生活環境アップデート(ThinkPad X395→X13 Gen 4、Ubuntu 22.04LTS→24.04LTS)
ThinkPad X395にUbuntu Desktopをインストールして生活環境として使ってたんだけど、ゴールデンウィーク中に、X13 Gen 4が安くなってたので、衝動買いした。
記録も兼ねて、思ったことやメモを吐き出しておく。
買い替えをしようと思った理由
ムーアの法則によると、2年でコンピュータの性能は2倍になるんだ。
X395は4年前に買ったものなので、今同じようなものを買うと性能が4倍になる?、生産性も上がる?、と思ったんだ。
あと、Firefoxのタブを開きすぎたり、SlackやらDiscordやらを立ち上げたり、別のブラウザを使ったりしてると、16GBの実メモリを使いきって、仮想メモリを使いはじめるのもなんか気持ちが悪かったんだよね。
そんなときに、Lenovoから、ゴールデンウィーク中のセール情報が流れてきた。
さらに今は円安が進みまくってる。
今買っとかなきゃ駄目かあ、と思って衝動買いしたよ。
正直なところ、X395でも全然パフォーマンス的な不満はなかったんだけどね。
買ったモデル
カスタマイズをして以下の構成のものを購入。
CPU: AMD Ryzen™ 5 PRO 7540U
メモリ: 32GB
SSDストレージ: 1TB
キーボード: 英語、バックライト付き
ディスプレイ: マルチタッチパネル付き
WWAN: なし(付けるオプションがなかった)
指紋センサー付き
バッテリー: 4セル 54.7Wh
値段はいろいろ割引されて18.5万円。
どういう風に使っているか
OSは、Ubuntu 24.04 LTSをインストールして、そこをメインの生活環境にしている。
X395のときには、ストレージを全部Ubuntuで使うようにしてたんだけど、ストレージが倍になったので、120GBぐらいは、Windowsの領域として残してデュアルブートできるようにはしている。
でも多分使うことはないんだろうなあ。
基本的には以下のツールが使えればなんでも良いんだけど、UNIX的な環境に慣れてれば、Ubuntuで生活するのはわりと楽ちんなんだよね。
Webブラウザ
ターミナル
Slack、Discord、Zoom等のコミュニケーションツール
Office等のアプリ
Docker等の開発環境
良かったこと
X13にして良かった、と思ったことは以下。
処理性能が上がった
X395と比較すると、CPUとGPUの世代が上がっている。
CPU: 3500U → 7540U
GPU: RX Vega → Radeon 780M
ベンチマークサイトによると、CPUもGPUも2.5倍ぐらい性能が上がっているらしい。
ノートPCでは私は特にCPUやGPUを酷使するような作業をしてないので、あんまり関係ないよなあ、と思ってたんだけど、そんなことはなかった。
アプリケーションの立ち上がりが速い
ブラウザの反応が速い
というだけでも、快適度が上がったのを感じる。
快適なのを体験すると元に戻れなくなるんだよなあ。。。
バッテリーの持ちがすごく良くなった
X395はバッテリーが3時間ぐらいしか持たなかったんだよね。
それが8時間ぐらいは持つようなった。
これはとてもありがたい。
バッテリー容量はちょっとだけしか上がってないので(48Wh→54.7Wh)、省電力性能が上がったんだろうなあ。
X395のバッテリーが劣化してた可能性もあるけど。
あと、Ubuntu 24.04の省電力対応が改善した可能性もあるな。
BIOSでタッチパッドを無効にできるようになった
ThinkPadを使っている人のほとんどは、トラックポイントを使いたいけど、タッチパッドは使いたくない、と思うんだよね。
手の平が当たって勝手にカーソルが動いちゃうのは嫌だしね。
X395のときは、OS側で無効化してたんだけど、X13だとBIOSで無効にできる。
地味に嬉しい。
BIOS設定画面も綺麗になってるね。
ちょっと軽くなった
重さが 1.3kgから、1.1kgになった。
200gの差は思ったよりあるね。
Lenovoの拡張ボックスで外部ディスプレイ表示できるようになった
X395とUbuntu 20.04 と 22.04 の環境だと、Lenovo純正の拡張ボックス(ThinkPad Thunderbolt 3 ドック 2)で外部ディスプレイ表示ができなくてちょっと不便だったんだけど、X13とUbuntu 24.04の環境だと問題なく動いたよ。
ハードウェアの問題ではなく、OS側の問題なのかもしれないけど(未検証)、使えるようになったのはありがたい。
Waylandの環境でも、SlackやZoomが落ちなくなった
Ubuntu 22.04あたりからからデフォルトのディスプレイサーバーが、X.OrgからWaylandに変更になった。
Waylandのほうが軽いんだけど、残念ながらSlackやZoomで画面共有すると、アプリが落ちる、という問題があって、仕方なくX.Orgを使ってたんだよね。
X13とUbuntu 24.04にしてみたら、その問題は解消されてるみたい。
これもOS側の問題な気はするんだけど、環境を新しくした効果ではあるかな。
良くないこと
X13が良くないな、と思ったことは以下。
値段が高い?
