこまで大事な存在になったのか。
理由は2つあると思う。
1つ目は、
産まなきゃよかったといわれた私を一人の人間として見ていてくれたこと。
2つ目は、
辛いときにはいつも隣にいてくれたこと。
ありきたりなことかもしれない。
だけど、世の中には当たり前に愛をもらえない人だっているのだ。
私はあまり医療について詳しくはないのだが、
幼少期に愛されなかった人間は
大人になっても愛に飢えるのだそうだ。
私の父はすごく溺愛してくれたのだが、
私の母にとって私はお荷物でしかなかった。
大人になった今でも、生きれない私の1%はきっとここにある(笑)
話は戻りますが、
彼がどんな人だったかについて語らせてください。
彼は前述のとおり、異様なくらいモテる人でした。
私は25年生きてきていますが、
彼以上にモテる生身の人は今までほかに見たことがないです。
そのくらい ”顔面”と”雰囲気” でモテる人でした。
私は十分な面食いだと思いますが、
ずっと隣にいても彼は一切好みではなかったんです。
じゃあなぜ?
モテる&女嫌いが総じて
彼は恋愛感情で近づく女の人と一切仲良くしなかったのです。
その矢がどこに飛んでくるかというと私の元に飛んできました。
その頃、一番仲良くしていた子に彼に近づくために利用されていたこと。
彼のファンクラブの女子たちにいじめられたこと。
私の右頬には当時より薄くなりましたが未だにナイフの跡があります。
上部分が土台に乗ってのぞけるタイプのお手洗いは入れません。
…とかいろいろとあるのですが。
”死にたい” と泣きじゃくる私をいつも慰めていてくれたのも
泣き止むまで隣で寝たふりしていてくれたことも
泣き止むとものすごくへたくそなミッキーの真似をすることも。
私は彼の一つ一つをいつの間にか好きになっていました。
そして… "俺のために生きて” そのセリフが私の宝物です。
私はいじめられていた自分が彼とは対等ではない気がして
彼との境界線を越えようとしたときに
断ってしまったのです。
私と彼は住む世界が違いすぎる、そう感じました。
それからの事、私の人生に彼はいませんが
怖くてもいい、失敗しまくってもいい
それでも自分の本音で向き合う事。
大人になって彼に改めて振ってもらいましたが
私は今でもこれについては後悔し続けています。
だからお願いです。
隣にいつもいる人ほど、いなくなるリスクがあること。
わかってるでしょ、と思わないでほしい。
言わないといけないタイミングもあるのです。
今、私が
"私のためにいきて” なんて言える人も覚悟もないです。
まともな恋愛はきっとまだまだ先だと思いますが、
彼はもう戻っては来ませんが、
いつかできる大切な人には後悔しないように
大切だよ、と言葉に出してください。
隣にいるならば抱きしめてください。
何があっても壊れない関係…はすごくむずかしいのです。
ササノハ
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