「中通ヒルズ」あとがき
秋田のエンタメを盛り上げていきたい!という気持ちで立ち上げたプロジェクト「ササキとゴトウ」第1回公演「中通ヒルズ」の公演が5月5日.6日の2日間3公演全て無事終了いたしました。
千秋楽ではアフタートークも行い色々裏話もしましたし、今回の企画はYouTubeねじチャンネル内でドキュメンタリーを動画配信しているのでもう語り尽くしてそうなもんなんですが、やっぱりまだまだ語り足りないので書き散らしていきたいと思います。
まず思い返せばおよそ2年前、僕が1人で秋田にAターンしてきた最初の1カ月の事。ABSラジオのエキマイクという番組で「ササキが話したい秋田の先輩を呼んで話して下さい」というワンコーナーをやらせていただきました。そこでゲストとして呼ばせていただいたのがゴトウモエさんで、その時軽く「なんかコントと演劇の中間みたいな舞台も作ってみたいんですよねー」と話したのがはじまりでした。
それから少しして、秋田市の移住者向けWEB番組でカメラをしていたMUNEさんと出会い。自分達の宣材写真やライブの写真とかの撮影を協力してもらいながら「なんか面白い事したいねー」とか言ってる中で出てきたのがオーディション番組形式の企画でした。
そして去年、ねじの単独ライブでにぎわい交流館さんを使わせていただいた時に「秋田の若い表現者を育てていける様な企画がしたい」って話をしたら、まさかの協力体制に入っていただける話になり…。
最初はホントにタダの雑談だったモノが、だんだん大きくなっていつのまにか後に引けなくなって行きました。
そして本番を終え、お客さんや関係者の皆さんから寄せられるコレからの期待の声で更に後に引けない気持ちは大きくなっています。
コレからの事なんて一切考えずに目の前の事だけを考えて走って来たので、一気に視界が広がって戸惑っている感もありますが、まだまだ走っていいんだと思うとワクワクします。
今後もYouTubeで舞台裏の様子なんかがアップされると思いますし、本編も映像コンテンツ化して皆さんの元に届けれるかもしれませんのでお楽しみに。
本番前の最終稽古の様子なんて、今見るとまた面白いですよ↓
そして、ここからはもう語る機会も少なくなりそうだからメンバーについても語らせていただきたいと思います。
有坂拓哉くん、彼は元々ただのねじファンでライブや配信を見に来てくれるお客さんとして知り合いました。そんな彼がオーディションに参加して舞台に立ってしまう。まさに今回の企画の意味を体現してくれる様な存在でした。学生演劇として舞台の経験はあるけど、プロの舞台に立つのはもちろん初めて。まさに中通ヒルズドリームを叶えた人間なわけです。冷静に考えるとちょっとイタイコだなーとも思うけど、人生を変えるには時に常軌を逸した情熱が必要なんだなと改めて教えてくれました。ありがとう!
佐藤優果さん、オーディションで彼女を見た瞬間にバーっとコントの設定が浮かんでいったのを覚えています。それは彼女の華だと思うし他の人には真似出来ない持って生まれた才能だと思います。ただ、実際に稽古に入ってビックリしたのは彼女が全くの舞台未経験者だった事。基礎から教える時間は無いので、とにかく才能で走り切ってもらうしか無い。手を替え品を替え言葉を伝えていきました。おかげで人に説明する能力が少し上がった気がします。ありがとう!
あと終演後、見た事無いくらいの笑顔で笑っていて「あ、今までずっと緊張してたんだな」と思いました。
村形歩乃佳さん、オーディションの時に彼女の動きのキレを見て我々のネタ「女子力」をやるなら彼女だなと思いました。女優志望でダンスの経験もある彼女でしたが、声を張る芝居やパワーで押していく表現には初挑戦だったようで苦労していました。オレは最初に見た時から演じきれると信じていたので逆に歯痒い気持ちにもなりました。あと、本人は自覚無いですが大喜利の才能があると思うのでまた何か出来たら嬉しいです。まあ、コレからも表現の仕事を続けていきたい様なのできっとまた何処かで会う事でしょう。ありがとう!
それから、よかったら「とびまめ」呼んで下さいね。
尾樽部和大さん、なんつったって元劇団わらび座のプロ中のプロ俳優。最初、オレの台本や演出でやってくれるのかな?大丈夫?って思ったのを覚えてます。しかし、彼がオーディションに参加してくれたという事実は秋田エンタメの停滞を一歩進める事に繋がると思っています。どんなに積み上げて来た実績があっても挑戦する事をやめてしまったら必ず衰退していきます。そんなチャレンジの場として、オファーを待つのでは無く、合否をこんな芸人に託してくれた事。尊敬以外の言葉が見つかりません。だって確実に誰よりも不合格のリスクデカいよ?なかなか真似できる事ではありません。ありがとうございます!
さとーこうすけ、こいつはキモかったねー。彼は普段ピン芸人として活動しているんですが、話せば話すほど気味の悪いヤツで、マジで最高でした。「演じる」という事と「自分」というモノが何より大好きな彼は秋田で人知れず1人コントをやり続けいつの間にかとんでもない変態芸人になっていました。ねじの台本との相性も良い気がするので、コレからも何か一緒にやれたら良いなと思います。ありがとう!キモイぞ!