X395は12.2万円ぐらいで買えたんだけど、X13は18.5万円もした。
スペックは上がってるけど、なんか高くなったなあ。
約1.5倍。
ただ、X395を買ったときは、1ドル=110円で、
X13を買ったときは、1ドル=155円。
ドルの価値は、約1.4倍に上がってるわけで、ドルで考えるとほとんど値上げされてないのよね。
これが円安かあ。
イーサネットアダプタコネクタが廃止された
X395だと専用のコネクタに繋ぐイーサネットアダプタが標準で付いてた。
ただX13だとそのコネクタが廃止されていて、有線LANを使いたいときには、USB-Cのコネクタを使う必要がある。
有線LANは私はたまに使うこともあったので、ちょっとデグレードしたなあ、という気はする。
まあUSB-C接続のLANアダプタはいくつか持っているので、実際には困ってはいなんだけど。
30WのUSB-C電源だと起動時に怒られる
X13は、30Wの電源を使っていると、起動時に、45W以上の電源を使ってくれ、と言われてしまう。
外出用のAC電源は、Anker511を使っていて、
これは小さくてとても良いんだけど、30Wしかない。
まあ怒られるだけで、実際にはちゃんと充電もされるし、今のところそんなに問題には感じていない。
BitLockerが面倒臭い
X13にインストールされていたWindows11ではBitLockerが有効化されていた。
BitLockerを使うと、PCを紛失したり盗難されたりしても、第三者がデータを取り出しにくくなる、というメリットはあるんだけど、デュアルブートをしたいような場合には、オフにする必要がある。
それをしないでインストールを進めようとして、ストレージに何かを書きこむと、Windowsも立ち上がらなくなってしまう。
そうすると、クラウド環境からキーを取得する必要があったり、なかなか面倒なことになる。
ちょっとハマった。
Anker PowerConf が Bluetooth 経由で使えない
リモート会議のときのスピーカーフォンにPowerConfを便利に使っている。ただ、X13とUbuntu 24.04の環境では、Bluetoothで接続すると、マイクが使えないのよね。
有線で繋げば使えるので、そんなに問題はないんだけど。
不思議なことに、X395だと、Ubuntu 20.04では、Bluetoothはダメなんだけど有線では使える、22.04だと、有線はダメなんだけど、Bluetoothでは使える。
OSの問題なのか何なのか。
そして、PowerConfをAmazonで見ると、買ったときに比べると1.5倍の価格になってる。
これが円安かあ。
変わらずに良いこと、悪いこと
X395からX13に変えたけど、そんなに変わらなかったことも書いておく。
良いことも悪いこともある。
サイズ感と使用感
このへんはほとんど変わっていなくて、使ってて心地が良い。
普通に使う分には特に問題なく使える英語キーボード
ホームポジションから手を離さずにマウスカーソルを動かせるトラックパッド
ほどよいサイズ感
ある程度の情報量を表示できる2Kのディスプレイ
わりと便利なマルチタッチパネル
シャッター付きのカメラ
ログイン時に便利な指紋認証
複数ある外部接続コネクタ
問題なくUbuntuが動く
Ubuntuの快適さと微妙さ
X395では、20.04→22.04を使っていたけど、X13には24.04をインストールした。
基本的なところは全然変わらず、正常進化してる感じで、普通に便利に使える。
WindowsやMacのことは良くわからないけど、生活にはこれで困らない感じ。
すこぶる快適。
ただセットアップはちょっと普通の人には面倒だし、謎のエラーも、たまに出たりする。
そのへんは微妙なので、万人にはまだお勧めできないかなあ。
慣れるととても便利だとは思うんだけどね。
保守の安心感
ミャンマーでX395のトラックポイントが故障したことがあるんだけど、普通に2週間ぐらいでパーツが届いて、即日修理対応してもらえた。
ワールドワイドで保守対応してもらえるのは本当に安心感がある。
ThinkPadのパーツはわりと手に入りやすくて自分でも修理しようと思えばできるしね。
セットアップしながら思ったことや注意点
セットアップしつつ思ったことや、過去との変更点等を自分への備忘も兼ねて書いておく。
インストールや設定で困った時にもChatGPTが便利
最近は困ったときにGoogleで検索しても全然良いページが出てこないんだよね。
今回もインストールや初期設定時のいくつかハマったけど、だいたいのトラブルシュートはChatGPTに聞いて解決したよ。
BitLockerを無効にしないとデュアルブートにできない
まずはこれをやらないと駄目。
中途半端にインストールを進めると、Windowsにも全然ログインできなくなる。
BIOS設定で Secure Bootも無効にしとく
インストール前にBIOS設定画面を立ち上げて以下の変更をしておく。
Secure Bootの無効化
Boot順番の変更
タッチパッドの無効化
インストールメディアは通常の作り方でOK
過去のバージョンのときは、メディア作成ソフトにバグがあったりしたんだけど、今はちゃんと直ってた。
ホームディレクトリの使用量にビビった
生活環境を新しくするときには、以下をバックアップして、新しい環境にコピーして、そこから必要なファイルを拾ってくる、という作業をしてる。
ホームディレクトリ
Wi-Fiの設定(/etc/NetworkManager/system-connections/ 以下)
VMのイメージファイル
