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「おやこ見習い帖」へのご感想をいただきました!(15)

 連投にて失礼いたします。
 発売からそろそろ三ヶ月ほどになります本作、お手に取っていただきほんとうにありがとうございます!どうぞ末永くお楽しみいただけたら嬉しい限りです。
 さて、noteで交流させていただいている花風さまが、ご感想を記事にしてくださいましたのでご紹介いたしたく…

 花風さま、俳句を嗜んでおられ、エッセイや書評も味わい深くてたいへん読み応えがあります。noteには詩や俳句、短歌を嗜む方もよくお見かけしますが、緊張感の漲る、密度の濃い文章をお書きになる方が多いと思います。読み手を意識して書く小説(特にエンタメ小説)とは異なり、詩や俳句といったものはもっと自分自身とぎりぎりで対峙しているからでしょうか。率直で贅肉のない表現に息を飲むことが度々あります。

 花風さまのように俳諧に造詣が深い方は、本作に登場する長唄から感じ取るものがさらに多くていらっしゃるのだろうなと思います。作中の長唄の場面について、「口に出せずにいることをその音色と歌詞は救ってくれたように思います」とおっしゃってくださっていますが、花風さまにはどのように聞こえていたのかなぁとあれこれ想像します(古文や俳句をもっと学ぶのだった!と思います)。

 また、「与えてやれるものがある。それはなんと幸せなことだろうか。」
「これまでの人生を懸けて精進し、血肉の一部としてきたものが、共に暮らした日々を通じ、血のつながりを超えて青馬の内にも残されていると信じている。」
 という部分を挙げて共感してくださり、嬉しい限りです。どちらも思い入れのある文です。
 この部分は久弥の価値観を端的に表していますが、改めて読み返してみると、宗靖とは似ているようで違うな、と面白く感じました。
 本編から話が逸れますが、前記事で触れた宗靖の前日譚を執筆していて思ったのは、宗靖も久弥も身動きとれない立場で生きてきたという点で非常に似通った部分があるということ。自分を律することに長けているので(宗靖はわりとストレートに物を言いますが)、思考の仕方も似ている。ただ、久弥は個人として情のある相手に愛情を与えたいと願っていますが、宗靖は自身を公的な立場で生かしたいと願い、そこに生きる価値を見出している人物です。行動の違いがそこに出てきますね。人の価値観というものは面白いなぁと思います。
 花風さまも宗靖を気に入ってくださっているご様子、番外編を楽しんでいただけたら幸せです!
 
 あまり歴史時代小説はお読みにならないにもかかわらず、本作をお手に取ってくださり、まことにありがとうございます。
 お心の籠もったご感想、心より感謝申し上げます!
 
 


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