運用で大切なことはすべて麻雀で学んだ
ssmjp同人部の新刊に記事を書かせてもらったので、noteにも転載しつつ宣伝してみる。
良かったら買ってくださいませ。
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ssmjp麻雀部について
ssmjpではコミュニケーションツールとしてSlackを活用している。
そこには「#麻雀やろうぜ」という「麻雀したい」と言えば面子がすぐに集まる素敵なチャンネルがあって、ssmjp麻雀部では日々麻雀を楽しく打つことができている。
Slackは良いね。
※「#麻雀やろうぜ」はssmjpのSlackの中で最もアクティブなチャンネルです。
ssmjpは世間的には運用の勉強会ということになっているけど、我々部員は麻雀部の部活動を通して、運用のための知見を高めているのだよ。
運用で大切なことの「すべて」というのは言いすぎだけど、以下のポイントについていくつかピックアップして紹介したいと思う。
- 目標設定
- オペレーション
- 測定と改善
- 心を鍛える
目標設定
運用とは、安定的に何らかのサービスを提供し続けることと一般的には定義される。
その提供にあたっては、クオリティ、時間、コストなどについて目標値を設定することはとても重要。
その目標値設定能力は日々の麻雀によって鍛えることができるのだ。
目的に対する意識付け
麻雀はゲームの1つだ。当然「ゲームに勝ちたい」という目的で打ってる人が多いと思う。
その目的達成のために、どうすれば勝てるのか、どうすれば負けないのか、をひたすら考えるという行為はそれ自身が業務でも役立つ頭のスタミナ養成になる。
また麻雀は「勝つ」以外にもいろいろな目標を設定できる。
格好良く勝ちたい、より高く上がりたい、この人だけには負けない等々。
様々な目的があり人によって目指すものがちょっとずつ違っている、ということを実体験として経験できるのも麻雀を打つメリットの一つである。
優先度付け
様々な目的のうち、どれを優先させるかということは順目が進むにつれて刻々と変化していく。
まったく同じ事象が存在しない中で、リアルタイムで考えながら優先度を変化させていく、こういう思考訓練は、仕事においての優先順位付けのトレーニングにもなる。
当事者意識
自分の手牌と点数は自分自身の責任でやりくりするしかない。
麻雀をすると仕事で大切な当事者意識が嫌でも身につくよ。
オペレーション
オペレーションとは目的を達成するため手順を定めそれに沿って実施していく一連の作業のこと。
システム運用における典型的なオペレーションはいくつかあるが、それらのトレーニングも麻雀により行なうことができる。
インシデント対応
事故などの危難が発生するおそれのある事態をインシデントと言う。
要は「ヤバイ」という状況なんだけど、そういうときには適切にちゃんと対応をしないとヒドイことになるのよ。
麻雀では「ヤバイ」という状況はわりと良くある。
- 親からリーチがかかった
- ドラの役牌をポンされた
- 白発をポンされて大三元の可能性がある
- 点数がとても少ない
ヒリヒリしながらもなんとか生きのびるために考える、そういう行為は業務におけるインシデント対応能力とインシデント発生時の胆力を培ってくれる。
リスク管理
相手からリーチがかかったりした場合でも、振りこんだ場合のダメージと自分が上がる確率と点数を考えて、降りずに突っ張っていくことはある。
リスクを評価してリスクに対してどうするか判断する、ということは正にリスク管理そのものである。
麻雀を通じてリスク管理の大切さを学ぶことができる。
適切なリスクテイクをしないと勝てないのも麻雀である。
資産管理
麻雀では対局終了時の順位に応じてポイントをプラス/マイナスすることが一般的に行なわれる。
いわゆる順位点というものだが、この仕組みにより1位を取り4位を避けることが重要になってくる。
微差でも少しでも上回れば良いので、自分の点数と相手の点数を把握し、必要な点数で上がることがとても大事。
点数を意識することを続けることで、数字に強くなっていく、この能力は仕事においても必ず役に立つ。
またドラは1つあるごとに点数が倍になる。
ドラを大事にすることで点数が上がる、粗末にすると残念なことになる、ということを体で覚えていくことで、重要資産の扱い方も身につけることができる。
バックアッププラン
麻雀では欲しい牌がツモれることはほとんどなく、これじゃないなあ、ちょっと違うなあということが多い。
