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「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」へのご感想をいただきました!(2)
皆様こんにちは。当地は現在夜ですが、夕方に息子の剣道稽古に出向いたら虹が出ていました。
皆様にもおすそ分けをば…
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荒れ模様の天気につき、降ったり止んだりの雨のお陰で出た虹ですが。
良い一日になりますように!
交流させていただいている花丸恵さまが、「おやこ見習い帖」のご感想を記事にしてくださいました。たいへん心の籠もった、豊かな感性が滲み出るような内容です。よろしければご覧くださいませ。花さま、ご多忙のところお時間とお手間を頂戴し、ほんとうにありがとうございます☆
(ネタばれとなる内容はないかと思いますが、若干物語の筋にかかわる部分がありますので、本作をお読みくださっている方には読了後にご覧になるのをお勧めします)
主人公と彼にかかわる人々の運命に深くお心を寄せ、彼らの喜び悲しみを我がことのように感じてくださっているのが伝わってきます。
現代よりもはるかに縛りの多い人生を送っていたはずの当時の人々。ごまかしや逃避が許される余地は少なかったに違いない(社会から逸脱することを選ばない限り)。どっちつかずでモラトリアムを過ごす贅沢は、一部の人にしか許されていなかったはず。
そのため、この時代を描く時には、人の心の動きが鋭く、濃密に、鮮明に浮かび上がってくるように思います。花さまのおっしゃる「人情」とは、まさにこの部分にかかわっているのではないかと感じました。
現代よりも寿命は短く、不治の病も多く、命は儚い。「命がけ」で生きている緊張感は、現在の我々よりもずっと強かったのではないかと想像します。(ただ、時間の感覚は今よりずっとゆったりしていましたけれども)
読み手の背筋が伸びる、と花さまがおっしゃるのは、そうした切実さ、偽りのなさが率直に表現されるからなのではないかと。
感情を鈍らせて、薄めた感情表現で自分の心の動きをやり過ごしてしまえる現代人の目には、そこにはっとするような清々しさや鮮烈さが存在して見えるのではないでしょうか。
まぁ「命がけ」の物語もあんまり突き詰めるとしんどいので、「深川あやかし屋敷奇譚」のようなちゃらんぽらんあやかしコメディーも書きたくなるんですが。このお話は、アルファポリス第8回歴史・時代小説大賞の期間中、「調べ、かき鳴らせ(「おやこ見習い帖」改題前の題名)」を書き終えた際、
「久弥と正反対の無責任でチャラい主人公が書きたいなぁ」
と無性に思って急遽書き始めました(!!)。
見切り発車もいいところで、案の定毎日徹夜作業になり泣くはめになったのですが。
しかしずっとちゃらんぽらんした物語を書いていると、またあの「命がけ」の世界が恋しくなってくるんですよね。
生々しく鮮烈な、濃い感情の動く物語が恋しくなる。そういう感覚で物語を書いております。
花さま、繊細で心の籠もったご感想をほんとうにありがとうございました!
登場人物たちの内面までも愛情込めて見詰めてくださり、とても嬉しく存じます。
貴重なお時間を頂戴し、心より感謝申し上げます。