ねじロックフェス2024 あとがき
2024.8.25
「オレたちは地元でお笑いのフェスを開けるくらいになりたいんだ」と言って18年過ごした東京のライブシーンに別れを告げて4年。
ようやくその第一歩となる日を迎える事が出来ました。
「ねじロックフェス2024」
1200人以上のお客様がにぎわい広場に集まり、ライブを盛り上げてくれました。
まずは来てくださったお客様に感謝です!!
そして、オレのワガママに付き合ってくれたスタッフの皆さんには本当に感謝してます。
ほとんどの大人がタダ働きどころかお金を払ってまで働いてくれました。
もうほとんど学園祭みたいでした。
もしかしたら、運営的にいろいろ至らない点があったかもしれません。
でも、本当にみんな全力で協力してくれました。
誰も悪くありません!何か不備があったとしたら全部オレの責任です!
【若手バトルライブ】
12時。まずは若手バトルライブからスタート。
全部で8組の芸人が舞台を盛り上げてくれました。
我々が主催する秋田730LIVEに出演してくれてる若手メンバーが中心になって、この後開催されるゲストとのライブに一緒に立てる一枠を争いました。
今回のフェス。豪華なゲストに目を奪われがちだと思いますが、自分としてはこの若手バトルコーナーこそ「秋田にお笑い文化を」というコンセプトの胆になっていると感じています。
秋田でもお笑いは出来る。
秋田でも目指すべきステージがある。
そう思ってもらいたい。そういう存在にこのフェスを持って行きたい。
みんなキラキラした目で舞台を楽しんでくれました。
優勝したのは、さとーこうすけ!秋田でコツコツやってきた変人が少しだけ報われた瞬間だったかも知れません。
東京から深夜バスに乗って参加してくれた、モチダとまきしまきお君も本当にありがとう!まだまだ舞台自体が不慣れなメンバーも多い中、ライブのレベルを一気に引き上げてくれました。
【柴田トオルLIVE】
秋田県産シンガーソングライターこと、秋田で出来た一番チャラい友達の柴田にミニライブをやってもらいました。
彼の明るいキャラクターはお笑いライブの合間にあっても絶対に輝くと思ったし、何より彼の歌声を信頼しているのできっと初めて見るお客さんも虜にしてくれると思っていました。
9月には彼も勝負のワンマンライブを控えています。
この日一人でも彼の事を知ってくれる人が増えたら嬉しいです。
【ゲストライブ】
いよいよ!待ちに待ったゲストライブです!
若手LIVEの敷居を上げるためにも、あえてココからが本編です!みたいな演出と言い回しにしました。
出れなかった若手には悔しがって欲しいな。
興味ない人もいると思いますが、出囃子にもスゴイ拘りました。音楽もフェスを意識して全組違うアーティストの曲を使ったり、自分なりに意味をもって選曲したので合わせて語らせてもらいます。
オープニングは「ロックンロール・マジック/ザ50回転ズ」
オレはこのフェスに込めた気持ちみたいなのが全部入ってる曲なので是非聞いてみてさい。
大好きなお笑いで何かを変えたい。そんな感じ。
さて!トップバッターは若手LIVE勝ち上がりの「さとーこうすけ」
出囃子は「PARTY PARTY / TOTALFAT」
さあ!ココからがパーティーだぜ!って感じです。
さとーこうすけも、バトルとはネタを変えてきて頑張ってました。
トップバッターというのを意識したネタにしてきたのかな?
何よりのアピールの場なんだから、遠慮せずに自分の好きな事やっていいと思うんだけど、意外と優しい変人なのかも知れません。
ありがとう!こうすけ!コレからも秋田のお笑いを盛り上げて行こう!
続きまして!ゲスト一人目!
ギフト☆矢野
今回のゲストで唯一の先輩、ギフト矢野さん。
センパイなのにめっちゃいじらせてくれる器と懐の大きい矢野さん。
出囃子は「恋/星野源」
我々の主催ライブで一緒に踊った思い出の曲。
はじめましての人も多かったかも知れませんが、なんかオレ的には「矢野さんがいるライブは良いライブ」って気がしてて、半ばお地蔵さんくらいのイメージで出てもらいました。
矢野さんの「物の真似」を秋田で見れて本当に嬉しかった。
しっかりウケてたし、きっと秋田の人たちにも好かれると思うのでまた来て欲しいですね。なんか今回のメンバーの中で一番秋田のお祭りでネタをやってるイメージが湧きました。
あと、やっぱり矢野さんがいると矢野さんの周りってなんか変な事になる事が多くてホントに面白かった。
厄介事と一緒にやってくる矢野さんが大好きなのでまたみんなに嫌味言われるために秋田に来て欲しいです。
矢野さんありがとうございました!