そのためどんなツモが来ても手が進むように代替策を考えつつ手牌を進めていくことになる。
代替策を考える、という行為はバックアッププランの策定そのものである。
測定と改善
運用業務は改善され続けなければいけない。
改善のためには、測定が欠かせないが、そのエッセンスもssmjpの麻雀部では学ぶことができる。
自動化
自動化は時間短縮、ヒューマンエラーの防止に効果が高い。
麻雀においても自動化できる部分はいくつかあり、たとえば以下のようなセオリーを活用することで思考の複雑さを減らすことができる。
- スジを活用した安全牌予測
- 向牌数(上がりまでに必要な牌の数)による速度判断
- ブロック理論(手牌を構成するメンツ数)による捨牌判断
セオリーを活用することで、観察力と思考力に余裕ができ、さらに深い麻雀もできるようになる。
これは自動化によるメリットに通じるものがあり、それを実体験として学ぶことができる。
振り返り、原因究明
野球の野村克也監督は「負けに不思議の負けなし」という言葉を残しているが、麻雀においてもこの格言はとても実感できるものである。
負けるときには、以下のような失敗をしていることが多い。
- 組み立てのミスによる手戻りやフリテン
- 無駄な突っ張りによる不用意な振込
失敗してしまったときには反省して次は繰り返さないようにする、そのような行ないは運用業務においても非常に重要である。
監視
麻雀では相手の様子や捨牌を監視をすることで様々な情報を読みとることができる。
- 打点が高そう
- 速度が速そう
- 染め手を狙っている
- 役満を狙ってそう
監視をさぼったり、または監視をしててもその情報を適切に生かさないと酷い目にあうというのは運用業務と全く一緒である。
ログ管理
ssmjp麻雀部では半荘毎の点数の記録をスプレッドシートに残している。
そのデータを元に分析を行なうととても楽しい。
ログは残すだけでなく、活用すると楽しいし役に立つということも体感できる。
ドキュメント管理
麻雀にはたくさんの上がり役やルールがある。
ただしどの役とどのルールを採用するかどうかは、参加者であらかじめ確認しておく必要がある。
ssmjp麻雀部では、採用する役やルールはドキュメント化しインターネット経由で閲覧可能にしている。
ゲーム中に、これどうするんだっけ、ということもたまにあるがすぐに確認できるのは便利。
ドキュメント管理の大事さもssmjp麻雀部では学ぶことができる。
心を鍛える
運用していると心が折れそうなこともあるだろう。
人の精神状態は、業務のクオリティなどに大きな影響を与えてしまう。
精神状態を平常に保ち、折れにくい心も麻雀で培うことができる。
理不尽なことへの対応
麻雀はそもそも理不尽なゲームである。
どれだけ一生懸命考えて最善を尽くしたとしても、負けるときは負けちゃうんだよ。
運が悪いと本当にどうにもならないときもあるんだよ。
そういう理不尽をたくさん経験することで、業務で発生する理不尽にも負けないような心が鍛えられるのだ。
アンガーマネージメント
ssmjp麻雀部での麻雀はとても口数が多い。
和気あいあいというわけではなく、殺伐とした単語が飛びかうこともある。
「(ひっかけなので)出ると思ったんだよねー、ロン」「ひどい捨て牌だねえ、ざまぁ」「はやく飛べよ」「バーカバーカ」等々。
麻雀はアンガーマネージメントのトレーニングにとても良いぞ。
インシデント対応訓練
ヤバイ事態に対応する訓練として、ssmjp麻雀部では年に1度、イカサマOKの麻雀大会を行なっている。
これはまさにインシデント対応訓練そのものであるが、イカサマありだと本当に様々なことが経験できる。
大笑いすることは、精神の健康にもとても良い。
詳細については、過去のささみの本にも書いているので良かったら読んで欲しい。
頼れる宗教
麻雀や人生に迷ってしまうときもあるだろう。
そんなときに救いとなる教義があると助かる命もあるだろう。
ssmjp麻雀部では、迷える雀士のために「槓の光」という宗教活動も行なわれている。
人生に迷ったそこのあなたは是非扉を叩いて欲しい。
詳細については、過去のささみの本にも書いているので良かったら読んで欲しい。
まとめと部員募集
我々ssmjp麻雀部では新しいメンバーを募集しています。
ssmjpのslackでお待ちしています。
全部の発表が麻雀というssmjpの勉強会を実施したこともあり、麻雀に関する知的アウトプットしたい方も熱烈に歓迎しています。