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夫は私の料理を食べない

結婚10年。新婚時代から夫は私の料理を食べません。

自分ではもう慣れてしまって心がザワつくことはありませんが、
人に話すと割と驚かれますので、ちょっとそのことについて書いてみます。

結婚前から料理不得意という自覚はありました。
母は料理上手なので、自分で作るより母の料理を待ってたほうが美味しいご飯を食べられる、ということも影響したのかもしれません。
レシピ通りに作ってもなんだかイマイチ・・・。特に火加減が苦手です。

結婚前の顔合わせの際は、両親が夫に向かって「この子は料理が下手なので、ご容赦ください」と言ったほどです。
(ご容赦って何じゃそりゃと思いますが、まあ両親の世代からするとそういう感覚なのですね)

元から料理不得意は開示していたこともあり、夫も「ああ、そうですか」と受け入れ新婚生活が始まったわけなのですが。

苦手ながら頑張って作るものをみな拒否されるのです。
「ひと口だけでも食べてよ」と言うと
本当にひと口だけ箸をつけて残すのです。

理由を聞くと
・苦手な食材がある(夫は好き嫌いが多い)
・美味しくない(味、火加減)(私の中では許容範囲)
とのこと。

さらに話すと、

・そもそも君の料理を求めていない
・料理が苦手なら無理に頑張る必要ない
・君には圧倒的にセンスがないのでそこに力をかけるべきではない
・レトルトでも冷凍食品でも外食でも、何でも使えばいい

とのことでした。

うーん、筋は通っている。
でもモヤっとする。

たぶん、料理そのものではなくて「あなたの為に料理したんだ」という私の気持ちを受け止めてもらえなかったことが寂しかったのだと思います。

ひと言感謝の言葉を添えるとか、すまなそうな様子を見せるとか、やりようはあると思うのです。それを私に対してしなかったことが寂しいし、軽視されているように感じました。

ただ、もう少し考えると
料理不得意なので求めないでと言ったのは私。夫は私の希望通りにしてくれた。
求められていないのに、下手な料理を作ったのは私。押しつけになっていたかもしれない。
軽視されているように感じたけれど、夫がそう言っているわけではない。私の被害妄想かもしれない。

と、冷静になれました。

そこで「私の作る料理と私は別物であって、料理を食べないことと私を拒否することは違う」と考えを変えることにしました。(傷つかないための防衛本能かもしれません)

そして試行錯誤の末、私の作るものは食べないという今のスタイルに落ち着きました。(平日の朝食は食べずに出社、夕飯は基本外食。今はテイクアウト。週末はデリバリーや冷凍食品を活用、あと鍋物などが多い。)

初めから夫に食べてもらおうと思っていないので傷つかない。私と子どもの分だけ作ればいいので、楽と言えば楽。

あと、最近はホットクックのレパートリーが増えたので試しに夫にもおすそ分けしたら、稀に食べてくれるようになりました。(夫は玉ねぎが苦手なので大抵のレシピはNG・・・)食べてくれると、やっぱり嬉しいものですね。

期待値をゼロにしておくと、あとはプラスになるだけなので精神衛生上良いです。

夫の良いところを補足すると、夫は結婚してから自分で料理をできるようになりました(いつもではない)。
結婚前は米を炊けない・卵を割れない・リンゴも剥けない人だったのですが(にわかには信じられず、家庭科の授業でやらなかった?と聞いたら「男子校だったので授業自体なかった」と。そんなことあります?)、今やその気になれば焼豚やビーフシチューも作れます。結構美味しいです。

もし料理上手な人と結婚していたら、彼はそのスキルを獲得していなかったかも。そう思うと、私と結婚して良かったですね。

ちなみに私には息子が二人いますが、
・自分で料理できるようになろう
・人に作ってもらったものは文句言わず食べよう

と教えるつもりです。
やっぱり、その方が周りの人を幸せにすると思うからです。


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