ガチャ……バン!!
出ました!続いては!
虹の黄昏
出囃子は「Get Off of My Way / MAN WITH A MISSION」
一緒にやってたユニットライブ『キラーチューン』のオープニングテーマ。野沢が覚えてくれてるとは思わなかったから嬉しかった。せじもとかまぼこは忘れてました。いいのよ、オレがしたかっただけだから(笑)
虹の黄昏は、もうホントに大好きな芸人で。
いや、芸人として大好きっていうかもう人として大好きっていうか「オレもこんな風に生きたいな」と思わせてくれると同時に「この生き方はコイツラに任せよう」とも思わせてくれる芸人です。
コレからも一生変わらずにいて欲しいし、ジジイになって動けなくなってる虹の黄昏を見て笑いたいです。
そんな大好きな虹の黄昏を秋田のみなさんに喰らわす事が出来てサイコーの気分でした。
相変わらずバカだなー。サイテーだなー。しょうもないなー。何やってんだよーもう、ホントに最高だなーアンタら。
また絶対に来てね!一緒に秋田のTVショーにも出ようよ!
んで、秋田の大人に一緒に怒られようよ!
その日は絶対に来るからその日までお互いどうにかこうにか生きよう!
とりあえずまた来年もよろしく!
ありがとう!野沢!かまちゃん!
続いては、もう20年来の戦友
アイデンティティ
ネタに関してはもうホントに誰よりも完璧で、漫才はもちろん面白いんだけど営業慣れしているというか現場慣れしているというかホントにドコに呼んでも間違いないなと感じるステージでした。
出囃子は「DON'T TRUST OVER THIRTY / GOING STEADY」
19歳の時に一緒にやったユニットライブの第1回のオープニングテーマ曲で、その時のオープニングムービーの構成とかもオレが考えたので凄く覚えている曲でした。
だって、「30歳以上の人間を信じるな」ですよ?意味。若いよねー。
なんかあの時のオレは「若いオレたちにピッタリの曲じゃん!」って思って選んだんですが、今聞いてみると20年後のオレ達に宛てた手紙だったのかも知れないなーとさえ思えて来る曲になりました。
もうアイデンティティに関しては語り出したらキリがないので、次は東京にでも行った機会にゆっくり飲んで語りたいです。
見送った後、田島から珍しく長文のLINEが入って……
「20年前にマックでだべってたオレらに聞かせたら笑われるくらいに思い描いた未来とは違うけど、お互いやりたい事やれてるから、ちょっとは夢叶ってるよな。」
だってさ。
ちょっと泣いたね。今も泣いてるし。
でもなんか悔しいから「珍し!」って返しておきました。
オレはあんまり大人になれてないかも知れません。
また来年もだし、今後もずっと呼ぶから今度は奥さんと子供も連れておいでよ!
田島!見浦!ホントにありがとう!
つづいては、オレが楽しみでしょうがなかった
街裏ぴんく
出囃子は「Kuchibashi Ni Cherry / EGO-WRAPPIN'」
ぴんちゃんとは今回のメンバーの中で唯一逆にユニットライブをやった事がなくて、思い出の曲みたいなのは無かったんだけど「オレが街裏ぴんくに出囃子を付けるとしたら」って考えたときにフッと降りてきたのがこの曲でした。
何を言っているのか分からないけど面白いぴんちゃんの漫談と、意味わからないけどカッコイイと感じさせてくれるこの曲が自分の中でニアイコールになったんでしょうね。
いやーしかし漫談しびれたなー。
オレは東京のライブでも一緒のライブに呼ばれたらホントに嬉しくて必ず話しかけに行って、ちょっと怖いくらいに愛を伝えていたんだけど、なんかその愛に応えてくれようとしているかのようなネタ選びでホントに嬉しかった。
きっと、もっとわかりやすくて入りやすい漫談もあったと思うんだけど「秋田だから」とか「地方だから」とか「初見の人が多いだろうから」みたいな手加減一切無しで「付いて来れるもんなら付いて来い!」と言ってるかのようなスタイルでホントにカッコ良かった。
楽屋で着替えている時からタトゥースーツを仕込んでいるのをオレらに見られないようにしてたんだなーって思うとホントに可愛い。
ビックリしているお客さんもいたけど、刺さった人はマジで脳みそ痺れるくらい面白かったんじゃないだろうか。
少なくともオレは痺れました。
ぴんちゃんホントありがとう!
また漫談で秋田の人を痺れさせてくれよ!
