JANOG53ネットワークチーム(BAKUCHIKU)振り返り
JANOG53が無事に終わった。
今回も会場のネットワーク構築に関わったので振り返り記事を書いてみた。
そもそものはじまり
クリスマスの1週間前の週末、道を歩いてたら、岡田さんから「今からZoom入れる?」とSlackが飛んできた。
とりあえず歩きながらスマホで繋いでみた。
「わりーんだけどさ、JANOG53のネットワーク作ろうよ」「はぁぁ?まあいいよ」
みたいなことからプロジェクトスタートさ!!
最初の方針
本番まで1ヶ月、年末年始休暇もあるので本当にタイトなスケジュールでなんとかしなきゃいけない。
ということで以下のような方針で動くことにした。
JANOG52のときのツールを活用する
メンバーは自分で考えて自分で動ける手練れ達で揃える
JANOG52のときのネットワークチームのメンバーで動ける人には参加してもらう
キックオフは早めにして走りながら考える
チーム名の由来
半年前のJANOG52は長崎で開催されたんだけど、そのときのネットワーク構築をしたチームに「BAKUCHIKU」と名前を付けた。
今回もそのチームが母体となっているので、X(Twitter)アカウント等も継続して使っている。
https://twitter.com/janog52_nw
長崎といえば爆竹だよね。
お盆の季節に精霊流しというイベントで、みんなで爆竹を鳴らしまくるんだ。
興味がある人は「長崎、精霊流し」等のキーワードでYouTube等で検索してみて欲しい。
治安悪めの楽しそうなイベントっぽいよね。行ったことないけど。
まあなんとなく対外的には「爆速構築」を省略して「爆築」だよ、と言ってるけどね。
JANOG52の時のネットワークチームの振り返り記事は以下。
キックオフミーティング直前の週末
週末に話を聞いたばかりなのに、翌週の月曜の夜にキックオフミーティングすることにしたので、週末は完全に潰れた。
Slackのチャンネルを作って
Notionのページを作って、もろもろ整備して
メンバー勧誘アタックリストを作って、手練れっぽい人に声をかけまくって
始めての人は、SlackやNotionに招待して
チームリーダーを決めて
キックオフミーティングと現地下見の日程を決めて
キックオフミーティングのアジェンダを作って
メンバー追加のプロトコルを決めて
バタバタしつつも、なんとか40人ぐらい強者が集まったので、なんとかなるような気がしたよ。
ちなみにキックオフ後にもメンバーが増えて、最終的にはメンバーリストを見ると
学生 21人
大人 35人
の大所帯になったよ。
キックオフミーティング
週末明け月曜の20時からキックオフミーティング。
ただ私は別件があったのでアジェンダだけ作って進行とかは岡田さんにお願いした。
経緯説明
自己紹介
チームとリーダー紹介
メンバードラフト
各種事務連絡
等を実施。
自走する各チーム
Notionの議事録ページを見ると、本番(ホットステージ)前までに32回ほどミーティングが行なわれていたらしい。
私がアジェンダを整備してミーティングを主催したのは
全体ミーティング1回目 2023-12-18
全体ミーティング2回目 2023-12-28
設計ミーティング 2023-12-29
全体ミーティング3回目 2024-01-10
の4つだけ。
なので、それ以外は各チームが開催したミーティングだ。
議事録に残ってないスモールなミーティングもSlackのハドル上でちょこちょこ開催されていたので、各チームそれぞれすごく時間を使ってくれてたのがわかる。
NotionのページやGitHubリポジトリもどんどん増殖するしていた。
自走してくれてすごくありがたいんだけど、自走というより暴走じゃないか、と思ったり思わなかった。
全部追うのは無理だよーー。
機材調達
こういうイベントでわりと時間がかかるのが機材調達。
お金も絡むし意外と大変なんだ。
年末年始をはさむので営業時間もほとんどない。
当然わりとバタバタしたんだけど、イーサイドさん、ホストさん、チームメンバーが協力してなんとか乗りきれた。
時間がない中、機材や資材を提供してくれた方々には本当に感謝。
本番前の資料準備
Notion上に、ホットステージのしおり、を用意。
メンバーが当日困らないように準備。
内容は以下のような感じ。
最初はなかったけど、後から追記していったものも結構ある。
全体スケジュール
集合場所
毎日のタイムスケジュール
緊急連絡先、非常時対応
メンバ行動予定表
NOC部屋の使い方
設営、撤収の動き方
各チーム別のしおり
感染症対策
期間中の作業記録
社員置き場
各種情報
お勧めプログラム
食事処
観光情報
お土産情報
懇親会・会食情報
現地での構築作業
本番の5日前から現地で構築作業を行なった。
1/12(金) ホットステージ 1日目
初日はのんびりムード。
作業部屋の環境構築
上流回線開通
届いたサーバ機材、ケーブル部材等の確認
夜は、いる人みんなでキックオフ飲み会なんかもしたよ。
1/13(土) ホットステージ 2日目
2日目も、いくつかトラブルもあったけど、まだのんびりムード。
機材もほとんど到着。
昼ぐらいから糸島観光に行く余裕もあった。
牡蠣小屋とても良かった。
1/14(日) ホットステージ 3日目
人も増えて本格的に作業開始。
まだ余裕がある感じで、太宰府観光に行く人々もいた。
100本以上の大量のケーブル作成なんかもほぼ終わってスケジュール通り。
人も機材も揃ってるし、進捗的にも余裕じゃん、と、この日までは思ってたんだよね。
1/15(月) ホットステージ 4日目
あちこちでトラブル発生。
楽しくなってきたよ!!
残業たのしー!!