X395は4年使ったけど、4年分のホームディレクトリの容量は約100GByte。
イメージファイル等も沢山あるのが原因だとは思うんだけど、太りすぎだなあ。
かなり昔は1年で1GBByteいかないぐらいだった記憶があるんだけどなあ。
CapsLockをCtrlに変更
gnome-tweaks で設定。
sudo apt install gnome-tweak-tool
シェルをzshに変更
シェルの履歴には賢かったころの知恵が詰まっている。
というわけで今だにzshが捨てられない。
sudo apt install zsh
chsh で /bin/zsh に変更して、過去のホームディレクトリから以下をまるっと拾ってくる。
~/.zshrc
~/.zprofile
~/.zsh-histroy
~/.zsh_histroy
以下は20年以上前のUNIX Magazineに載ってた記事なんだけど、未だにこの設定の世話になっているよ。
履歴マニア
http://0xcc.net/unimag/3/
日本語環境整備
基本的なアプリケーションの日本語の言語パックとかフォントをエイヤでインストール。
sudo apt install task-japanese-gnome-desktop language-pack-gnome-ja-base language-pack-gnome-ja gnome-user-docs-ja libreoffice-help-ja libreoffice-l10n-ja fonts-noto-cjk-extra
locale
sudo apt install locate
sudo apt install xfonts-intl-japanese xfonts-intl-japanese-big
sudo apt install fonts-takao-gothic fonts-takao-mincho fonts-takao-pgothic
sudo apt install fonts-noto
sudo apt install fonts-mplus
sudo apt install fonts-moe-standard-kai fonts-moe-standard-song
sudo apt install fonts-sawarabi-gothic fonts-sawarabi-mincho
sudo apt install fonts-ricty-diminished
日本語入力にSKKを使う
日本語入力はSKKを使っている。
小指が死ぬけどこれに慣れてしまって他のが使えなくなってしまったので仕方ない。
aptでインストールして
sudo apt install ibus-skk
過去のホームディレクトリから以下を丸っと拾ってきて、
.config/ibus
.config/ibus-skk
設定のキーボードからSKKを追加。
ただ、なぜか日本語キーボードを選んでしまうので、設定ファイルをエイヤでいじってやる。
sudo vi /usr/share/ibus/component/skk.xml
<layout>jp</layout>
↓
<layout>us</layout>
Emacs
エディタは未だにEmacsが捨てられない。
捨てたいと思いつつ10年以上経ったが。
起動時にIMEは無効にしたいので、メニューエディタを起動して、アクセサリー→Emacs(GUI)→コマンド、を以下のように修正
/usr/bin/emacs %F
↓
env XMODIFIERS=@im=none GTK_IM_MODULE=xim QT_IM_MODULE=xim /usr/bin/emacs %F
過去のホームディレクトリから以下を丸っと拾ってくる。
~/.emacs
~/.emacs.d/
~/emacs
emacsのディレクトリ以下には雑なelispがいろいろ置いてあって、整理しなきゃ、と思いつつも、多分死ぬまで整理されないんだろうなあ。
自動保存とかはわりと便利なんだけど、以下の記事ももう20年前か。
Emacsでファイルの自動保存(auto-save-buffers)
http://0xcc.net/misc/auto-save/
Slackの移行がとても面倒
snapとかaptでインストールできず、debファイルを拾ってインストールする必要がある。
設定ファイルは以下にあるので、これを移行させて、完了かと思いきや、
.config/Slack
全然そんなことなくて、すべてのワークスペース毎に再度認証が必要。
ほんと面倒。
Discordの移行はとても楽ちん
snapで簡単にインストールできる。
snap install discord
そしてスマホでQRコードをスキャンすると全部のサーバーにログインできる。
Slackに比べて圧倒的に楽すぎる!!
日記環境(chalow)
最近全然日記を付けていないが、chalowの環境はいちおう作っておく。
Perlのライブラリをインストールして
sudo apt install libhtml-template-perl libjcode-perl libjcode-pm-perl liblwp-useragent-determined-perl
以下を移動。
~/chalow
~/clmemo.txt
~/bin
すごく古いPerlのプログラムなんだけど、さくっと動いた。
ちょっとだけ野良パッチは当てているけど。
X395の再活用
X395はしばらくは予備PCとして維持しつつ、自宅サーバとして再活用かなあ、と思っている。
ラズパイよりは強い子だしね。
他に何か面白そうな使い方があれば教えてくださいませ。