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海外カンファレンスで登壇してみた話

今回いろいろなご縁がありGopherConAU というシドニーで行われたカンファレンスで登壇をしてきました!
準備やプレゼン自体は大変なこともありましたが、個人的にはとても良い経験になりました。「海外カンファレンスに登壇してみたいけど、どんな雰囲気なんだろう?」と思っている方の参考になればと思い、備忘録として書き残します。どなたかの参考になれば幸いです。



登壇のきっかけ

今回の登壇のきっかけになったのは Women Who Go Tokyoのイベントからでした。
イベント中に「GopherConAU でスピーカーを探しているらしい」という情報を聞き、面白そうだなと思い、運営の方とつないでもらいました。その後、簡単なタイトルと内容をまとめて提出し、採択されました。

テーマに関して

ちょうどそのタイミングでGomobileについて調べたり、使ってみていたことと、意外と日本語の記事は出てくるけれど英語の方が記事が少なそうだな…と思いこれをテーマに深掘りしてみようといった形で選びました。
ただ公式で Experimental だぞと言っている通り、バージョンによって動かなかったりバグがあったりとなかなかデモ用の簡単なアプリを作るのも大変だったのですが、それはここでは割愛します…

英語で登壇する準備

さて、やはり海外カンファレンスなので英語で登壇しなくてはならない。ということでここからはどういった準備をしたのか?という話をしていきたいと思います。
※英語プレゼンと言っても色々なやり方があると思うので、私自身でやりやすかった方法を紹介しています

使ったツール

  • ChatGPT
    みなさんご存知の生成AIチャットボットです。
    スライドの英語表現を短くする際や、より良い表現を探すのに活用していました。生成された内容が意図とずれていないかの確認は必要です。

  • Otter
    英語音声を文字起こしするツール。プレゼン練習時の内容を文字起こしして確認するのに使いました。

  • snappify
    コード挿入やハイライトが簡単にできるプレゼンテーションツール。今回はコードを見せることが多かったのでこちらのツールを使いました。スピーカーノートもあるので、そのままプレゼンテーションに使用することができます。

スライド作成

スライドの作り方は日本語の時とほとんど変わらないとは思いますが、気をつけた点をいくつか書いておきます。

  • 一番伝えたいことを最初に
    聞いている側は「このプレゼンで何を聞けるのか」を知りたいはずです。冒頭で目的や概要を簡潔に伝えることを意識しました。
    今回の他の方の発表の中には、導入などがなくいきなり話に入ることでワクワク感を演出させるようなやり方のプレゼンもありましたが、私にはレベルが高すぎたので着実に伝えていくことを選びました…。

  • 文字を書きすぎない
    これは特に日本語でスライドを作った後に英語にすると起きがちな問題なのですが、どうしても日本語と同じ情報量で英語にすると文字量が多くなってしまうのですよね…。主語を省略したり、記号を活用したりして、簡潔な表現を心がけました。
    例:
    前) You have to specify version 2.0 or higher.
    後) Specify version 2.0+

  • コード・図を使用する
    コード・図を使用し視覚的に伝えることで、例え話している内容が少し分かりづらくなってしまったとしても「今はこのコードの解説をしているんだな」「この図の説明をしているんだな」と分かってくれるはずなので、使えるところはなるべく使いました。

  • 目次を書く
    現在の進行状況を分かりやすくするため、目次スライドにハイライトを加えました。

スクリプト作成

ここからは、話す内容のスクリプト作成についてお話しします。
まず、スクリプトが必要かどうかは本当に人それぞれだと思います。ただ、私は発表時に緊張で英語が全く出てこなくなってしまったので、スクリプトを用意しておいて良かったと思っています。ただしスクリプトを用意してしまうとめちゃくちゃ読んでいる感じが出てしまうので、なるべく読んでいない感じを出すための練習をしました😇

スクリプト作成の流れとしては、次の手順を踏みました:

  1. スライドの内容をもとに話すポイントを箇条書きで書き出す
    各スライドごとに伝えたいことを簡潔にまとめました。

  2. 箇条書きをもとに実際に声に出して読んでみる
    この段階で「文章としては自然でも、話すと違和感がある部分」に気づきました。

実際に話してみると、英語の文章として書いた内容がそのまま話すのに向いていないことが分かりました。例えば

  • 文章が長すぎると一息で言い切れない。

  • 発音しづらい単語が多いとリズムが崩れる。

  • 繋ぎ言葉(例: "And," "So," "Let's move on to the next slide")がないと、話がぎこちなく感じる。

こうした課題を解決するために、スクリプトを声に出しながら練習し、微調整を繰り返しました。話しやすさを重視して、文章を短く区切ったり、シンプルな表現に置き換えたりすることで、徐々に自然な流れに近づけることができました。その際にとても役に立ったのがOtterというツールです。

ホーム画面はこのようになっており、Recordボタンを押すことで録音が始まります。

Otter

録音された音声は全て書き起こしされるので、自分の話した内容を確認することができます。この内容を元にスクリプトを作っていきました。

話す練習

さて、スクリプトもある程度できたところで話す練習に移っていきます。
スクリプト作成のところでOtterを使用したというお話をしましたが、このツールでは過去に録音した内容を文章ごとに再生できる機能があります。この機能を活用し、「練習した内容を録音する → 録音を聞いてスクリプトを修正する → 話すテンポや間を調整する」というサイクルを繰り返しました。
こちらは最初に練習したものの一部ですが、途中で言葉に詰まったり、話が止まってしまう箇所があるのが分かるかと思います。

Transcriptの一部(Otter)

こういった部分を見直しながら、スクリプトの文章を調整し、より自然に話せるよう練習を重ねました。
またOtterのもう一つの大きな利点として、「要約機能」が挙げられます。この機能では、話した内容を見出し付きで箇条書きの要約として出力してくれます。この要約を参考にすることで、自分が伝えたい内容と実際に話した内容の間にズレがないか確認することができました。

Summaryの一部(Otter)

その他の練習としては、とにかく他の人に見てもらうということに尽きると思います。英語に限らず自分では話していて気づかなかった・分かりづらかった部分に気づくことができるので、何人かに見てもらうことをお勧めします。

登壇してみて

ここからは実際に現地に行ってからのお話をしたいと思います。

日程

日程は一般的なカンファレンスと同様、3日間に渡って行われていました。

11/6: Workshop Day(Dry Run)
11/7: Conference Day 1
11/8: Conference Day 2

Workshop Dayは別会場で開催され、カンファレンス会場では「Dry Run」と呼ばれるリハーサルのような準備が行われました。ただし、このリハーサルでは発表全体を通して行うわけではなく、主にパソコンの接続確認や会場の下見など、軽いチェックが中心でした。
この時間があったおかげで、発表の雰囲気を掴むことができたほか、デモを行う予定だったため、画面の切り替えがスムーズにできるかのチェックも行え、とても助かりました。

会場

今回参加したGopherConAUは、以前まではシドニー大学の教室を借りてやっていたらしいのですが、今年からなんとホールに変わっていました。

会場

思ってたよりも広い!!!
ここの手前に小上がりの舞台があり、また今回は発表は1レーンだったためカンファレンスに参加する人全員がここに聞きに来ることになり、「あれ、大丈夫かな…」と不安になりました😇

発表に関して

さて、発表に関しては練習した通りにやっていき、大きなミスはなくできたのかなと思います。ただデモをやる時にマウス操作が求められるものであったため少し手間取ってしまったり、画面を切り替えたためスピーカーノートがいなくなってしまうことなどがありました。そのため、読む練習だけでなく画面切り替えの練習もしておくべきだったかな…といったところはありました。
発表したテーマに関しては予想よりもGomobileを知っていたり、使ったことがある人が多かった印象でした。また発表の後に声をかけてもらうこともあったので発表して良かったかなと思いました。

他の方の発表に関しては、自分が今まで参加してきたカンファレンスに比べて聞き手に問いかけたり、クイズ形式で当てたりといった巻き込み型?のプレゼンが多くあったのが印象的でした。またドローンを使ったデモもあったりで、とても楽しめました。(録画も出るはずなのでぜひ見てください!