ささきあみさん、彼女は演者としてだけでは無く制作補佐としても頑張ってくれました。影に日向にご苦労様でした。演者としては「クリエイティブ」と言う壁にぶつかり苦労して、その苦労する姿はまさに今回の企画のドキュメンタリー部門のヒロインになりました。オレ自身、彼女とは今までも別現場で顔を合わせては話したりする仲だったので、最初は逆に変な気を使ってしまったのを覚えています。でも、彼女がぶつかった表現の壁は演劇では無くコントだったからこそ浮き彫りになったモノで、演劇畑の人間がコントに挑戦する意味みたいなものを体現してくれる形になり、僕にも多くの気づきをくれました。ありがとう!
伊藤楓菜さん、オーディションで見た時にずば抜けたコメディエンヌの才能を感じて、きっと彼女ならどんなポジションでもやってくれるだろうと思いました。彼女は関東在住なので稽古への参加が遅くなりましたが、その辺のタイムラグはすぐに無くなる程実力がありました。だけど、稽古を重ねて行くと徐々にその得意ジャンルと不得意ジャンルがはっきり分かって来て「そっか、この子はまだまだコレから成長する人間なんだ」と思わされました。今回の舞台で何か一つでも持って帰ってもっとデカいバケモノになって会える日を楽しみにしています。ありがとう!
本間凌さん、彼は間違いなく今回のシンデレラボーイなんじゃないでしょうか?元々劇団に所属していたのもあるので、既にご存知だった方も多かったかも知れませんが、確実に今回の舞台で知名度は上がったと思います。元のキャラクターもありますが更に台本も相まって確実においしいポジション。それによって上がりきったハードルを超えていくのは本人もかなりプレッシャーだったと思います。おかげで舞台が終わる頃には頭頂部がかなり寂しくなっていました…。というノリを受け入れてくれた器の大きさに感謝しています。ありがとうございます!
せじも、彼について今更何も言うこともありませんが、今回の舞台は我々ねじを知らない人の目にも届いたと思うので、彼のコメディ俳優としての才能が1人でも多くの人に知られたら幸いです。いつの間にか頼りになるおじさんになったなぁー。
そして、ゴトウモエさん。まずは今まで秋田で燻らずにメラメラと滾らせていてくれてありがとうございます。そして、ササキに目をつけてくれてありがとうございます。先んじて秋田で舞台を盛り上げようとしていた人間にとって、ねじは必ずしも快い存在とは限らないと思います。刺激と捉えてくれるか、外敵と捉えるかはその人によります。そんな中、オレの台本と演出を完璧に信頼してサポートに回ってくれるなんてなかなか出来る事ではありません。その上、制作としては完璧中の完璧で何一つ不自由する事無く最後まで走り切る事が出来ました。そりゃ泣くよ。ありがとうございました!コレからもよろしくお願いします!
音響照明さん、演劇や音楽のジャンルで一流のスタッフさんだったので心配はしてませんでしたが、お笑いの舞台はなかなか雰囲気が掴みづらかったと思います。最後の最後までオレのイメージを汲み取っていただきありがとうございます!
フロアスタッフのみなさん、お客さんからこんなに評判の良いスタッフさんはなかなか珍しいです。お客さんにストレスや不自由が無い事だけでも、スタッフ側としては気を巡らすのが大変だったと思うのに、更に痒いところに手が届く気配りは本当に頭が上がりません。
感謝し出すときりがないので、最後にMUNEさん。彼との出会いが今回の企画にとって1番の財産だったと思います。舞台と映像と言うのは畑が違うから同じ志しを持った人間に出会う事は容易ではありません。ササキを面白がってくれてありがとうございます!
んー!まだまだ書き足りないですが、あとがきとしてはボチボチ締めたいと思います。
出会いの中で思い付いたネタをかき集めて繋ぎ合わせて出来たのが今回の中通ヒルズ。
秋田には実際まだ無いけど、あったら嬉しいなと思うような架空の複合施設。それはまるで、こんな舞台あったらいいなと思って作った今回の企画を表すような建物になりました。
そんな中で繰り広げられる人間模様、そこには自分の小さな都合で争いあったりする人間や、カッコつけて身動きが取れなくなっている人間、我が道を生き他人と関わるのが難しくなっている人間、みんなの足を引っ張る人間達のドラマが複雑に絡み合っていました。なんだかまるで秋田だなーと思ったりする中で、最後にみんなを一つにして導くのは新時代。
いやーよく出来てるわ。誰が考えたんだろ?と自分でも思うくらい奇跡的な作品とムーブメントになりました。
だからね?みんなの気持ちは分かるんだけど、次回作を!って言われてもね?次にどんな作品が作れるかなんて次回になってみないと分からないのよ。
でも、コレだけは確実に言えます。
次回作を作る時のオレも自分に才能があるなんて勘違いせず、最後の最後までみんなに楽しんでもらえる様に努力して作品作りに向き合っているでしょう。
そして、誰よりも舞台を楽しんでいきます。
自分が大好きな「お笑い」のチカラを信じて生きていきます。
では!中通ヒルズ!一旦コレにて!
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