1/16(火) JANOG53 Day0 設営日
この日から会場が全部使えるようになって、いよいよ設営開始。
光とメタルのケーブルを合わせて4km近くある大量のケーブルの設営が鬼門だと思ったんだけど、ケーブルチームメンバーがガチプロすぎて実は一番トラブルがなかったという。
チームメンバー以外のNETCONの人達とかに手伝ってもらったおかげで、すみやかに配線ができた。
でも全日から引き続き、あちこちでトラブルが継続。
残業たのしー!!
夜はwakamonogでイベントネットワークの発表があったので、関係者はそこにも参加したよ。
1/17(水) JANOG53 Day1
午前中に設営作業の続き。
午後からの本会議の開始までにはなんとか間にあった。
いくつか問題は残ってたし、監視ダッシュボードも完成してなかったけど、まあ仕方ない。
夜は、さくらの夕べで今回のネットワーク構築の発表もしてきた。
1/18(木) JANOG53 Day2
引き続き、トラブルシュートと監視ダッシュボード作成。
1/19(金) JANOG53 Day3
午後の最後の枠で、今回のネットワーク構築についての野良BoFを開催。
そこで、ケーブルが沢山で撤収が大変なんだよねー、誰か手伝ってくれないかなー、ってダメ元で言ってみたら、沢山の人が撤収を手伝ってくれたよ。
撤去されたケーブルはぐちゃぐちゃになっちゃうかな、と覚悟してたんだけど、手伝ってくれた人々は普通にプロっぽいばかりだったらしく、とても綺麗に巻いた状態でケーブルを持ってきてくれた。
JANOGは人材豊富だよなあ、あたりまえだけど。
おかげで撤去、梱包は予想よりだいぶ早く終わった。
配送手配にちょっと時間がかかったけど、まあ機材が多いからなあ。
終了後はJANOG53のスタッフと一緒に打ち上げ!!!
撤去作業後はスタッフ部屋で疲れはててたはずなのに、飲み会になったらみんな元気だ。
これがお酒の力か?
イベントの後の高揚感って良いよねえ。
橋の上で記念写真を取った後は、それぞれ2次会3次会に向かっていったよ。
支えてくださった方々
今回のネットワーク構築にあたり、いろいろな方々に支援していただいた。
(社名の敬称等は省略させていただきました)
機材等を提供してくれた方々
Cisco
NTTコミュニケーションズ
SEIKOソリューションズ
Mixi
さくらインターネット
ひなたコミュニケーションズ
長崎県立大学
九州産業大学
福岡女子大学
業務として参加を認めてくれてくれたチームメンバーの各所属会社の方々
メンバー集め等、沢山尽力いただいたNETCON関係者の方々
ケーブル撤去を手伝ってくれた、野良BoF参加の方々
いろいろサポートしてくれた会場の関係者の方々
広報の連携等いろいろお手伝いいただいた、JANOG53実行委員、JANOG運営委員の方々
手厚くサポートいただいたイーサイドの方々
構築の機会をいただき、手厚くサポートしていただいたホストの方々
沢山のおやつの差し入れをしてくれた方々
トラブルシュートに付きあってくれた通りすがりのyuyarin
本当にありがとうございました!!!
特に今回はCiscoさんには本当にお世話になりました。
沢山の機材提供、勉強会の開催、スペシャルなメンバー参加、当日サポート、普段触れないとても高い機材(Cisco DNA Center)の持ちこみ、等々、Ciscoがまた好きになりました。
そして学生さんに、Ciscoって知ってる?、と聞いたときに、高いんですよね??、と言われて返答に詰まってたのがちょっと面白かったんだけど、まあ良いものは高いんだよね。
そういえばCiscoの有志がやっているYouTube動画でも宣伝してもらった。
リーダーとしての動き方
全体リーダーとして動くにあたって個人的に考えたことは以下かしら。
自律分散協調
ステートは持たない
ステートは人に持たせない
ネットワーク屋さんだと、この単語で通じる。
一般人向けに言い換えると
各チームが勝手に動けるような仕組みを作る
各チームがそれぞれ連携できるような仕組みを作る
指示はしない、やりたいことを共有する
やり方は各チームにまかせる
情報は共有して、誰でも参照できるようにする
特定の人に聞けばわかる、というようなボトルネックポイントはできるだけ減らす
決済する人は明確にしておく
こんなことを意識した感じ。
まあなんとなくうまく回ったので良かった良かった。
ただ本当はリーダーとかやるのは嫌いなんだよね。
適当に隅っこのほうで無責任に好きなように動く、というのが好きなんだけど、今回は時間がなかったので仕方なかった。
我々は勝利することができたのか?
今回もいろいろな敗北感を味わったけど、JANOG53も無事に終わったので、まあ勝ったと言って良いんじゃないかな。
そういえばホットステージの2日目に暇でうろうろしてたら、ケーブルチームリーダーの桑原さんから、ケーブル作成担当表に名前を入れといたので、ケーブル作成お願いしますね、と言われたのよね。
作成ブースも作ってあった。
年齢的に倍以上生きてるのに、若者にパワハラされちゃうのかあ、と思ったけど、うっかり反抗すると、
「お前の前に立っているのは、前前前世から100年以上生きたインフラエンジニアだ」
とか言わて断頭台のアウラみたいになりそうなので、黙って耐えたよ。
学生のはずなんだけど言動があきらかに同年代以上なんだよなあ。
若者コワイ。
仕方がないので、暇なときに作るかー、と思ってたら、作業ブースは別の若者に占拠されてNTPサーバの設置場所になったり、論文執筆場所になってたりして、場所が空かなかったんだよね。
なので結局ケーブルは作れてないんだ。
結果的にパワハラに負けなかったわけで、個人としても今回も勝ったと言って良いんじゃないかと思うんだ。