ドローンでデモをしている様子(分かりづらいですが真ん中奥に飛んでいます)

カンファレンスの雰囲気

参加者は海外から来ている人は少ない印象でしたが、登壇者はいろいろな国から来ている方が多かったです。
ホール出口のところに会社のブースがいくつかあり、ロボットのデモをやっているところもありました。またノベルティなどは割と少なかった印象でした(日本のカンファレンスのノベルティが多いだけなのかもしれません😇)
そしてバリスタさんが提供するコーヒーもあり、やはり人気で長めの列ができていました☕️

その他アクティビティ

スピーカー・スタッフ向けのアクティビティもいくつかあり、登壇された他のスピーカーの方ともお話しすることができました。
シドニーということで海に近く、スピーカーディナーはクルーズ船で行われました!

スピーカーディナー会場

アフターパーティでは生のライブ演奏もありました。
途中からはみんなダンスをし始めていました💃

ライブ演奏の様子

別日にはビーチへ行ったり観光したりするアクティビティを用意してくれていたので、たくさん交流する時間もできとても楽しめました。

Manly Beachの様子

その他

登壇までのメンタル

私自身、これまであまり登壇経験がなかったため、「自分なんかが登壇していいんだろうか?」「失敗したらどうしよう」という不安がかなりありました。しかし、他の人にスライドを見てもらったり、練習を重ねる中で、「ここまで準備したなら大丈夫。たとえ失敗しても次に活かせばいい」と前向きな気持ちに変わっていきました。振り返ってみると、本当に貴重な経験ができたと感じています。興味がある方は、ぜひ海外カンファレンスにチャレンジしてみてください!

ちなみに上記の理由で1ヶ月くらい前から本番まで不眠症のような症状が続いてしまったので色々入眠に良い方法を探していたのですが、YoutubeやPodcastにある入眠用のラジオ(私は佐藤まなさんの『おやすみラジオ』をよく聴いていました)がとても効果がありました。また入眠用では全くないですが、『葬送のフリーレン』を聞き流していると1話が終わるあたりで寝てしまうということに気づき、直前はほとんど聞きながら入眠していました。

シドニーの環境

今回初めてのオーストラリア・シドニーでの滞在となった訳ですが、滞在していた期間(11月の初めあたり)は日本とほとんど気温が変わらずカラッとした天候が続き、とても過ごしやすかったです。南半球に位置するため、これから本格的な夏を迎える直前で、ちょうど良い時期だったのかもしれません。シドニーは東海岸沿いにあり、中心地からでもビーチや山にアクセスできるため、都会でありながら自然を感じられる非常に魅力的な環境だと感じました。
自然が多いためか、野生にいる生物が軒並み大きかったので生活するとなるとそこは覚悟が必要だなと思いました…😇

全長20~30cmくらい?の巨大なトカゲ(たぶん)

またカンファレンス中にシドニーで働いている方に、「来週まで滞在していたら会社見学してもらいたかったのに」という話もいただきました。そのため、現地で働きたいと考えている方にとっても、カンファレンス参加・登壇はコネクションを作る良い機会になるのかもしれないと感じました。

最後に

ここ半年登壇の準備・別カンファレンスのスタッフ業など怒涛の忙しさでしたが、今回チャレンジしてみて本当に良かったと思っています。またコロナ以降、新しい人に会う機会が極端に減っていたので、その点でも多くの刺激を受けることができました。またいつかパワーアップしてチャレンジしてみたい!とは思いつつも今年はもう疲れちゃったのでまた来年から頑張ろうと思います。おわり。

参考リンク・リソース一覧

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