Snap out of it.
さびしさにめをさます
こたつのなかからはいだして
テレビをつける ひとりぼっちの居間
夕方のニュースがやっている
煩雑な今日をまとめている
アイドルの結成、外国のテロ、政治家の当選
代り映えのしない禍福 移り変わる日常
世界は動いてる 冷蔵庫みたいな振動で
不幸は降り積もっている 壁一枚隔てた向こうで
もうまずい 地獄の歯車がきしんでる
僕らを摺りおろそうと待ち構えてる
絶対的な破滅の予感
けれど手札が何もない近況
このままじゃいけない
けどどうしたらいいのかわからない
ミズライムのイヴィリィだって
きっともうちょっと理性的だって
おもうんだけど
なにしたらいいのかわかんないんだ
立ち尽くしている 誰かにすがりつきたいと思ってる
それが間違いであることを知っている
信頼の基盤は壊れている
疲労感にめをそむけ
机の上へとかじりつく
テクストを開く なにかをしている実感
明け方のニュースがやっている
煩雑な今日を知らせている
アイドルの解散、外国のテロ、政治家の汚職
代わり映えのしない禍福 ジリジリと迫る胎動
世界は動いてる 冷蔵庫みたいな脈動で
群衆は石をなげうった
盲目のままに従った
やがて意志をも擲った
めをさませ 眠ったまま死ぬには早い
絶対的な破滅の予感 泥縄みたいな切り札
このままじゃいけない どうしたらいい?
「足元を見給え 灯りがないのなら」
「弱さは盾にならない 思考を巡らせろ」
指示ではない助言 先人の贈り物
そうだ、きみよ、ぼくよ
石を握れ 投げ打つな
意志を握れ 擲つな
ぼくよ、ひとで、いたいのならば。
擲つな 目を覚ませ