萩山駅での連結作業を思い返す
萩山駅は、東京都東村山市萩山町にある西武拝島線と多摩湖線の駅です。
1日の乗降客数は8,643人で、これは西武鉄道にある全92駅中70番目の数です。(2022年度)
萩山駅では、かつて2013年3月まで、ホーム上で電車の連結や切り離し作業を行っていました。
電車の連結や切り離しというと、ひと昔前では多くの駅で見られたものでしたが、近年では急激にその数を減らしています。
西武線だけで見ても、この10年ほどで、萩山(西武拝島線)、上石神井(西武新宿線)、小手指(西武池袋線)の各駅で、連結や切り離しが廃止となりました。
人的・時間的コストのかかる連結作業は、時代の変化とともに年々減少しており、その姿が消えていくことには寂しさすらを感じてしまいます。
萩山駅での切り離しと連結を振り返ってみた
萩山駅の切り離しは、西武新宿や上石神井からやってくる「拝島・西武遊園地行き」が対象とされていました。
廃止間際の2011年3月改正ダイヤでは、「拝島・西武遊園地行き」は、平日の朝ラッシュ時間帯に6本が運転されていました。(各停1本、急行5本)
こちらは、前6両が拝島行き、後ろ4両が西武遊園地行きとして運転されていました。
(切り離しの際は、西武遊園地行きが、少し後ろへ下がるのもマニア的な見どころでした。)
連結も見てみましょう。
西武遊園地駅からやってくる4両の急行と、拝島駅からやってくる6両の急行が、萩山駅で連結して10両で西武新宿行きとなります。
こちらは、萩山駅平日の朝6時台から9時台にかけて、毎日11回の連結が行われていました。(2011年3月改正ダイヤ)
連結・切り離しの際は、係員各位が作業に従事する姿を見ることができました。
車両係員さんは、連結器の状態を念入りに確認。
駅係員さんの出す連結の合図に、運転士さんが応えます。
これらの連結作業に要する時間は僅かなものでした。
多くの電車が1~2分程度の停車で、すぐに多くの乗客を乗せて都会へ向けて出発していきます。
コロナ前の、平日朝ラッシュの殺伐は、いま思い出すと時代を感じる光景でもあります。
萩山駅での切り離しは2012年6月をもって廃止となり、連結も2013年3月をもって廃止となりました。
連結の際には、電車が萩山駅手前で一旦停止するため、踏切が長く閉まったままになることもなくなりました。
拝島線からやってくる電車は長い10両編成の電車に置き換わり、萩山駅を数十秒の停車で着発していきます。
なお、連結と切り離しが廃止された現在も、作業スペースには屋根がそのまま残されています。
この屋根は、かつての連結作業を現在に伝える遺構となっています。
萩山駅を利用される際は、是非この痕跡をチェックしてみてください。