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#109 ただいま戻りました!

みなさんこんにちは、ただいま戻りました。昨年12月31日に投稿して以来、丸2ヶ月間 note をお休みしていましたが、本日予定通り戻ってまいりました。年末に書いたような「どうにか離陸しました」という状態までには至らないものの、今取り組んでいる4月末までの研究プロジェクトには大体目鼻が付き、note に復帰しても大丈夫と判断しました。以前のように隔日投稿ではなく、毎週月水金の3本投稿で行こうと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

今日は復帰第一号ということで、note をお休みしていた2ヶ月間、どんな生活を送っていたか、またそこから何を学んだかについて書きたいと思います。2ヶ月間はひたすら固い英文ばかり書いていたので、日本語の文章を書くリハビリもしなければなりません。エッセイは日本語、研究は英語の二刀流を取り戻すべく(ドイツ語はどこへ?)、note 記事執筆にも精力的に取り組んでまいります。



お坊さんみたいな生活

お休みしていた2ヶ月間は、とにかくすべきことがたくさんあったので、勉強・研究の能率を上げる必要がありました。昨年は体調を崩していた時期もあったので、全体的に「読む → 分析する → 書く」の情報処理スピードが低下しており、それを元に戻すのも課題でした。そこで始めたのは、生産性向上の鉄則「まずはフィジカル(物質的・物理的)なものから整備」でした。つまりは頭で考える必要のない部分から生活を整えることでした。参考にしたのは、お坊さんの生活です。

次の一連の行動を朝のルーティンにして、毎日完全には達成できなくても、どの程度達成できたかを記録に残すようにしました。

・朝 4:45 に起床、部屋は暗いままで
・Apple Watch アプリを使って、5分間の呼吸瞑想
ゆっくりストレッチ → ストレッチ終了後、初めて部屋の照明をつける
ほうきとちりとりで部屋全体をきれいに掃除する(10分間程度)
・掃除の後、シャワーを浴びる。上がったら体重測定、アプリで記録
・朝食を作り、食べる前に神棚にお詣り
・朝食を食べ、出勤前の勉強開始(この段階で 6:00 が目標タイム)

今年の朝のルーティン〜太字の三つが特に大切な気がします〜

ここまでを黙々と毎日こなすことで、集中力が高まり生産性は修士論文の研究に取り組んでいた頃と同じレベルまで戻ったのではないかと思います。お寺ではお坊さんが毎朝念入りに掃除をしますし、秋の伊勢神宮へ行けば、掃いてもすぐに葉が散ってくるのに、それでもひたすら落ち葉を掃いています。
 何が理由があるのだろうと思って真似してみたのですが、毎日部屋をほうきで掃くのはとてもよかったです。朝起きても残っていた前日までのもやもやが、掃除が終わる頃には無くなっているのを感じました。
 音楽を演奏するライブハウスでは、比喩的に「昨日の音が残らないように」と念入りに掃除をすると聞いたことがあります。昔から続いている習慣には、やはり意味があったのだなあと学びました。

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サラダバー&温かいスープ+教会まで散歩

このタイトルは何だと思いますか?年明け以降変えていないお昼のメニューです。大学の学食ではいかにもドイツらしい揚げ物(豚肉のシュニッツェルやサーモンのフライ)やパスタ、ピザが人気ですが、一人前は量が多すぎて、美味しくはあるのですが胃がもたれてしまい、午後の集中力が下がってしまうと感じていました。

そこで周囲を見回してみると、計り売りのサラダバー&温かい日替わりスープという食事をとっている人がそこそこいます。「これを試してみよう」と思いました。

二ヶ月間ほぼ同じ昼食「サラダバーと温かいスープ」これで身体が整う

これまでは、学食のメニューを事前にネットで調べ、「今日は何を食べようか」と悩んでいました。食べたいメニューがない時は、中心街まで散歩してそこでケバブなどを買ってくることもありましたが、メニューを固定したことで、精神的なノイズのようなものがぐんと減りました。サラダバーの内容は日によって多少変わり、スープも日替わりなので、実は「サラダバー&スープ」にメニューを固定しても、毎日少しずつ違うものが食べられるのです。揚げ物や炭水化物をやめると身体が軽くなり、頭がよく働くようになるのが実感できました。

食事の後は、大学の横にある聖エリザベス教会まで歩いて、その帰りは州立公園を散歩してくることを日課にしました。多少雨がぱらついても、他のドイツ人と同じように、フードをかぶって歩きます。すると、特定の曜日に公園が小学生で賑わっていること、保育園?の散歩は日本と同じようにカートに子どもを乗せて行っていること、実は州立公園の中にサクラの木があり、すでに咲いていることなど、多くの発見がありました。毎日の行動パターンを極力同じにし、「読む → 分析する → 書く」だけが毎日違う状態を心がけました。

大学に隣接する州立公園のサクラ〜2月27日撮影〜

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川べりの木か、流れる水か

元NHKアナウンサーの木村太郎さん、あるいは故平野次郎さんどちらかの言葉を思い出しました(あるいは別の方だったかもしれません。ご記憶の方がいらっしゃれば、教えてください)。それは、ニュース番組のメインキャスターとして、他番組に移籍する若手キャスターを送り出す際の言葉でした。

あなた(若手キャスター)は川を流れる水で、私はその川べりに立つ木のようなものですね。あなたは今後いろいろな世界を見ることになると思うので、その活躍に期待しています。一方私は、川べりに立つ木という同じ視点から、経時的に世の中を見つめ続けます。同じ点から見ることで、変化がよく見えるからです。

とても含蓄のある言葉でした。木村太郎さんはご健在ですが、平野次郎さんは今年1月にお亡くなりになりました。僕が大変尊敬するジャーナリストで、実は短期間ながら同じ職場で働いていたことがあり、職員食堂でご一緒してお話しさせていただいたこともありました。大変残念な思いです。

おそらく仕事のスタイルには大別して二つあり、毎日を変化の中で生きながら多くを吸収するタイプの人(流れる水)と、仕事内容以外の変数を固定して感覚を研ぎ澄ませ、細かい変化に気づいていくタイプ(川べりの木)がいるのだと思います。
 僕は前者に憧れて、かつては隔月でハワイに滞在し、現地ホテルを回りながら経営陣と商談をするコンサル業をやっていた時期があるのですが、向いていませんでした。やはり、「毎日同じ場所で同じルーティンをこなし、その中で気付きを得る」タイプのようです。思えば、ジョブズやザッカーバーグもこのタイプに違いありません。
 彼等が毎日同じ服を着るのは、よく「洋服を選ぶ時間を節約するため」と言われますが、多分違います。理科の実験のように、集中したいもの以外の変数を固定して、微妙な変化に気づける精神状態を作るためだと思います。

最近はそれでも、「いろんな土地を見た方がいいよ!」と友人たちに説得されているところです。毎日のルーティンは保ちつつ、年に数度は他国にも出かけて見聞を広めたいと思っている昨今です。

今日もお読みくださって、ありがとうございました🌳
(2024年3月1日、復帰初日)

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ささきとおる🇳🇱50歳からの海外博士挑戦
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