あのこ、いじわるだねぇ?から考えた3歳の気持ちとラベリング
公園でお友達と遊んでいた3歳長男が駆け寄ってきて言った言葉から、気持ちのラベリングについて考えました。
「あのこ、いじわるだねぇ?」
公園で長男の口から出た言葉に、ドキッとしました。
そんな言葉を彼が言うのを聞いたことがありません。
ネガティブな言葉を、しかも他人に使ったことに衝撃を受けました。
(もっと成長した4歳とか5歳くらいなら、すんなり受け入れられたと思います。まだまだ赤ちゃんに毛が生えたくらい・・・と思っていた3歳からその言葉が出たので驚いてしまったのです。)
何があったのか、よくよく話を聞いてみました。
すると、お友達(以下、A君とします)が持っているおもちゃを貸してほしくて「かして」と言ったのに貸してくれなかったとのこと。
まずは、叩かれたとか壊されたということではなく安心しました。
次に思ったのは、なんて言おうかな?ということ。
それが意地悪でないと私にはわかるけれど、彼にはわからない。
もう少し話を聞いてみることにしました。
3歳の気持ち
—お母さんにもう少し教えてね。君の思う意地悪って、どういうこと?
「うんとねー、おにがきてー、いやなことをするの!」
—いやなことってどういうこと?
「えっと、おもちゃをとっちゃったりー、いたいことするの」
—A君は、いやなことしたの?
「かしてくれなかったの!あそびたいのに!」
何となくわかってきました。
なにぶん3歳なので語彙が少なく(鬼も登場しているし)、彼の言った言葉から私が推測したことになりますが・・・、
彼はおそらく、他の人の働きかけによってイライラや悲しいなどのネガティブな感情になったときに、その人のことを「いじわる」と表現しているのでした。
3歳に伝えたこと
では、意地悪とは何か?
わざと人を困らせたり、つらく当たったりすること。また、そのさまや、そういう人。(小学館デジタル大辞泉)
うん、A君は意地悪ではないですよね。自分のおもちゃを貸さなかっただけですから。
そこで、3歳に伝わるかな、どうかなと悩みながら伝えた言葉がこちらです。
—あのね、意地悪って、わざと他の人の気持ちや体を傷つけたり、物を壊したりっていう嫌なことすることだよ。
A君は、自分のおもちゃで遊んでいるだけだから意地悪ではない。A君のものだから、貸すも貸さないもA君の自由。君が「かして」と言って、A君が「かさない」と言った、ただそれだけのこと。
もしどうしても貸してほしいなら、
僕のおもちゃと交換こしよう、とか
遊び終わったらあとで貸して、とかお話ししてみようか。
それでもだめなら諦めよう、あれは君のものではないから。
—意地悪って言葉は、その人がわざと嫌なことをしているという意味だから、人に向かって使うときはよーく気を付けなければいけません。その人を傷つけてしまうと、君の方が意地悪な人になってしまうからね。
—それと、君の今おなかのあたりにモヤモヤぐるぐるしている気持ちがあると思うんだけど、意地悪という言葉で外にぶつけるんじゃなくて、内側をよーく観察してみるといいと思うよ。
たぶん、
・おもちゃを貸してもらえなくて悲しい気持ち
・貸してもらえると思ってたのに裏切られた気持ち
・言うことを聞いてもらえなくて悔しい気持ち
なんかが混ざってるんじゃないかな。
長い!!3歳は絶対わかってないですよね。
でも何かが引っかかっててくれるといいなと思いながら話しました。
(実際、話しているうちに興味がそれて蟻を探しに行きました・・・。もっと良い伝え方があったはず。失敗。)
今回の件で気づいたこと
今回の件で気づいたことが三つあります。
一つ目は、よくよく思い返すと私も意地悪という言葉を使っていたこと。
これは大いに反省しています。
逆のシチュエーションで、息子がお友達に自分のおもちゃを貸さなかった時。私は「いいじゃない、意地悪しないで貸してあげなよ」と言ったことがありました。これは意地悪ではないですね。
彼の気持ちを尊重しつつ「まだ遊びたいんだよね、もう少し遊んだらお友達の順番にしようか」「あっちのおもちゃを貸してあげたら」などの声掛けをしていきたいと思います。
二つ目は、3歳は気持ちのラベリングが未成熟なので、親が早めに手当てする必要があるということ。語彙もまだ少ないし、段々複雑な感情が芽生えてきて、おそらく自分でもそれをどう表現したらいいかわからないんです。
それがもし大きすぎるラベルやちょっとずれたラベルだったりしたときに、親が早めに気づいて、それはこういう気持ちなのかな?と少しヒントをあげると、気持ちと表現が一致させることができて良いのではと思います。
三つめは、気持ちや感情を表す私自身の語彙が少なくなっていること。育休で大人と喋る機会が少ないからか、忙しさにかまけて自分の気持ちと向き合うことをおろそかにしているからか、それこそ「モヤモヤ」とか「ぐるぐる」を多用して、あまり気持ちや感情を表す言葉が出てこなくなっていました。
子どもの心の成長と向き合うためにも、今後は意識的に自分の気持ちと向き合って言語化する訓練をしていきたいと思います。