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”アイビー経営者からの教え”〜「失敗の本質」現場で負ける経験〜

野中郁次郎著 『失敗の本質』 は、30年も前に読んだのであるが、未だに脳裏に焼きついて忘れることが出来ない。
TOPに立ち、自分の正しさを論理を並べて主張するとき、誰もその人を諫めることが出来ない。

理屈抜きの判断力は、現場の体感を幾度も経験することである。

今回は会長のブログから、こちらをご紹介いたします。
https://www.shirt.co.jp/column/cat1/22/

前回触れたように、会長は失敗に関しては恵まれていて、渡り歩いた4社の会社が倒産しており、経営における失敗の最高が倒産だとしたら、多くを現場で体感されてきました。

日本の私達アパレル業界に当てはめてみよう。
人々の欲求に応える為に物作りするとき、私達産業人の指導者がどれだけ現場・現地(原材料の)に立って仕事しているだろうか。・・・

デパートの売上減少に歯止めがかからない。
売場維持のためには、売上額と差益の絶対死守が出世街道となる。
本質が見失われ、現場あるいは商品すら見ることなく、ますます机上の計算(エクセル表)論理的・予算達成方程式で仕入れが行われる。

サラリーマンとして、消費者、生産者もお構いなしに、自分のために仕事をする。

もう自分だけ良ければの世界である。
それでも泣く子とビックバイヤーには勝てない。
行く末が地獄と分かっていても引き返すことができない・・・と、納入業者の嘆きが聞こえてくる。・・・

今私達の回りのアパレル社会では、まさにこの失敗の本質で語られた、失敗の道をまっしぐらに突き進んでいるのである。

私の経験で、アパレルの場合・・
1 まず、売上の予測が難しいジャンルであること。
2 であるから、従来の評価方法(目標そもそもが安定・前比達成を前提にしたもの)が、あまり適切でないこと。
3 売れたものの分析を、定量的・訂正的・反省的(他の商材とバランス・展開方法など)を把握する必要があること。
4 川下の販売スタッフや、WEBページに、実際は多くの売上の要因を負っていること(商品の力だけでない)
を、知った上で、会社経営をしていく必要があります。

前職では、会社の予算は「設定なし」という変わった体勢でした。
その代わり顧客数・顧客満足(どうやって測るかは臨機応変に)・店舗別の毎月の予算はありました。

なまけ者の私でさえ、麻の生産地・綿布の紡績の現場・ニット産地の現場を歩いている。
その現場の方々の日々の努力、創意工夫、勇気あるチャレンジ。
それらに触れながら、感動し、共感し、喜びを分かち合う。
縫製工場の皆様にはミシンの一針に 『あの会社のため』 という入魂をお願いできないかと考え、スタッフ総動員して意志疎通に努めている。

最後は気持ち、のような落とし所ですが、
産地・販売地に足を運び、
「結局関わってくれている人は幸せか?もっと幸せにできないか?」
への洞察こそが、その会社の永続を少しでも実現すると教わりました。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
佐々木真吾

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