#24 ドイツについた日
約14時間のフライトを経て、先ほどドイツに着きました。入居する大学のゲストハウスは今から行っても入居手続きができないので、今夜は空港ホテルに泊まって、明日現地入りします。
三度目の留学、三度目の正直!
羽田からの飛行機の中で思い出したのは、やはり過去二度の留学とその出発便のことでした。一度目は1996年なので27年前、二度目はその翌年なので、ふた昔も前の話になります。少し振り返ってみよう!
一度目:カナダ、カールトン大学/成田 → カルガリー → オタワ
初めての留学は1ヶ月の短期語学留学でした。この時が生まれて始めての海外で、最初に降り立ったのがカナダのカルガリーというなんとも地味な海外デビューでした(カルガリーの人ごめんなさい)。首都オタワにあるカールトン大学の語学コースに通ったのですが、本当の目的は語学コースが終わった後の旅行でした。『赤毛のアン』の舞台となったプリンス・エドワード島へどうしても行きたかったので(下に引用した先の投稿をぜひご覧ください)、「プリンス・エドワード島にできるだけ近く、日本の夏休みに合う語学コースを開設している大学」を選んだらそれがカールトン大学だったということです。
素敵な出会いがありました。僕と全く同じ思考回路「プリンス・エドワード島に近くて、いい語学コースがある大学」という条件で、韓国の光州大学から来ていた2歳年下の女子大生キムさんとコース中に知り合いました。お互いの思考回路が同じだったことを知り、「じゃあ、一緒に旅行しよう」と意気投合して、コース後に1週間2人で旅行しました。「どうせ行くなら、アンと同じ足取りで」と話し、飛行機でプリンス・エドワード島へ直接入るのではなく、アンが孤児院に入っていたノヴァスコシアへまず入り、そこから陸路+フェリーで島へ渡りました。当時の韓国はまだまだ保守的だったようで、彼女は、「この旅行が両親にバレたら殺される」と言っていました。ある宿ではこんなやりとりがありました。
結局は追加料金を払って折りたたみ式の小さいエキストラベッドを入れてもらい、部屋に入ると「じゃあトオルはそっち」と僕がエキストラベッドで寝ることになりました。行く先々でハネムーンと勘違いされましたが、否定して説明するのにも疲れてしまい、途中からはお揃いのTシャツを着て、「ハネムーンのふり旅行」を楽しみました。
彼女は結局、帰国後すぐに旅行のことを自分から両親に話し、「それは素敵な出会いだったね」と予想と正反対のコメントをもらったとのことでした。きっとご両親にも似た経験があったのだと思います ^^
二度目:オーストラリア、ウロンゴン大学/成田 → シドニー
2度目の留学では、当時在籍していた筑波大学との交換留学生としてオーストラリア、ウロンゴン大学へ行きました。当時のオーストラリア線は成田を夜10時頃に出て、翌朝シドニーに着くという体に優しいスケジュールでした。いい気分でシドニーに到着後はバスでウロンゴンへ入り、学生寮への入寮手続きも無事済ませました。しかし問題が……
夜までに寝具の買い物をしないと寝られない、かつ日本を真夏に出発したのでオーストラリアは真冬!寝具を売っている店を教えてもらってすぐに買いに行き、寝具一式を抱えて電車と徒歩で帰ってくる時はとてもみじめな気持ちでした。オーストラリアというと今でも「真冬に布団と枕を抱えて帰った」思い出が最初に出てきます。タクシーをつかまえることをなぜ思いつかなかったかは、大きな謎です。
「将来は海外で博士号を取る」と決心したのはそんなオーストラリアにいた時のことで、25年後の今日、無事スタートラインに立ちました。今回のドイツ留学の話をすると、「ササキさんは行動力がありますね」と言われるのですが、実際は「とことん諦めが悪かった」という方が当たっていると思います。
三度目:ドイツ、ダルムシュタット工科大学/羽田 → フランクフルト
今は出発便の中でこの記事を書いています。ドイツ便で思い出すのは、ある不思議なシンクロニシティ。あれは2010年頃だったと思いますが、その時もフランクフルト便でした。着陸して「やれやれ、今年もドイツか」と思って降りようとした時に、機内でビートルズの『ノルウェイの森』がかかり、その曲が好きだった友達のことをぼんやりと思い出しました。
村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』の冒頭のシーンは、主人公トオルが乗る飛行機がドイツ、ハンブルグに着陸した時に機内で『ノルウェイの森』がかかって昔を思い出すというシーンから始まります。「ハンブルグとフランクフルトの違いはあるけど、それ以外は全部一緒だ」と驚きました。ドイツには何か縁があるらしく、日本以外で一番長く住む国になりそうです。
さて、ホテルの Wi-Fi がつながったので、この記事を投稿します。今日は、ホテルのバーでビールを1杯飲んだら早めに寝ようと思います。
今日もお読みくださって、ありがとうございました。おやすみなさい💤
(2023年8月2日)