さて!ゲストのトリは皆さんお待ちかね
ヤーレンズ
出囃子は「YARLEN SHUFFLE~Kohitsujitachi eno Requiem~/サザンオールスターズ」
コンビ名の由来にもなっている楽曲ですが、オレにとってはそれ以上に一緒に事務所ライブに出ていた時に出囃子に使っていたのが印象に残っていて、渋谷伝承ホールの事務所バトルライブで先輩たちにネタで挑んでいた情景が浮かんでくる曲。
「一緒に若手を盛り上げて行こうな!」って気持ちと「ヤーレンズには負けたくないな」という気持ちが半々で入り混じっていたのを思い出しますね。
漫才の面白さは昔っから語るまでもないくらい面白いんだけど、出て行った時の歓声とかお客さんの「あのフレーズ聞けた」っていうリアクションを聞くと、しっかりと「ライブシーンのヤーレンズ」から「お茶の間のヤーレンズ」にステージアップしてるんだなーと思って、またあの事務所ライブの時みたいに嬉しい気持ちと頑張らなきゃって気持ちが湧いてきました。
でもきっとヤーレンズもオレらが秋田でこうやって頑張ってる姿とか見れて同じ気持ちになってくれたんじゃないかな?
まあ少なくとも二人ともスゴイ嬉しそうな顔をしていて、打ち上げとかでも会話の端々で「うれしいなー」って言葉が漏れちゃうくらい嬉しかったのは確かですね。
次の日の話になっちゃうけど、楢原が色々奢ってくれたりして、それも嬉しかった。何が嬉しいってなんにも気にしないで楢原からご馳走になれちゃう状況がすごく嬉しかった。
今度は出井にもご馳走になろ!
また来てね!次はチャンピオンになって来てくれるのを秋田のみんなと待ってます!
出井!楢原!ホントにありがとう!
LIVEのオオトリは我々ねじでした。
出囃子は「Heavy POLYSICK / POLYSICS」
この曲は我々が事務所ライブの時に出囃子にしていた曲で、単独ライブも出囃子は基本ポリシックスだったので東京時代のお客さんからしたらかなり懐かしかったと思います。
一部の若手バトルライブの時にもネタはやったんですが、そちらはいつもの秋田弁漫才で、本編では秋田ではあまりお見せする機会が少ないガッツリコントにさせてもらいました。
ネタは「彼氏のバンド」というタイトルのコントで、このネタをやると必ず雨が降るという曰くつきのコントでした。
宣言通りホントに雨降ったしね。あんなに晴れてたのにね。ヤバいよね。
一番最初のオープニングトークで「今は暑いだろうけど、オレらの出番の頃には一雨降らすから」って言ったんだけど、宣言通りになって若干気持ち悪かった人もいたでしょうね。
自分達のネタの事を考えれたのって前日の深夜だったんですが、その時に思いついたボケとか新しい衣装とか含めて「このネタ、コレでやっと完成したのかも」と思えるような感覚でした。
コレちゃんと尺調整してキングオブコント持って行こうかな。
作ったのは6年くらい前のネタなんだけど実は賞レースには掛けてないんじゃなかったかな?
やっぱり東京時代の友達が沢山来たせいなのか「血が騒ぐ」っていうやつなんでしょうね。
そんなこんなでエンディング。トークコーナー。
出囃子は「できっこないをやらなくちゃ/サンボマスター」
出番を終えた我々をみんなが拍手で迎えてくれて嬉しかった。
エンディングでは予算の関係でマイクの本数も足りないのにみんながバチバチに前に出てくれて本当に助かった。
なんか久々に「ボケをさばくのがやっと」みたいな状況で楽しかったなー。
沢山面白くて下らないノリが生まれました。
みんなホントにありがとう。
更にココで感謝を伝えたいのはスタッフのみなさん。
オレが秋田でお笑いのフェスをやると言った時に「面白そう」と思ってオレを信じて何も分からない状況で闇雲に力を貸してくれたみなさんには感謝を伝えても伝えきれないくらいです。
きっとオレと同じように「お笑いのチカラ」を信じてくれてこの日まで付いて来てくれたと思うんですが、実際にそのお笑いのチカラを目の当たりにしたのはこの日が初めてだったんじゃないでしょうか?
ササキから聞いてたけど、ホントに凄いじゃん。って思ってくれたら嬉しいです。
できっこないなんて無いんですよ。やっぱり。
オレはコレからもやるし、たぶん死ぬまで続ける。
てか、オレが死んでも続くようにしたい。
そうなった時に初めて秋田にお笑い文化が根付いたと言えるのかも知れないよね。
エンディングテーマに選んだのは「ここにいよう/GADORO」
20年前に「秋田には何にもない」と言って東京に出て行った自分、20年経った今「秋田には何もない」なんて言わせないようにと生きている自分がいる。
「秋田にはねじがいる」って言って貰えるようにコレからも続けていきたいですね。
来年は10月中旬くらいにやれたらいいな!!
なかいちさんよろしくお願いします。